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第一話

『おはようございます。第441時空方面の時空座標確認。間もなく到着します。』


 どうやらワープ推進中に居眠りをしていたらしい。

 宇宙船に搭載されたトレイルブレイザー支援ユニットの人工的な声が聞こえてくる。


 一人に一隻貸与される宇宙船は、形状的には戦闘機に似ている。一人乗りのコックピット、後部には様々なものを入れる格納スペースがある。


 この宇宙船は、自己修復、自己学習ができる素晴らしいものらしい。

 「こちらを支援するための様々なプログラムが組まれており、会話や状況を取り込むことでさらに学習していくのだ」と補給部のやつらが言っていたけど正直よくわからない。人工知能とか人工無能とか言ってたけど、要するに人工有能ってことでいいんだろうか。


 こんなふうに無駄に物を作っているから、資源が無くなるんじゃないだろうかと思いもするのだが。


 シートベルトが自動的に体に浅く食い込むのを感じながら、前方のモニターを見た。ワープ推進中は閉鎖状態になるため、外の様子はよくわからない。

 ふと、思いっきりシートの肘掛けを握り締めていることに気づいた。緊張している。


「大丈夫。宇宙船内には寝床もあるし、食料も充分にある。別次元内に宇宙船は繋留するから、破壊されることなんてありえないしな。」


 緊張と不安を振り払うように、小声でつぶやく。


『宇宙船内は快適な温度に保たれています。食料は30年間の滞在が可能な量を保存しています。エネルギー残量は100%です。12049年間の運用が可能です』


「いや、聞いたわけじゃないんだけどね・・・。」


 ジェットコースターが上がる前のような、実技試験の直前のような、なんともいえない胸が苦しくなる時間が続く。

 耐え切れない・・・。


「おおい、そういえば僕の他に5人ほどいたけど、他の人たちはどうなってるの?」


『クルス様を含む新規トレイルブレイザーの方は、座標軸の異なる場所に転送される予定です。』


「まあ、宇宙船のサポートはあるわけだし、同じところに6人集めても意味ないわな。」


 どこかで会うこともあるんだろうか。

 首をひねっていると人工音声が到着を告げた。


『到着します。ゲートマーカーを忘れずに設置してください。』


「わかってるわかってる。」


 宇宙船をどこかに浮かべておくと、それだけでいろんなことにつながりかねない。だから、宇宙船だけを別次元に起き、入り口だけを設置するのだ。その設置のためには、ゲートマーカーと呼ばれるマンホール大の薄い円盤のような機械が必要となる。地面に吸着させることで、ゲートを開けるようになるのだ。これがないと宇宙船に出入りできなくなってしまう。


「いきますか・・・っと」


『コックピット、開放』


 音声にあわせ、少しずつコックピットが開いていく。


 宇宙船から踏み出す。


 しっかりと、その足で大一歩を踏みしめる。


 背後で溶けるように、宇宙船が別次元へ消えていく。


『クルス様――――グッドラック。』




初めのほうはどうしても説明が多くなりがちで、おもしろくない部分もあるかもしれませんが、どうぞお付き合いお願いします!

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