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039 アズサ、四十五階層にてレヴィヤタンと出会う

「アズサ、ここは悪魔の棲家だ。悪魔と妖魔は親戚みたいなものなのだ。あれらは本来地獄にいなければいけないのだが。妖魔は、太古の神霊によって、泉の番人にされ、五十階層を任された。五十階層に妖魔がある程度溜まると、結界が張られる前は、ダンジョンの上の階層と下の階層に漏れ出していた。妖魔には明確な意思はないのだ。ただ流されているだけなのだ」


「悪魔は妖魔と違って明確な意思を持っている。悪魔は原則、自分で設定したマイルールにしか従わないのだ」


「この階層にいる悪魔は低級悪魔、下級悪魔、良くて中級悪魔の下しかいないのだ」


「グリムはここにきたことがあるの?」


「ああ、昨年の小学校の社会見学がここだったのだ。その後も悪魔と遊ぶために、時々ゾンの目を盗んで遊びにきている。しかしなのだ。私がここにくると皆んなどこかに隠れてしまうのだ。悪魔は不死なんだから、多少の無茶と無理はした方が良いのに」


 俺様悪魔が気の毒にも登場した。


「お前ら人種ひとしゅの分際でこの魔なる場所にくるとは良い度胸だ。この俺様が直々に遊んでやる」


「久しぶりに遊んでくれ!」


「グリムのお嬢様、なんでこんな連中と一緒におられるのですか?」


 急に俺様モードから揉み手モードに変わった。さすがは悪魔だ。


「私はこの者たちの引率できている。お前たちと私がどのように遊んでいるのか、説明しようと思っていたところだ。私がこのように、いつも悪魔と遊んでいる。よく見ておくように」


 悪魔が撤退モードに入っていたのを、グリムが無理矢理、私たちがよく見えるように、悪魔を中央に投げ飛ばして、後は、一方的にぶん殴っていた。さすがは不死の悪魔、意識は飛んでいない。「お嬢様参りました」とずっと叫んでいた。グリムは一通り殴って気が済んだようで、殴られてぼろぼろになった悪魔にこう言った。


「おい、お前、この階層を案内せよ」


「グリムちゃん、案内はあたしがするわ。良いでしょ。君」


「はい、もちろんです。レヴィヤタン様」転げるようにして中級悪魔は逃げていった。


「レヴィヤタンではないか、良いのか? そんな雑用をして」


「今日はお当番の日直だったのよ。それで地上に召喚されたのね。その召喚主がね、魔力不足の上に報酬もショボくて、つい頭にきて、召喚主を消してしまったの。それでここで時間を潰さないと、地獄に帰れないわけ」


「案内が終わったら、私と遊んではくれないか?」


「太古の悪魔と一度遊んでみたかったのだ」


「遊び代は、そのお連れの人種ひとしゅの魂かしら」


「アズサ以外なら……」


「ダメです。戦士さんも含めて絶対にダメですから」


「生き霊もダメか?」


「ダメです!」


「グリムちゃんが人種の言うことを聞くなんてびっくりだわ」


「そうか、私はとっても素直な良い子なのだ」


 レヴィヤタン様の笑いのツボにハマったようで、大笑いをしていた。「ああ、おかしかった。何百年振りだろう。こんなに笑ったのは。グリムちゃん、笑わせてくれたお礼に遊んであげるわ」手加減はしないから、泣いてもしらないわよ」


「ありがとうなのだ。レヴィヤタン」


「じゃあ、案内するわよ。この浮いているのが悪魔の成り掛けの低級悪魔。このまま、低級悪魔同士の戦いに勝てば、下級悪魔に昇格ね。でもたいていは昇格直前に下級悪魔のオヤツにされるのよ。簡単には下級悪魔には成れないわね」


「気配はするでしょう。隠れている下級悪魔の気配がね。私とグリムがいなくなれば、すぐに出てきて、ここにいる低級悪魔を食べるのよ」


「そうなのだ、私がここに来ると下級悪魔は隠れるし、中級悪魔は地獄に戻るし、私は悪魔たちに嫌われているのだ」


「グリムに遊ばれた後に、他の悪魔が仕掛けてくるからね。弱っている相手をさらに叩くのが悪魔の常識なの。中級悪魔であっても、グリムと遊んだ後はヘロヘロだから、下級悪魔にも負ける。負ければ中級悪魔から下級悪魔に格下げなの。だからみんな逃げ回っているわけね」


「グリムはここではなく、直接地獄に遊びにいく方が良いわよ」


「地獄に入るにはサタンの許可必要なのだが、サタンがなかなか許可を出してくれないのだ」


「サタンは以前、グリムにタコ殴りされたのがトラウマになっているからね……」


 恐るべしグリム。


「ここが、悪魔と契約できた魔女が集う場所、サバトの集会があるところ。大規模な集会はアロッケン山で行われるワルプルギスの夜は知っているわね。


 皆んなが頷いている。サバトってなんだろう。ワルプルギスって何?


 レヴィヤタン様の悪魔の棲家案内が終わって、グリムとレヴィヤタン様の模擬戦が行われた。下級悪魔たちもこっそり見ていた。


 レヴィヤタン様は龍種から悪魔に転生したみたい、グリムの背後には常にレヴィヤタン様の尾が狙っている。グリムの突貫は読まれているみたいですべてかわされている。


「レヴィヤタンの先読みは的確なので、楽しいのだ」


「あら、グリム、ごめんなさいね。私、帰る時間になってしまった。今日は充実した日になって良かったわ。あたしからも、サタンに、グリムちゃんがいつでも地獄に入れるようにしておきなさいって言っておくから、安心して」


「ありがとうなのだレヴィヤタン」


「グリム、お土産は忘れないでね」


「もちろんなのだ」


 レヴィヤタン様が私を見た気がした。背筋がゾクっとした。




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