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081 アズサ、四十九階層で黒龍ことリーファさんと合流する

 私たちはドラゴンの皆さんに会わないようにこっそりと四十九階層を歩いている。ドラゴンの皆さんはよく眠っているので、少しだけ安心だ。ルーと白猫の皆さんの心臓の鼓動がうるさいくらい聞こえてくる。


 龍の谷を抜けて五十階層に続く洞窟の近くにきたら、一人の異国の女性に呼び止められた。


「アズサさん、挨拶もなしでここを通過するのかしら。それって正座ものだと思わないかしら?」


 ただ今現在、私以下全員が正座をさせられている。だって相手は黒龍さんなんだから、勝てるわけがないじゃないですか。ボワンナーレさんが一番に正座をした。続いて私も正座をした。


 ミーアもアリスもルーもヒロシも気絶していた。黒龍さん的には軽い威圧のつもりだったようで、けっこう慌てている。

 ミーアたちは今は冷たい汗をかいて私の隣で正座している。


 白猫さんたちは、気絶はしなかったけれども、蛇に睨まれたカエル状態になってその場に立ち尽くしていた。


 今は私たちのマネをして大人しく、どちらかというと死を覚悟した雰囲気で正座をしている。


「アズサ、君たちの波長は登録済みなので、近くにくればすぐにわかるわけ、ドラゴンを舐めてはいけないと思うわけね」


「あのう、黒龍さん、波長ってなんですか?」


「黒龍さんではなく、私の名前はリーファなの。これからはリーファさんて呼んでくださいね。波長、一言で言うとその人が出している雰囲気の波かな、私たちは見た目が似ているから、そのドラゴンがだしている雰囲気の波でそれぞれを識別しているわけです」


「あのうですね、リーファさんはなぜここにいらっしゃるのでしょうか?」


「アズサを見張るためですけど。グリムとの約束です。アズサが泉の結界を破って天界に喧嘩を売らないためと言った方が良いかしら」


「リーファ様、発言をお許しください」


「何かしら? 許します」


「私が結界を破るのもダメなのでしょうか?」


「アズサが泉の結界を破るのがダメなだけで、その他大勢が破る分には問題ありません。破れるとは思ってませんけどね」


 リーファさんがボワンナーレさんを馬鹿にした。ボワンナーレさんの闘志に火が着いたのがわかる。白猫さんたちも、その他大勢発言にはカチンときている。リーファさんを睨みつけたいけど、怖くて睨めないので、私を睨むのはやめてほしい。


「リーファさん、私がボワンナーレさんのサポートをするのはアリなんでしょうか?」


「別に良いけど、このエルフさんに太古の精霊が張った泉の結界を破る力があるとは思えないの。仮にあったとしても、残念な結果になるだけだと思うし……」


「それは結界を破ってからのお話だけどね。さて、皆さん五十階層にいきましょうか。五十階層の妖魔はほぼ前回並みにいます。私がブレスで氷を溶かしましたから。頑張ってね」



 五十階層にリーファさんが先頭で到着。地面に倒れていたゴブリン兵がムクリと起き上がった。


「ゴブリンの皆さんはすでに妖魔になっていますので、不死です。首を飛ばそうとも襲ってきます。皆さん頑張って闘ってください」


 白猫さんたちがゴブリン兵に斬りかかった。手足が飛ばされても手足から胴体とか首とかが生えてくる。気持ちが悪い。


「斬ってはダメだ! 数を増やすだけ。魔術師ゴブリン兵を完璧に燃やせ」エルリックさんが魔術師に指示を出した。魔術師は特大のファイアボルトでゴブリン兵を焼いて行く。


「エルリックさん、耳と鼻に綿を詰めて、気化した妖魔が体に入ります」


「了解!」白猫さんたち、私たちも鼻と耳に詰め物をした。


「あのう、リーファさんは……」


「私のことを心配してくれるの。ありがとう。私の場合は妖魔も怖がって近くにこないから問題ないの」


 ミーアが試作品二号で妖魔を消している。


「インフェルノの炎を宿した槍なのね。なかなか準備が良いじゃないの」


 ヒロシは試作品二号を持って、アリスとルーを守っている。自分たちに寄ってくる妖魔を試作品二号で薙ぎ払っている。


 白猫さんたちはゴブリン兵と戦闘中。ポーションがないので、魔術師の治癒魔術で回復している。魔術師がかなり苦しそうだ。


「エルリックさん、撤退して体力を回復した方が良いです」


「ゴブリンを片付けたらそうする。ありがとうアズサさん。ところでここまで運んできた瓢箪はどうします?」


「ここに置いていってください」


「了解した」


「お前たち、聞いた通りだゴブリンを片付けたら一時撤退する。それまで気張れよ」


「了解しました」


「アズサさん、僕たちは?」


「ヒロシたちは、瓢箪を持って私に着いてきてね」


「アズサさん了解です」


「お師匠様、私はどこまでもお供します」


「ママ……、ルーも」

 

 ママは勘弁してほしい。


 私は瓢箪の詰め物を取って、妖魔を瓢箪に入れている。地味な仕事だね。

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