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お題シリーズ3

記憶に残らない人物

作者: リィズ・ブランディシュカ



 その男は、闇組織の一員だ。


「お前に次の任務を言い渡す。扉の国へ潜入し、内部の情報をこちらへ流せ」

「はっ、了解いたしました! 全てはこの鍵の国の繁栄のために!」


 組織のリーダーから潜入の任務を言い渡されていた。


 だから自分がいる国、鍵の国から扉の国へと潜入する準備をととのえる。


「鍵の国は情報に飢えている、長い事指導者が国を閉じていたからな。しかしこれからはそうはいかない。国をひらいた今、積極的に多国の情報を得ていかなければ」


 変装魔法は特殊な人間しか使えない。

 人の認識をそらす意識に鑑賞する魔法も。


 普通に活動するには、その人物の技能が鍵だった。

 状況を突破する扉は、何かの特別な力が決めるのではなく、個々が持っている力が決める。


 そして男は、服や靴、装飾品、仮の身分を用意してから、鍵の国を出ていく。


 三日三晩、手配した車で街道を走って、鍵の国が近づいてからは近くの村で見つけた馬を手なづけて向かった。


 鍵の国へ近づくと、長い列ができていた。


 隊商や旅人が、国の入り口で待たされていたからだ。


「あやしまれないように、何か聞かれた時はすぐに答えられるよにしよう」


 男は一度、自分の仮の身分を頭の中に思い浮かべて、それになりきった。


 やがて男が並んだ列が短くなり、順番がやってきた。


「どこからきた?」


「どんな手段で?」


「この国にはどんな目的だ?」


 聞かれた言葉にすらすらと答えた男は、無事に扉の国の内部へ入る事が出来た。


 男は、その国の内部で新聞をかったり、人々の生活の営みを観察した後に、数日後出国した。


 魔法の研究が盛んにおこなわれている。

 国が大規模な計画を行っている。

 人々の国への信頼は厚い。


 そのような情報が集まった。


 様々な人と会話をしたが、誰の記憶にも男の事はさっぱりのこっていなかった。


 それは演技ではない。

 うまれもった個性だった。


 男はうまれつき、そういった特徴の容姿をしていた。


 人の記憶に残らないような平凡な顔つきと、体つき。


 だからこそ、この任務に選ばれたのだった。


「扉の国から脱出。任務を達成しました、これから情報をそちらへ送ります」



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