4話
俺はログインした後、タイトといつもの噴水の近くで待ち合わせていた、今日はお互いの成果を報告する日だったからだ。
「主様、ご友人のタイト様とはどんな方なのですか?」
「タイトはな、常に想像の斜め上をノンストップで走ってる様な奴だな!」
俺の護衛としてヘルレイアが人間に擬態して側に控えている、ヘルレイアは黒と赤色の美しいドレスを着ていた、そしてかなりの美女である、周りに居る男性プレイヤーからの俺を見る視線に殺気が混じってる……早く来てくれよタイトォォ!!
「悪い待たせたなシン!!ちょっとログインした直後から忙しくてよ!!」
「やっと来たかタイト、所でそちらの方はタイトのフレンドの方ですか?」
タイトの側には白と薄い黄色の軍服を着た美少女が居た。
「初めまして、地底大帝国インフェルノアント皇帝、シン皇帝陛下、私は最近この世界に樹立した新国家、軍事大帝国ハニーホーネストの皇帝であるタイト様の補佐兼護衛を務めているハニミアと申します」
「いや新国家を樹立したプレイヤーってタイトだったのかよ!?」
「そっちの方こそとんでもない超大国を無力化して支配下に置いたプレイヤーとか言う頭おかしいワールドアナウンスの正体はシンだったのか!?」
やっぱタイトは何をやっても予想外だな!!今回ばかりは俺も人の事言えないけど。
「主様、もし宜しければ軍事大帝国ハニーホーネストと地底大帝国インフェルノアントとの同盟を組まれてはいかがですか?」
「ん?そんな事ができるのか?」
「はい、ハニーホーネストは誕生したばかりの小さい国ですがこの世界から見てオーバーテクノロジーとしか思えない技術を保有しています、しかし高レベルの技術面に対して保有している資源等が不足してるので、思うように国力を上げれてないのが現状です」
「………そちらのヘルレイアさんはどうして誕生したばかりである俺の国の情報をそこまで正確に知っているのですか?」
「ステルスアントと言う極小サイズのアリを世界各地に派遣してますので、ステルスアントは転移系のスキルが得意で感知系のスキルや装備を無効化する上に姿を透明にできます、その上モンスターとして判定されずにただの虫として判定されますので見破る事はできないでしょう」
「うん、とんでもねぇアリだな!」
「しかしヘルレイア様、そちらの超大国と比べて国土や軍事力からみても我が国は道に落ちてる小石程の差があります、そんな超大国と同盟を結ぶとなると此方にしかメリットがない気がしますが?」
「確かに、現在のままのハニーホーネストならそうでしょう、ですが軍事用万能ハチミツや超圧縮琥珀装甲のみでかなりの戦闘力を持つ兵器等を作り出すと言う驚異の技術力を保有しています、まずそれらの素材は他の希少金属や本来混ぜる事の出来ない素材、属性が反発してしまい混ぜれない素材同士、更に危険過ぎて一つのアイテムに一欠片しか使えない封印指定素材等をデメリット無しで融合出来る超万能素材として使えます、しかしその万能ハチミツや琥珀装甲のみで作るとなるとそこらの金属で作るよりはマシでしょうが所詮その程度です」
「なるほど、つまり潤沢な資源があれば国力が一気に跳ね上がるって事か」
「その通りです、インフェルノアントは膨大な希少資源を保有しているのでそれらをハニーホーネストへ提供し、ハニーホーネストはそのオーバーテクノロジーとも言える技術を提供して頂ければ、お互いに世界一の超大国へと発展出来ることでしょう、それにインフェルノアントとの同盟国となればその超万能資源を略奪しようと侵略してくる大国から守る事ができます、過去にはその超万能資源を保有する国は大国から全てを略奪されてましたからね」
「よし!俺と同盟組もうぜ、タイト!」
「おう!早速同盟を組もう!!いや〜命拾いしたぜ!」
「ヘルレイア様、これからよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いしますね、ハニミア様」
こうして俺とタイトは同盟を組んだ、その後はインフェルノアントが貯め込んでいた資源を送りハニーホーネストはその高い技術を提供していた、お陰で双方の国は著しく発展し、何故か国民であるアント達が人間そっくりの人型になった、ヘルレイアが言うには人間以外の種族の国が高度な知能と文明を築き上げた時、種族全体が人型に進化するらしい、道理でハニーホーネストに遊びに行った時見た国民達はハチの様な特徴がある人間といった見た目をしてたんだな、とりあえず次はお互い発展した技術力で何が作れるかを確認しようかな!ちょうどお互いの国に即座に行けるように転移門も開発したしこれからが楽しみだぜ!