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077 アズサ、三十七階層で船を探す

 デカイミミズの階層に入った。私たちがこの前使った船は硬化魔術で固めて砂の中に埋めている。問題は白猫さんたちを乗せる船がない。追い剥ぎ強盗の船は今日はきてくれそうもない。


 ボワンナーレさんがイライラしている。「その方たちはアズサさんのパーティではないのでしょう! 冒険者ランキング上位なんでしょう。どうにかするでしょうから、さっさと出発してはどうでしょうか!」


 私も白猫さんたちを助ける義理はないし、一番初めに助けません宣言をしているので、船を用意する必要はないのだけど、砂とデカイミミズに阻まれて進めないのは人情として、捨ておけないわけで……。困った。


「エルリックさん、提案があります。ミミズと派手に戦うと砂漠の盗賊がきてくれるかもしれません」


「我々がわざと強盗に襲われて、強盗の船を奪うのですか?」


「盗賊さんが船を貸してくれると良いのですが……、私たちの船も元は強盗の持ち船でした……」


「他に何か策があれば良いのですが……」


「アル、おとりだ。砂漠を駆け回れ。腰にロープを巻いておくように」


 アル君ってレンジャーなんだろうか?


 アル君はミミズを誘き出して、魔術師がサンダーボルトをミミズの近くに落としてアル君を守る。私は上手な魔術師ではありませんアピールもしているみたい。


 今日は盗賊さんはきてくれないかもって思っていたら、五艘の船がこちらを目指してやってきた。私たちは、盗賊の皆さんが警戒しないように洞窟の近くまで下がった。


 盗賊の皆さんは小一時間で、白猫さんたちによって、全員砂の中に放り込まれていた。白猫さんたちは容赦なしだ。盗賊の頭の船に白猫さんたちは乗って、砂の海を文字通り走る。魔術師は今までの鬱憤うっぷんを晴らすかのようにミミズを一撃のサンダーボルトで仕留めていた。魔術師さんもわざと外すのが嫌だったようだ。


 三十八階層は、前回同様リザード族の人たちに通行料として金貨を支払って通してもらった。白猫さんたちの分も私たちが支払った。白猫さんたちは問答無用で押し通る気だったようで、ヒヤヒヤした。お金で解決できることはお金で解決したい。


 沼の近くでは、前回の失敗に私たちは懲りて、森を抜けて三十九階層に進むことにした。無駄な戦闘は避けたいから。


 白猫さんたちはヒドラ一匹なら森を迂回する必要はないってことで沼近くを進む。私たちは二手に分かれた。分かれてからしばらくすると、戦闘が始まった音が聞こえた。


「アズサさん、見に行きたいですね」


「私たちは森を迂回するルートなんだから、時間がかかるの。わかるかな。時間が惜しいわけね」


 私たちは丸一日かけて森を抜けて、三十九階層の洞窟の前に到着したけど、白猫さんたちがまだ到着していなかった。


「アズサさん、まさかですよね?」


「まさかって、なによ。縁起の悪いことは言わないこと。わかったヒロシ」


「そうじゃなくて先に行ってしまったのではと思ったわけです」


「先に言ってくれて船を作ってくれていたら、すぐに出発できるじゃない。そのための情報共有なんだしさ」


「お師匠様、足跡がありません。白猫の皆さんはまだここにきていないように思います」


「アズサ、私もそう思う」


「ミーアまで縁起でもないことを言わないでよ。ランキング常に三位の白猫さんたちがヒドラごときに遅れをとるわけないわよ」


「ママ……、お姉ちゃん白猫さんたちがきたよ」なぜに白猫さんたちが森を抜けてくるのか理解ができない。足取りがかなりが重そうだ。


「ポーションなしでヒドラの毒を吸い込むと、動きが鈍って森に逃げ込むのがやっとだったよ」


「エルリックさん、白猫さんが森に逃げ込んだですか!」



「アズサさん、ヒドラは一匹は倒したんですよ。後二匹といっぱいが倒せなかったんです」


「アル君、ヒドラって一匹ではなかったの?」


「あと二匹と小さいのがいっぱいでした。息をするたびに毒気を吸うし、それで体力が削られ体が少しずつ動かなくなる。ポーションなしではあの沼は抜けるのは無理でした」


「あのう、次の階層は船が必要で、ここで材料を調達して組み立てないといけないのですが」


「アズサさん、すまないが体力的に無理だ」


「アリス、ツケのお客さんだけど治癒魔法をお願いしたいのだけど」


「私たちってツケお断りだったと思うのですが」アリスが笑っている。エルリックさんも笑っている。


「ランカーに恩を売っておくと良いことがあるかもだし」


 アリスが白猫さんたちにヒールをかけてくれた。

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