俺が死ぬまで。
この小説をご覧になる前に。
終盤に人肉の食肉描写があります。
嫌いな方はお逃げください。
見て気分が悪くなっても責任は取りません。
【“私”の日記:12月20日。】
赤い糸で永遠を誓いましょ。
貴方のその口が呟いた言葉。
「○○○○○―!」
貴方が大好きだから永遠愛するね。
貴方が大好きだから一言も逃さず聞くね。
それは幻想?
それは妄想?
いいえ、全部本当だわ!
ねぇ、そうでしょう?
大好きな・・・!
【“俺”の日記:12月21日】
運命さえ叩き斬れる、丈夫な剣が欲しい。
なければなんでも。
切れたらなんでも。
あいつはおかしいよ。
あいつは逝かれてるよ。
どうしてあいつは、
あいつ、は!
本当にどうして。
どこを間違ったんだ。
【“私”の日記:12月23日】
彼はいつも不安げにため息をつくの。
どうしてかしら。
今日も、昨日も。一昨日も。
私、心配だわ。
なにがあったのかしら…。
心が砕ける気持ち、よ。
でもね、明後日デートするの。
初デートがクリスマスっていいでしょ!
ロマンチックな所も大好き!
【“俺”の日記:12月24日】
デートする。
俺はなにをしてしまうんだ。
俺は、俺は…。
あいつがこわい。
あいつはいちゃいけない。
あいつとは一緒にいれない。
どうして、こうなってしまった。
俺に非があるんだろ?
俺が間違いだったのか?
【“私”の日記:12月25日】
いよいよ彼が結婚を誓ってくれたわ!
愛してるって、言ってくれた!
私と暮らすの。一生!
愛してる!愛愛愛!
君も幸せだよね?
【“俺”の日記:12月26日】
―作者行方不明により打ち切りとさせていただきます―
【“私”の日記:12月27日】
警察が私の家にきたわ。
嫌よ、彼が何をしようが彼を連れてなんか行かせない。
絶対嫌よ、いやいやいや。
【“私”の日記:12月28日】
警察さんって本当に優しいのね。
彼と一緒に刑務所に入れてくれたわ。
死ぬまで絶対一緒にいようね。
永遠に愛してる。
【“私”の日記:12月29日】
死刑ってなに?
私、なにもしてないよ?
彼も黙ってる。
答えてよ、ねぇ?
教えてよ、ねぇ?
【“私”の日記:12月30日】
もうすぐ正月だね、
一緒に迎えたいね、はじめてのお正月。
パパにわたしがひとごろしっていわれちゃった。
うそつき。
だって かれは ここに ここにいる のに
【“私”の日記:12月31日】
いよいよ わたし しぬの
こわいけど ね
かれ も いっしょ だって
わたし の なか
かれ は わたし が ころして ひとつ に なったから
【1月1日:新聞記事】
狂気殺人事件犯人死刑!
12月25日、○県×市犯人少女宅に少年が出向いた所を少女は包丁で殺害。
その場で食し、血痕を拭き取ったとされている。
少女・少年が付けていた日記に大幅な違いが記され、少女はなんらかの精神障害にかかっていると思われている。
猟奇殺人に巻き込まれぬよう、最新の注意を警察は呼び掛けるように促している。






