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告白

「復讐の夜に」第2話です。

では楽しんでください。

 オレはしばらく彼女が何を言っているのかわからなかった。まさか先輩の口から殺すなんて言葉が出てくるなんて。

 

「殺すって先輩正気ですか?」


 先輩は頷いてから「正気もなにも大真面目よ」

 オレは信じられなかったが先輩がこんなことを言うんだ何か理由があるんだろう。たぶんあの男をつけていたのもそれと関係があるのだろう。

 

「理由はなんですか?」


「それを今から話そうと思っていたのよ」


「私の兄はあの男に殺されたの。崖から突き落とされて」その場の空気が一瞬にして凍りついた。


「兄はあの日、一人で釣りに行っていたの。殺されるとも知らずに。警察はそのことや目撃証言がないことから自殺だと断定した。だけどね私は見ているのよ。あの男、東条雅俊が兄を突き落とす瞬間を。私は兄が忘れた財布を届けに行ったのよ。その時に見たわ。東条は兄に近づいて兄が立ち上がろうとしたときに突き落としたのよ。忘れもしないわ」

 

 

 オレはどんな顔をすればいいのか解らなかった。先輩は泣き出すかなと思っていたが強い人なのかもう何百回と泣いたのか涙は見せなかった。


「もちろん警察に言ったわよその時のことを鮮明に。だけど東条にはアリバイがあったの。その時東条は友達とゲームセンターで遊んでいたと言っていたわ。友達が証言していたらしいけどそんなのは嘘に決まってる。友達に何万か渡せばいなくたっていたと言うでしょう。わたしは突き落とすところを見たんだから」

 

 確かにそうだとオレは思った。

今の世の中金を払えばアリバイ証言だってできるんだ。

 「先輩のお兄さんとその東条雅俊はどんな関係だったんですか?」オレは気になっていたことを訪ねた。


「わたしの兄と東条はS大学の同期だったのそして今東条は私たちと同じ大学の4年生。文学部に入っているわ」先輩は憎たらしそうに言った。


「たしかに校内で見かけたことがあります」


「あんな奴が今ものうのうと生きていることが許せない」先輩は唇をかみしめた。


「だから私は東条を殺すの。お兄ちゃんの仇を討ってやるわ。私が東条を尾行してたのはもうわかるでしょ。あの男の帰宅ルートを調べていつどこで殺そうか考えていたのよ」

 オレは言葉を失った。彼女は冗談を言っている感じではなかった。先輩があの男を追っていたのにそんな理由があったなんて。

 

 「そうだったんですか」オレは目の前のカクテルを眺めながら言った。

「警察に言っても無駄なら自分が裁きを下してやるわ」先輩は柄にもないことを仰っている。

 それにしても何で出会って2か月ちょっとのオレにこんな話をしてくれたのだろう。


「でも何でオレにかんな大事な話をしてくれたんですか?警察に言うかもしれないのに」


「ごめん。馬鹿だよね私って。こんなわけのわからない話なんかして。警察に言うなら言って。わたし気にしないから」彼女は言う。   

 そこには兄を亡くした寂しさのようなものがあった。オレは彼女の最愛の人を奪ったあの男が憎かった。そしてオレは心底この人を守りたいと思った。

 


 オレは無意識に先輩を抱き締めていた。先輩は困惑したような顔をしていたが嫌がってはいなかった。オレは先輩をきつく、きつく抱きしめた。人の目なんて気にせずに。

 

「警察になんか言いません。オレはあなたを守ります。あなたの復讐の手助けをします。」

 もうどうなったって良い。先輩を苦しみから解放してあげたかった。

 

 彼女1人に重荷を背負わせたくはなかった。

オレは殺人の手伝いをすることにした。



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