はみ出し者
俺は常に奴らには苛立ちをしながら生活をしていた。
斎藤は人の気持ちなど考えないクズそのもので、桜木は斎藤ほどではないが、やはり教養の無さが出ている阿保である。そして大澤は虫けら同然だ。
斉藤は人が言われて嫌だと言うことを平気で言う。この間だって、俺のことを人が見ている前で障害のを持っているとバカにして笑っていた。俺はそれで恥をかき顔を赤くした。なんでも俺は変わり者だそうだ。それが奴にとってはおもちゃのようであるらしい。あほくさい。一度どこか遠くへ逃げてやりたい。いやむしろ、この時代を逃げ、どこか昔へ行きたい。
俺は斎藤がとても嫌になり、桜木の方へ行き、話をしていた。桜木は幾分か話しやすかった。この日は桜木は苛立つことを言わずにいた。全ては俺次第であった。俺の言葉でこいつは俺を不快にする。つまりは俺が俺の首を絞めていることになる。言葉選びは慎重だ。だが、ようは俺を話題にさえしなければいいのだ。桜木との会話はこの日はとても自然にまさに友人のように行えた。そして大澤はもう無視をする。話したくもない。
大澤は承認欲求の塊だ。こいつには話しかける価値もない。だが最もあいつの方から寄って来るが。
あいつは俺と桜木に話しかけた。対して面白い会話をするでもない。俺は奴の顔を見て、目を外した。とても見れるものではなかった。
俺は所謂はみ出し者だ。この時は特に自分のことをそうは思わなかったが、今ならわかってしまう。
どこか遠くは逃げたい。そしてできることなら未来、いや過去へ。
マスクを被りながら生活をしているとどうも息が続かず、所々で本音が出てきてしまう。そして奴らはそれを馬鹿にしている。
学生っていうのはどうも周りに気を遣いながら生きてしまう人が一定数いることにいる。
授業もホームルームも終わり、放課後になった後、俺は部活をサボり、非常用扉から学校の裏の誰も使わない駐輪場へ向かった。人のいなくなった売店と、これから部活を始めようとする人達がいるテニスコート。喧騒はどこか遠くへ帰っていったようだ。
駐輪場で俺はふと、携帯を眺めていた。そこからは俺の教室が見えていた。カーテンが少しだけ掛かっているが、中の様子は窓際のみ見え、窓も空いている。そこからは静かさのみがうるさくしている。
俺はこっそりと、元の場所へ戻った。学生はすれ違いながらも俺を不審に思うこともなく歩いている。
俺は教室に戻った。既に人は誰もいない。時々だが、クラスの女子が誰もいない教室で永遠に話をしているが、今日は誰もいなかった。
占めたと俺は思った。日が差し込む中で俺は自分の席に座った。教室のドアの窓からは中が見えないようになっており、俺は内鍵を閉めた。
この場所でいつも俺は不快な思いだけをしているが、今ばかりは清々しい気持ちでいた。
俺は見えない差別を受けているのかもしれない。スクールカーストというのがある。身分差別を小さくしたものである。だが、それが人の差別心の始まりでもある。俺は過去に逃げたいができるなら明治時代から先の時代に行き、差別を消し止めたいと思った。それが俺みたいな奴ならまだしも命を落とす人もいるのだから。
そして駐輪場まで再び戻り、自転車に乗って、学校を出た。
思えばおかしかったのだ。何故俺が急に教室に一人で戻り考え方に集中したくなったのか。そして普段なら誰もいない教室には鍵がかかっているはずなのにその時は誰もいない教室に鍵がかかっていなかったのか。
そして俺は考え事をしていたせいか。そのまま交通事故に会い、命を落とした。差別的に殺されたいないだけマシなのか。学校には俺を悲しむ奴は悲しいがいないだろう。
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目を覚ました俺は何もない暗い場所にいた。どうやら夜のようであった。
しばらくすると太陽が出てきた。辺りは何もなく俺は理解ができずにいた。発狂を超えてしまったようだ。
服装は古臭く、刀を持っていた。頭を触ると丁髷になっており、侍のようだった。
歩くと近くには町があり、それがまた江戸時代のよう、いや、江戸時代であった。
これが夢でないなら俺は過去に来てしまったのだ。
唖然とする俺には二つの悪い心が芽生え始めた。
俺は差別を無くすためなら盗人にでも何にでもなろう。そして俺は自分の考えをできるだけ広く伝えるのだ。
俺は侍に化けまるでザビエルの気持ちで町へと向かっていった。




