2話
そして僕は生まれて初めて恋を実感した。
幼稚園に通っていた頃の初恋?(と呼べるかもわからない)や、中学とときとかと違う。子供のお遊びとは全く違う。本気とも違う。なにかわからない。
それに僕は、物に対しての執着があまりない。つまりいうと飽きっぽい。だから彼女が好きだという事実は変わらないが、もし仮に(ほとんど、というか0%に等しい)彼女が僕の告白にOKしてくれたとしよう。それでいて、僕は、言い方は悪いが手に入れたことに満足して、彼女がカノジョになった後も愛し続けられるだろうか。
それが不安の種となり、僕はこの気持ちにふたをすることを決めた。
時間が証明してくれるだろう。この恋心に確信を持てるまで。
明日の単語テストの勉強をピロンと着信音が夜の闇に吸い込まれるかのように静かに鳴った。
彼女からのLINEだった。僕は持っていたペンを放り投げ、スマホを手に取る。
『ねぇ、この問題の答えってもってる?』
可愛いLIMEスタンプによって?が表された。
思わずほほえましくなって、口元に笑みが漏れる。
この時に僕を頼ってくれたことがどうしようもなくうれしかった。
『あるよ。』
と返して、彼女に写真を転送する。
するとすぐに既読が付いた。
彼女も起きていたようだ。
ありがとうと猫のスタンプが返ってきた。
そういえば猫好きって言ってたなぁ。そんなことをおもいつつ、リアクションをしてスマホを消した。