復讐の果て
「復讐の夜」9話です。
この話を書いてたらマジで先輩に惚れそうになりました。
先輩みたいな人と結婚したいな。
では楽しんでください。
「先輩、どうしたんですか?」オレは先輩に近寄った。
「もう、いいんだ」先輩は手を下し、うつむきながらいった。
「なぜですか?あんなに憎んでいたのに。こんなやつを生かしておく意味なんかないのに」
オレは理解できなかった。ここまでしたのに。
「それこそ意味がないわ。こんな下種は殺す価値もない。もうこれでいいの。東条を追い詰め、恐怖を与えられたらもう十分よ。わたしの顔も思い出させることができたみたいだし」先輩は夜空を見上げている。
今夜は皮肉なほどに輝いていた。
「でも東条をこのまま逃がしたら、警察に通報されますよ。どうするんですか?」
「しょうがないわよ。私は警察に捕まるような事をしてしまったんだから」
オレは呆気にとられてしまった。先輩の顔が今までで一番美しかったから。心に引っかかっていたものがやっととれたようなそんな顔。オレは先輩に見とれてしまった。
先輩は東条に話しかけた。
「そういうわけだから。あなたは解放するわ。悪いわね騙しちゃって」この先輩の笑顔は恐ろしい。中に色々なものを秘めている。
ロープとガムテープを取ると東条はそそくさと帰って行った。
「終わっちゃいましたね」
「そうね。復讐はこれで終わり」先輩は体を伸ばしながら言った。
「いままでありがとうね。こんなバカな計画を手伝ってくれて」
「先輩、これからも僕と会ってくれますか?」
行こうとする先輩に問いかけた。
「ええ、もちろんよ。今度は共犯者じゃなく、友達としてね」先輩はにっこりとほほ笑んだ。
良かった。
これからも先輩と会えるんだ。良かった。
オレは先輩が捕まるなんて考えもしなかった。いや考えようとしなかった。そんな現実は受け入れたくないから。
先輩が捕まったのを聞いたのは次の日の夜だった。




