豪華客船
太陽の光が、頭上はるか遠い空から、さんさんと降りそそぐ。
こよみの上ではまだ春だが、真夏のような陽気だ。
そして、陽の光を照り返して輝くのは紺碧の海。
青、蒼、藍。
水平線のかなたまで、見渡すかぎりの蒼い海が広がっている。それが、四方全ての景色だ。島影の一つもない。波はおだやかで、海風は強すぎず、なんとも気持ちいい。
そこそこ値の張る酔い止め薬も買っておいたが、さいわい俺も仲間たちもいまのところ気分爽快で、お世話になることはなさそうだ。船揺れもおどろくほど小さい。
時が止まっているかのような光景だが、見下ろすと、巨大な船の舳先が白い波を作り、ぐんぐんと前へと進んでいるのが分かる。
船の主要部分は錬金術で合成された白鋼で形作られ、昔ながらの木造の部分は少ない。さながら、白亜の宮殿が動いているかのようだ。
船首に取り付けられた、昔ながらの女神像がちょっと浮いて見えるくらい、現代の技術のすさまじさを感じさせる光景だった。
「しかし、すげえな……」
何度見ても、感嘆の声をあげてしまう。
自分がその上に乗っているというのが、いまだ信じられなかった。
天魔石のエネルギーを利用した、最新式のクルーズ船だ。
方向転換も自在で、ある程度なら波や潮の流れに逆らって進むことさえできる。
帆を張らずとも、船内に備えつけられた天魔石の動力炉によって、風に頼ることなく前進できる。
ごうごうとうなるような駆動音は帆船ではまず聞くことのないものだ。
かつて海の冒険者たちが命がけで発見した、世界の果てとも思えるような島まで、わずか二十日ばかりで辿りついてしまうのだ。
その二十日間も、乗客が退屈することはない。
船内レストランで供される贅を尽くした食材を使った料理は言うに及ばず、カジノに遊具室、ちょっとした町の規模に匹敵する図書室。船内ビーチすらある。
快適であるのみならず、海の魔物に備えた砲台や、巨大な弩も備え付けられ、乗客の安全を保障している。
さっきは宮殿にたとえが、その武装ぶりは国境付近の要塞にも負けていない。
もちろん、普段の俺達ならこんなぜいたくなクルーズ船なんて絶対に利用しない。
というか、利用しようにも、一人分の片道切符すら捻出できないだろう。
実際いくらするのか怖くて調べてないが、きっと気の遠くなるような金額に違いない。
これから向かう島がクライアントの所有する土地でなければ、こんな豪華クルーズ船など一生縁がなかっただろう。
依頼主が気前よく天魔石式のクルーズ船のチケットなんてものをはずんでくれたのも、ひとえに時間短縮のために過ぎない。
相手が、俺たちしがない冒険者に、快適な海の旅を提供しようなんてサービス精神を持ち合わせてなどいないことは、よく知っている。
そう、これから俺達は依頼をこなしにいくのだ。
それも、今後の冒険者稼業のすべてを左右するといっても過言ではない一世一代のクエストだ。
この船ひとつとっても、相手が自分たちとは次元の違う世界に住む大富豪なのだと改めて思い知らされる。俺たちの命など、あご先一つ動かすだけで消し飛ばしてしまえるほどの……。
それを思うと、場違いな豪華客船の上にいても、バカンス気分なんて吹き飛んでしまう。
汗ばむほどの陽気だというのに、背筋がぶるりと震える。
よし、ここはひとつ気を引き締めなおし、客室に戻ってあいつらと作戦会議でもしなおすか。
そう思い、俺がデッキの上できびすを返した、その矢先―――、
「あっ、ここにいたんですね。ラットせんぱーい!」
俺の名を呼ぶ、頭上でかがやく太陽にも負けない明るく元気な声がデッキに響きわたる。
そして、腹部に強い衝撃を受けた。
「ぐはっ」
相手が全力ダッシュで飛びついてきたせいだ。
この声の持ち主が元気なのはわりといつものことだが、いまは普段の3割増しくらいにはずんで聞こえる。
「ええい、パパナ。このくそ暑いのにひっつくな―――って、おまっ、なんだその格好!?」
俺は声の主をひっぺがし、改めて相手の姿を見やり―――、
思わずぎょっと目を見開いた。
パパナ・ハクナタ。
俺達のパーティーでは一番の古株。俺と一番初めにパーティーを組んだ精霊使いの少女だ。
短く刈った赤茶のちぢれ毛と日に焼けたような肌、なによりメリハリに欠けた幼児体型のせいで、しょっちゅう少年に間違われている。
たしかこいつも、十六かそこいらになってたはずだけどな。
こいつが俺を先輩と呼ぶのは単純な理由で、俺の方が二年ばかり先に冒険者として活動していたからだ。
こいつが駆け出しの冒険者だった時、パーティーを組む前に、少しだけ面倒を見ていた時期がある。その時の習慣が同じパーティーの仲間になったいまでも抜けないらしい。
まあ、先輩と呼ばれて悪い気はしないが、少々おもはゆい。
と、そんなことよりも問題は、いまのこいつの格好だ。
細っこい手足も、メリハリに欠けた肩も背中も惜しげもなくさらされている。
わずかに、起伏にとぼしい(本人曰く発展途上の)胸と、くびれのない(本人曰く発展途上の)腰と、貧弱な(本人曰く、以下略)尻をおおう、橙色を基調にしたカラフルな布地のみ。
日の光を受け、健康的な小麦色の肌がまぶしく輝いている。
ようするに水着姿だった。
「へへ~、どうですか、これ。船の売店で売ってたんですよ~。ラット先輩に見せようと思って着てみたんですけど、似合いますか?」
パパナは俺の目の前でくるりと一回転してみせる。
明るい色合いの水着はよく似合っていた。
さすがに、この格好のパパナを見て男の子だと思うやつはいないだろう。
しかし……。
「お前なぁ。これから大変だっていうのに、無駄遣いすんなよ」
「ええー。いいじゃないですかぁ、これくらい。シシリーさんには、たくさん予算をつけてもらってるんですよね?」
「水着は経費には入ってねえ。はしゃぎすぎだぞ」
俺がしかると、パパナはぷく~っと頬をふくらませる。
そういう仕草が実に子どもっぽい。
「ラットさん、そう頭ごなしに言ってしまってはパパナさんがかわいそうですよ」
と、横合いから別の声がした。
その鈴を転がすような凛と澄んだ声も、俺には聞きなじみのものだ。
「ユウナギ。そうやってお前が甘やかすからこいつも調子に乗る―――って、お前もかよ!?」
またしても声をあげてしまう俺。
ユウナギ・コヨミ。
パパナとは逆に、俺たちのパーティーに最後に加入したメンバーだ。
もとは遥か東方の国の、伝統あるお社に仕える巫女だったというが、色々と事情があってネイザード大陸までやってきて冒険者に身をやつしたという、異色の経歴の持ち主だ。
正確な歳は分からないが(聞くと静かにキレるので、パーティー登録の際はとりあえず俺と同い年ということにした)メンバーの中でも最も大人びた雰囲気の持ち主である。
あらゆる意味でうちの癒し担当のユウナギだが、いま現在はいささか挑発的な姿だった。
黒のビキニである。
パパナの水着が胸元や腰回りをしっかりおおった、やや子どもっぽいデザインなのに対して、ユウナギのまとうそれはボディラインを最大限に強調し、胸元も腿の付け根もかなりきわどいカットを描いている。
普段つつましやかな巫女装束なだけに、このギャップはヤバい。
腰まで伸びた艶やかな髪と水着の黒が、雪のように白い肌とコントラストを描く。
すらりと伸びた手足と、出るところは出て、くびれるところはえげつないほど細いシルエットは、まさに東洋の神秘。
オトナの魅力全開だった。
「シシリー様にも、上陸するまではなるべく普通の観光客をよそおうようにと言われています。むしろこの格好のほうが自然ではないでしょうか」
蠱惑的な水着姿でありながら、あくまでやんわりと静かな口調でユウナギは述べる。
あまりにも自然体すぎて、パパナ相手のように小言を言う気も起きなくなってくる。
「ま、まあ、それはそうかもしれんが……」
俺はやや気おされ気味に答える。
たしかに、デッキで日光浴をしている人間の半分くらいは水着姿で、残りの半分もいかにもバカンスといった軽装だ。
そんななか、物々しい冒険者の装備で船上にいれば、その方が浮いてしまうに違いない。
俺だっていまは普段は着ないような、ラフなシャツとハーフパンツ姿だ。
だからユウナギの言う事は一理あるのだが……。
こいつら、どでかい仕事の最中だってこと、忘れてやしないだろうな?
「ところで、いかがですか。私の姿は?」
「いかがって……」
ユウナギは腰に手を当て、誇らかに全身を見せつけてくる。
「やはり、こちらの国の衣服はまだあまり身に付け慣れないものですから。しっかりと着こなせているか、少々不安なのですが……」
そう言いながらも、目元には余裕ありげな微笑をたたえていて、はっきり言って不安な様子などみじんも感じられない。自分のプロポーションに自信満々なオーラが漂ってくる。
しかしまあ、こんな時さらりと「よくお似合いですよ」なんて世辞が吐けるような性格なら、俺はいまごろ冒険者なんてやってはいないだろう。
「……なんていうか、そういうのもお前、抵抗ないんだな」
なんとコメントしていいか分からず、俺はそう答えていた。
いまは俺達の冒険者仲間とはいえ、ユウナギの本職は清純と節度を重んじる巫女である。
俺の言わんとしているところを察して、ユウナギは微笑を深めて返す。
「ふふっ。こちらでの生活も長いですから。故郷のお社の方々が見たら卒倒するかもしれませんが……」
でしょうね、と俺は心の中だけで返す。
俺も書物で読んだだけだが、ユウナギ出身の東方の国は、そうとう禁欲的な文化をたもっている。若い女性が人前で肌をさらすなどもっての他だろう。そういう故郷の因習と肌が合わず、いまだ祖国に戻らず俺達と冒険者稼業なんて続けているのかもしれない……。
「とはいえ、あまり情熱的な視線で見つめられすぎても、照れてしまいます」
ユウナギはそう言って、肌をかばうように両腕を交差させる。
かえって挑発的なポーズに見えなくもない。
指摘されはじめて、俺はじっとユウナギの豊かな胸元辺りを見つめつづけていたことに気づく。
「す、すまん」
慌てて視線をそらした俺の耳に、「ふふふ」と上品な忍び笑いが聞こえてくる。
なんというか、全面的に敗北した気分だ。
「もう。ユウナギばっかじゃなくて、ちゃんとわたしの水着も見てくださいよ、先輩。でもって褒めて」
横からパパナがぶ~ぶ~言ってくる。
うん、ユウナギの後に見るとお子様がはしゃいでいるようにしか見えない。ほほえましくすらあるな。
けど、別の意味で、見とれるものがあった。
俺はパパナのももと背中をじっと見入る。
パパナが素肌をさらしている。それには、特別な意味があった。
「久しぶりに見たが、やっぱりきれいだな」
「ええ、本当に……」
俺の言葉に、ユウナギも同意を示す。
彼女もまた、俺と同じものに視線をそそいでいた。
「う~、うれしいけど……。うれしいんですけど~。なんかフクザツ……」
パパナが言葉通り、喜んでいいのか不満に思っていいのか分からないような、複雑な表情を浮かべた。
俺の感想が、水着に対するものでも、ましてやその貧弱なボディラインに対するものでもないことが分かっているのだろう。
俺が見ているのは、パパナの健康的な肌に刻まれた、黒色に近い濃緑のタトゥーだ。
まるで織物のように緻密なラインの幾何学模様。特に見事なのが、背中に彫られたものだ。
意匠化された月と太陽。そして島と海。
それはパパナが生まれた一族、シャンヤン族の証だった。
シャンヤンの民はかつてこの国では奴隷として人権を奪われていた。
森で暮らす彼らの集落は人狩りに襲われ、労働力となる成人男性はもとより、女も子どもも奴隷商にさらわれた。ほんの五十年前程度の話だ。
いまでは奴隷制度は廃止されたが、それでも差別意識はネイザード大陸の人々の間に残っている。
だが、パパナはシャンヤン族の一員であることに誇りを持っている。
だからこそ、自身の出自を示すような、肌の露出する水着もいとわない。
俺とパパナがパーティーを組むきっかけになったのも、こいつのタトゥーが深く関わっている。
そう思えば、パパナの選んだ水着は一族の伝統衣装にも似ていた。
この豪華客船を利用するようなセレブの中には、差別意識が残っているようなヤカラもいるかもしれない。
けど、パパナの肌に刻まれたタトゥーは「それがどうした。なにか文句があるなら言ってみろ」とでも主張するかのように、陽光に照り輝いている。
あらためて、美しい紋様だ。
万一、こいつに直接なにか言ってくるような奴がいたら、俺が盾となろう。
大仕事の前にトラブルは起こしたくないが、仲間の誇りも守れないような人間に、冒険者を名乗る資格はない、と俺は思う。
「でも、やっぱり、これ褒めてもらえるのはうれしいかも、です」
そう言ってパパナは、自身ではよく見えないだろう背中のタトゥーを大切そうにさすった。
俺とユウナギは、そんなパパナをほほえましく見守る。
「そう言えば、メイシャは一緒じゃないのか」
ふと思い出し、俺は唯一姿の見えないパーティーメンバーの名を口にした。
あまり豪華客船にはしゃぐようなタイプとも思えないし、一人で船室にいるのだろうか。
「ん~、途中まで一緒だったんだけど。船のコウゾウ調べてくるってふらふら~っと」
「私たちの呼びかけにも上の空で……。きっと興味深い対象がたくさんあるのでしょうね」
二人の返答に苦笑する。別の意味ではしゃいでいるってわけか。
たしかに、この船は最新鋭の天魔石学のカタマリみたいなものだ。
学者系魔道士であるメイシャにとって、興味は尽きないだろう。
「あっ、うわさをすれば。お~い、メイシャ~!」
パパナが元気な声をあげ、大きく手を振る。
はしゃぐパパナと対照的に、あくまでマイペースにとことことこっちに近づいてくる人影。
「よう、メイシャ。船の見学はもういいのか」
片手をあげて呼びかけると、メイシャは無表情のまま、こくりとうなずく。
メイシャ・オーブ。
いつもどこか眠たげで表情にとぼしい顔立ち。妙に子どもっぽい髪留めでツインテールに結った深い藍色の髪。一見どこにでもいる少女のようだが、この国でも屈指の天才魔道士にして学者という頭脳の持ち主だ。
もともとは冒険者になるつもりはなかったみたいだが、とある遺跡調査を一緒にしたことがきっかけで、俺達の一員になった。
いまでは、こいつの知識なしでいままでどうやって仕事をこなしていたのか思い出せないくらい、大切なパーティーメンバーだ。
もちろん、パパナとユウナギもそうだけどな。
「かんじんの動力部を見せてもらえなかったから、あきらめた」
さして執着も見せずに、淡々とメイシャは返す。
こいつの専門は古代遺跡の研究だから、最新の天魔石学には関心が薄いのかもしれない。
まあ、メイシャが内心怒っていたり残念がってたとしても、それを表情から読み取るのは至難の業なのだが。
「……お前は水着じゃないんだな」
パパナどころか、ユウナギまでが大胆な水着姿だったからひょっとして、と思ったが、メイシャはだぶだぶの白衣を着ていた。
さすがに夏用の薄手のものだが、だいたいいつも通りの姿だ。
別に期待していたわけじゃないが。決して。
「あれ、メイシャの分も買ったのに」
メイシャ本人じゃなくて、パパナがそう言った。
メイシャはその言葉にこくりとうなずき、
「直射日光……にがてだから」
そう言いつつ、なぜか白衣のボタンをはずしていく。
はだけた白衣からちらりとのぞくのは、水色の布地―――と、その布からこぼれ落ちんばかりの豊かな双丘。
どうやら白衣の下に水着を着込んでいるらしい。
「上、脱がなくていいなら……見せてもいい」
「いや、別に見せんでいい」
あわてて俺は否定する。
気のせいか、少しだけメイシャの顔がしょぼんとしたように見えた。
なぜだろう。上に何も着ていないよりも、白衣の下に水着という格好のほうが、破壊力がデカいのは。
「ええ~、せっかくかわいいの選んだのに。後ろの結び目がおっきなリボンになってるんですよ」
「そうですよ。メイシャさんの大きさに合うサイズがなかなかなくて、選ぶのに苦労したのですから」
メイシャは、身長はパパナとさして変わらず顔立ちも幼いのに、なぜかバストサイズだけはユウナギをも上回る。
それも破壊力に一役買っていることは言うまでもない。
「っていうかさ、ラット先輩も水着買ってプール行きましょうよ、プール」
「お前、ほんと元気な」
元気なのはいいが、はしゃぎすぎて島についてから力尽きてるなんてことはカンベンしてもらいたい。
体力自慢のパパナに限ってそれはないかもしれんが……。
俺の気のない返事に、パパナはまたしてもぷうっと頬をふくらませる。
「だぁってえー、こんなぜいたく過ぎる船の中でのんびりしてたら、身体がにぶっちゃいますよー」
ふむ、たしかにそれは一理あるな。
こいつもただ無邪気にはしゃいでいたわけではないらしい。
「水泳は、船内でできるもっとも効率のいいトレーニング。有酸素運動は体力の維持、向上にもなるし、水の負荷が全身の筋肉を鍛えてくれる。ケガのリスクも低い」
どちらかという身体を動かすのが苦手なメイシャも、淡々とそう告げる。
やる気十分といったところか。
もっとも、こいつの場合、ただ知識を述べているだけかもしれないが。
「依頼内容を考えると、潜水の鍛錬もしておいたほうがいいかもしれませんね」
真剣な顔つきでユウナギも言う。
さらに、俺の耳元に甘い声音でささやきかけ、
「ポロリもあるかもしれません」
余計なことは言わんでよろしい。
俺が軽く頭を小突くと、ユウナギはいたずらげな微笑を返してきた。
けど、みんなはしゃいでるようでいて、ちゃんと考えてるんだな。
もちろん、あまりガチな鍛錬を船内のリゾートビーチでやっては他の乗客に怪しまれるだろう。
けど、水中でなら一見地味だがキツいトレーニングなどいくらでもある。
これから毎日、プールでのトレーニングを日課にするのもいいかもしれない。
「分かった。そういうことなら俺も参加しよう」
俺の返事に、仲間たちは三者三様の喜びを示す。
「ぜったい見つけようね、海賊船」
パパナが決意を込めた目で言う。
最後の言葉は周りに聞こえないよう、ぐっと低く押し殺した声で。
それでも、その力強い響きに、俺の胸は高鳴る。
海賊船。
「ああ。絶対に、だ」
仲間の誰にも負けないくらい強い決意を込めて、俺もうなずきを返した。