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043 アズサ、四十九階層にてドラゴンに遭遇する

 マズい、とってもマズい、四十九階層はデカイトカゲがいっぱい飛んでいる。ここはグリムを除いて私たちには突破できない。この世界の生物の頂点に君臨するドラゴンがこんなにいるなんて、絶対無理だ。


「師匠、あれは」


「地上最強の生物、ドラゴンだね。ワイバーンごとき亜龍とは格が違うよね」


 グリムが我慢しきれず飛び出した。そうなるよね、バトルジャンキーだもの。ドラゴンの中でもどう見ても一番強そうな黒龍に突貫していた。黒龍もえっという顔になった気がした。が、こいつもバトルジャンキーだ。明らかに嬉しそうだ。


 黒龍は空高く飛び上がるとグリムも同じように飛んだ。魔王様は何でもありか。私は遠い目になった。


「アズサさん、青龍せいりゅうがこっちに向かって飛んできてますけど」


「来てるね、私たち、死んだかもね」


 青龍は私たちを敵認定しているようで、その目には怒りがこもっている。終わったあ、終わったわ。私のシールドでは、ドラゴンのブレスは防げても捕まえられたら、握り潰される。


 青龍は軽くブレスを吐いた。想定通り、私のシールドは耐えた。インフェルノの炎に耐えられるのだから、当然だ。


 私たちにブレスが効かないので、少しびっくりしたみたい。少し認めてもらったようで嬉しい。


「私たちって明らかに詰んでるし、私、気持ちよく、マキシマイズ、サンダーボルトを詠唱してみたいのだけど、良いかんな。皆んな」


「お師匠様の望むままに」


「良いですよ。僕、新作ハンバーガーが食べたかったのですが、夢で味わいます」


「……」


「アズサさん、マキシマイズ、サンダーボルト、マックスが良いじゃないの」


「ヒロシ、知ってたの」


「おいちゃんから、聞いた」


「では、皆さん、耳をふさいでください。私のとっておきの魔術をご披露します」


 青龍が私たちに向かって突貫を始めた。


 私は深呼吸をして精神を集中。私自身を抑えるために費やしていた精神力を全開放した。


「マキシマイズ、サンダーボルト、マックス」


 一瞬で、四十九階層は暗黒になった。雷鳴が轟き、落雷が、あちこちで起きる。ドラゴンたちが、巣に避難しようとしても、岩山が崩れどこにも逃げ場はなかった。


 青龍は私たちへの突貫をやめて、逃げ惑う仲間たちへの元へと飛んでいった。


 私たちが立っている地面にヒビが入った。ヤバい。ダンジョンが壊れる。


「大バカ、あほタレ、自分で止められない、魔術、魔法は使うな!」とグリムと黒龍がハモっている。


 黒龍とグリムは空一面を覆う暗黒の雲の中に突入して行った。



 今、私は、グリムと黒龍の前に正座という苦行をさせれながら、叱責されている。


「アズサ、私がゴブリン王に呼び出された理由を教えてやるのだ。制御不能の破壊力を持った兵器に、王のお馬鹿な臣下が妖魔退治を命じた。下手をするとこの世界がなくなるかもなので、魔王グリム殿に見張っていてほしいというものなのだ。わかったかなのだ」


「制御不能の破壊兵器って何のことだかわかりません」


「アズサ、無自覚のようなので教えてやる、今回お前が使った魔術はこの惑星の核をも破壊しかねないものだった。ダンジョンどころか、この惑星一つが消えていた。つまり、お前が世界を破壊する兵器だということだ」


「今回、黒龍殿が手伝ってくれたお陰で、龍の谷が破壊的な打撃を受けただけで、済んだのは不幸中の幸いだった。私一人ではどうなっていたか、考えたくもないのだ」


「黒龍殿にお詫びとお礼を言うのだ」


「黒龍様、この度はとんでもないことをしてしまい大変申し訳ございませんでした。そして、後始末をしていただきありがとうございました」


「我々の方にも落ち度があった。副官がお前たちを襲うとは思わなかった。副官にはお前のせいで龍の谷がこうなった。責任を感じるなら、復興に全力を尽くせと命じている。副官は私たちの戯れを見て、お前たちが龍の谷にきた侵略者だと勘違いしたようだ」


 私も見てましたけど、まったく遊んでいるようには見えなかったです。副官の青龍さんも同じだと思う。お二方の戯れの次元が違い過ぎます。言わないけれど。


「妖魔退治が終わったら、お前の国の皇帝に私は話がある。お前は帝国臣民だから、筋は通しておきたいのだ」


「はい、よろしくお願いします」何となく厄介ごとなのはわかるが、今の私の立場では何も言えない。


「黒龍殿、申し訳ないのだ。でも、私はここが気に入ったのでまた遊びにきたいのだが」


「そうですなぁ、勝負も中途半端で終わっているので、私としても望むところです。今回は手加減し過ぎたようで、次回は手加減なしでするつもりです」


「承知したのだ。私も手加減しないのだ」


 手加減してください。黒龍様とグリムが本気でやり合ったら、それこそ、この惑星がどうなるのかわかりません。

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