3話
僕はそんな彼女に片思いをして、一年がたった。
つまり僕は、高校2年生になったのだ。
それから、二年生で、仲のいい友達ができた。(1年生の時は何でか、部活以外では友達がいなかった。)
同じクラスの仲のいい友達A(ここではAとしておこう。)に戯れ程度に聞いてみたんだ。
「好きな子いる?あのいっつもしゃべってる子????」
「...............お前が教えてくれたらいうよ!」
「俺は........っていうわけないだろ!!」
まぁ、簡単に言うと陰キャめな僕が唯一といってもいい陽キャの友達で僕も気軽に冗談を言える仲で、こいつも二年の一学期から天文部に入った。
こうやって冗談を言えるくらいならよかったんだ。あの日僕の好きな人を当てられるまでは。
その日はちょうど天文部があった。僕はスキップするかのように北校舎にある部室へと向かう。途中で彼女に会った。彼女は今日も可愛かった。
「ねぇ、今日って、観測あるっけ???」
彼女はふわりふわりとするかのように動く。
「確か、あったと思うよ。」
「親に連絡しなきゃ。」
「そっか。」
「・・・・・・・・・・・」
沈黙が続く。
僕もだけど彼女も率先してしゃべるタイプではない。
僕にコミュ力があれば違ったのだろうか。
そんなことを考えていると、いつのまにか部室の前で、彼女の友達S(ここではSとしよう)がいて、彼女はSに勢いよく体当たりするかのように、抱き着いた。
驚きになった人もいるだろうが、それが彼女らの習慣なのである。
嬉しそうに話す彼女を見て、少しだけ僕は複雑な気持ちになった。僕が知らない彼女のことをたくさん知っていることがなんとなく、寂しかったのだろう??Aは、もう部室に来ていたようで。片手をあげた。
Aなりの挨拶だろう。少し恥ずかしいそうにしているところが彼らしい。
カバンを置くと椅子に腰を下ろす。ほかの階よりも高いところにある天文部の部室へとたどり着くにはけっこうな体力がいる。机に突っ伏すと、Aが軽そうな口調で問うてきた。
「お前、大丈夫か??」
「何が・・・?」
「いや、色々と。・・・・・・・・・・・・ってかその状態だと誰でも心配するわ!!!」
さすがはA、僕のことがよくわかっている。言ってないのに、何かしらを察しているのか。
僕は2年生になったことを機に、彼女に告白しようとしている。しかし、僕は、彼女にカレシがいることも、好きな人がいるかということも、知らない。だから、どういうタイミングで、告白するべきかもわからずに悩んでいた。
恋をすれば、人は変わると聞いたことがあったが、ここまでだとは思ってもいなかった。