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055 アズサ、クララ先生と仲良くなる。

 ゴブリンの襲撃は続いたものの、女の先生がゴブリンとの戦い方を学んだのと、男の先生は土魔法が専門だったこともあって、土壁を何層も作り、その間から女の先生が、アイスランス、ゴブリンの頭の上にアイスランスを投下するなどしたため、ゴブリンの群れは逃げだした。こちらの方がゴブリンより強いと思ったのは間違いない。


 無事、十二階層を抜けて十三階層に到着して、ここで野営することになった。ここは早く通過したかったのだが。仕方がない。


 女の先生、名前はクララさんが、どうして街道を外れて森に入るのかと尋ねてきたので、「学園長から助言をするなと言われているので、これは私の大きな独り言です。街道を行くと街があります。その街の住人は泥棒と強盗を生業なりわいとしているので、宿屋が旅人の食事に毒を盛るのは当たり前。ここで会う人は強盗と思えです」


「大変な街なのね」


「お師匠様、あちらからヴォルフの群れがやってきます」


「アリス、ボーアのお肉を半分ほど切って用意してください。ここを通る通行料なの」


「通行料ですか?」とアリスは不審がっていたが言われた通り、ボーアを肉を用意した。群れのリーダーが私のところにやってきて、ボーアの肉を咥えると群れに戻っていった。


「アズサさんて、ヴォルフを飼っているんだ」以前も同じことを言われたような。


 森の中に入って、十四階層へと繋がる洞窟の前で野営をした。


 クララ先生のテントが焼けたこともあって、私たちのテントでクララ先生は寝ることになる。男の先生、名前はルイさんは、焼け残ったテントの生地から、テントらしきものを作ってその中で寝ることになった。


 クララ先生は実は先生ではなかった。今はまだ学生で魔術学園大学の四年生でインターシップとやらで魔術学園の事務局に配属になって事務を学んでいたらた、突然学園長に呼び出されて、インターシップ研修の一環だと言われて、このダンジョン研修に無理矢理参加させられたとのこと。


 クララさんとしては、先生になるつもりはなく、事務局で仕事をするつもりだったので、困惑したと、クララさんは話していた。


 学園長はクララさんを先生にするつもりだ。クララさんがこの研修でしくじれば学園は採用しない。上手くいけば、教師として採用する。教師採用が嫌なら本人辞退に持って行く。悪辣あくらつなやり方だ。


 若手のルイ先生は来年度ダンジョン研修が義務化された時の責任者になるらしい。お気の毒に。


 七名中、学園長が、クビにしたい先生は五名で、無事学園長の目的は達成されました。学園長、おめでとうございます。また、お気の毒な学年主任の先生たちが無事にダンジョンから出られることを、私は心から祈っている。厄介ごとが減るから。



 吸血コウモリの攻撃も二人とも慣れたようで上手くかわして、十四階層、毒虫の階層に到着。私はまた大きな独り言を始めた。「この階層は毒虫が多いので、虫除け線香を一日かけて作らないといけない。虫除けの薬草はこれでタブの樹皮を剥がして細かく砕いてと……」


 クララさんとルイ先生は私の指示通りの虫除け線香を作った。これで準備完了と。後は十五階層に行って、課題終了なんだけど。十五階層に行った証明ってどうするのだろうか? 私には関係ないか。


 十四階層を無事通過して魔物の楽園の十五階層に到着した。クララさんとルイさんは十五階層の魔木に名前を彫っていた。すると魔木の表面に名前が浮き出てきた。これで研修終了のようだ。


 帰りは十階層で追い剥ぎ強盗にあったくらいで、とくに問題なくダンジョンから出た。ダンジョンを出た日から三日間はお休み。


 学年主任の先生たちも十階層で追い剥ぎ強盗に出会ったようだが、ちょうど通りかかった冒険者たちに助けられて、冒険者たちをそのまま護衛として雇って無事、ダンジョンを出たらしい。


 私は、赤の旅団のアカツキさんのところに行って、ミルヒーさんのお墓に行くのを拒否したことを謝り、アカツキさんと一緒にミルヒーさんのお墓の前で、「ミルヒーさんの志しを継ぎます」と誓う。そして私が一人前の治癒師になるのを見守ってくださいと祈りを捧げる。


 涙がとめどないくらい溢れた。もう二度と涙が出ないかもしれないと、ふと、思う。

 

 帝都に戻る前の日に、鯖の塩焼きが食べたいと女将さんにおねだりをする。アリスは鯖の塩焼きもお味噌汁もお漬物も初めてだったので、少し驚いていていたようだ。でも、美味しいと言ってくれたのがとても嬉しい。


 「しくじった」女将さんに、お米ところお味噌とかを、どこから仕入れているのかを尋ねるのを忘れた。帰りの馬車の中で思い出したもののもう遅い。次いつドルドに帰れるのかわからないのに、失敗した!


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