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053 アズサ、第六階層でウンザリする、十一階層に先生方を下ろす

 六階層は、蚊とかハエとかGとかが多い。毒虫の類はいない。魔物が少ないので、通過する階層なのだけど、先生方は虫にたかられて、なかなか進めないでいる。


 Gを踏んだと言っては大騒ぎをする。昼食中、お皿にハエが止まったと言っては料理を作り直すとか、この人たちは一体全体ダンジョンをなんだと思っていたのだろうか。まったく理解できない。


 従者の皆さんもさすがに呆れ始めている。ハエに追いかけられ、蚊に刺されて、カユミ止めを塗りたくって、ほんと進まない。この階層で野営するのは私たちはごめんなので、さっさと次の階層に進んだ。「後ろから待て、置いていくな」とか叫んでいるのは無視した。


 七階層は小動物の魔物が多い階層。たまに中型のボーア、猪型の魔物とかレッサーウルフもいるけれど。土壁を出すことを覚えた先生方ならなんとかなると思う。三人抜けたので火力不足にはなっているけれど、頭脳プレイで乗り切ってもらいたい。


 先生方が蚊に刺されて、見た目が痛々しので、アリスがヒールをかけて治している。しかし感謝の言葉は一言もなかった。「置いて行きやがって」と恨み言をたくさん言っている。私たちにではなく、この課題を課した学園長に言ってもらいたい。私たちは単なる付き添いなんだから。


 ウサギの魔物とか、キツネの魔物とか出てきても誰も攻撃しない。ともかく先に進むことだけを考えることにしたようだ。それはそれで良いのだけれど。


 中型ボーアと出くわした。土壁で防御。従者さんたちが短剣を抜く。ファイアボルト、アイスランスがボーアに効かないことがわかると先生方はパニックなっていた。ダメだコリャ。


 従者さんが、土壁で足止めされていた、ボーアの頭を岩で殴って、短剣でトドメを刺していた。この従者さんは、ダンジョンに慣れているぽい。


 先生方は狩ったボーアを放置して先に進んだので、私が拾って解体して不要なお肉はその場で燃やした。今日の夕食はボーアの焼肉だ。幸せ。


 八、九階層、魔物を見ると迂回うかいしている。先生たちは戦う気持ちがゼロになっている。ひたすら先生方は歩いた。そして、十階層の崖を見て絶望感に先生方はおそわれている。


 確か、学園の先生方は上級魔術師の資格所持者で浮遊魔術が使えると聞いていたのだけど。なぜ、絶望するのかがわからない。


「高すぎる。途中で間違いなく落ちる」とか言っている。嘘だろう。副業が魔術師のおいちゃんでも、二人抱えて浮遊魔術で、この倍以上の高さを降りられるのに。この先生たちってレベルが低く過ぎる。これは学園の教師を入れ替えた方が良いかもしれない。


 一人の若い女性の先生が覚悟を決めて、浮遊魔術で崖から降りた。ギリギリ落下はしなかった。途中で落ちても私たちがいるので、ケガをしても大丈夫なのだが。


「アズサ、従者を下ろしてくれ」


「承知しました」学年主任の先生がお願いではなく命令をしてきた。グレーゾーンをついてきた。私は、滑車のロープをセットして崖にアリスを抱えて飛び降りた。滑車のロープをセット完了っと。


 私は崖を駆け上って従者さんたちを滑車にセットして下に下ろしてあげた。別に魔術、魔法は使っていないので、学園長の指示に逆らってはいない。

 滑車のロープを利用して先生方が下りてきた。先に降りた若い先生を睨みながら。怖いわ。


 今日の野営場所は十一階層になった。従者さんが動けなくなったから。大荷物を抱えてダンジョンに入るの危険すぎるのに。次の階層からは対人戦闘が主になるのだけど。大荷物を持っている分、動きが悪くなってしまう。できれば今の荷物の三分の一にしてほしい。


 従者さんが疲れ切っているのに、テントを張れとか夕食を作れとか、言いたい放題なのだが、従者が動けないので、なぜか私たちに命令してきた。


 従者さんが気の毒なのでテントは張ってやった。「私たちは、平民の料理しか作れませんので、食事は先生方で何とかしてください」と言い捨てて、従者さんにこっそりヒールをかけて、自分たちのテントに戻った。


 明日から十二階層、ゴブリンの巣穴を通る。ゴブリンはファイアボルトもアイスランスも効果があるので、ゴブリンの張った罠にハマらなければ抜けられるはず。


ゴブリンシャーマンが出てくると、かなりまずいだろうが。気になるのは先生方がほとんどシールドを出さないことだ。ゴブリンの矢には毒が塗られているので、刺さるとかなり痛い。解毒は私たちでするので、問題はないけれど。明日がとっても不安だ。


 

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