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悪役魔女とグリム兄妹

「僕やグレーテルは城の敷地内にあるここで暮らしているんだ。ジャンヌちゃんのお部屋は用意してあるから自由に使ってね」


城の敷地内にレンガ調の白い二階建で、なんというか、、、お菓子の家。ケーキだわ!大きいケーキでドーム型!庭も広くて素敵な家だった。ヘンゼルさんとグレーテルさんの住まいで私は今日からここでお世話になるんだねっ!


「……ねえ…僕の部屋はどこ?」


さも当たり前かのように一緒に住もうとしているシラユキ君にヘンゼルさんは困った顔をして

「えーと、クラウド王子はフラン王子と同じ部屋の階ですよー」


「え!んじゃあ俺の部屋もないのかよ!」


隣にいたライル君も何故か自分の玩具を持ってきて住む気満々だった。そんな二人にやれやれとため息をだすフラン君は


「あのねぇー、君達は自分が王族だということを自覚している?君達は仮にも他国の王子でこちらが預かっているんだから、要はお客様なわけ。ここで住めるわけないじゃん」


「おいおい、そーいうお前はなんで枕を5個持ってきてんだよー」


フラン君に抗議をするライル君とただウンウンと頷くシラユキ君にフラン君は眠たそうに

「で、僕が寝る部屋どこー?」


その後三人はメイド達に自分の部屋へ戻されていった。みんな心配性だなあー、でもちょっぴり不安だったから三人についてきて貰って正直よかったかな。


賑やかだった雰囲気が一気に静かになり、チラッとヘンゼルさんの顔色を伺うとヘンゼルさんは私の視線に気づきニコッと笑ってくれた。私の頭を優しく撫でて

「…不安かもしれないけれど、僕達はジャンヌちゃんの味方だからね。よし!今日はジャンヌちゃんが我が家にきたんだ!ケーキを作って歓迎会だね!」


「ケーキ?!わあ!私ケーキ大好き!ありがとう!」


二人でのほほんと会話をしていた時、グレーテルさんが帰ってきてキッと私を睨み


「何のほほんとしているの!!?…ジャンヌ!貴女はまだこの国、いえ世界をわかっていないわ!!来年学園へ通っても貴女を良く思ってない者は沢山いるわ!気を引き締めて!」


すごく威嚇するような言い方だけど…なんだろー、お母様達みたいな優しい瞳をしているんだよね。最初は怖いかなと思ったけど、私はグレーテルさん好きだなあ。



「……えと、あのっ」


「声が小さいわ!大きく!」


「あの!でもグレーテルさんは私の事嫌いですか!?私は好きです!瞳が綺麗でお母様達と同じ優しい目をしてるもの!」


急に黙ったグレーテルさんにヘンゼルさんはお腹を抱えて笑っていた。


「あはははっ!ジャンヌちゃんに一本とられたねっ」


グレーテルさんは少し耳が赤くなり、

「あっ、明日になったら勉強と魔法の特訓よ!以上!」

そう言い残しグレーテルさんはまた外へ出ていった。


「ははっ、あ、来年には学園へ通うけど、嫌な事があったらいつでも相談に乗るからね」


「学園ってどこにあるんですか?」


グレーテルさんは空の方へ指を指して教えてくれた。


「各国の王族貴族、稀に魔法が使える庶民など特待生などは全てあの雲の上にある学園で学ぶんだよ。僕とグレーテルもそこで学んだんだ。


わぉ!なんだかファンタジーみたい!空の方へ見上げると微かにガラス細工のようなキラキラしたお城が浮かんで見えた。そのお城の隣に更に立派な建物がありそこが学園だと教えてくれた。


「キラキラしていて遠くてもわかるわっ…」


「うん、遠い昔はね、この世界は一つの国だったんだよ。あの空にあるクリスタル状のお城はその時の王の城さ。いまだに、『真実の王』を待っているからいつも輝いているとみんな言ってるよ」



この後私はヘンゼルさん特製のチョコレートケーキを美味しくいただいた。グレーテルさんも無言でおかわりして明日から勉強やレッスン、魔法について学ぶため早く部屋へいきベットに寝た。


「…ふぅ…」


お母様達…元気くかな。チョコレートケーキ一緒に食べたかったな。頑張って私は悪い子じゃないよ!と証明しなきゃならないもんね!


コンコン



窓から誰かが叩いてきた。え?誰だろう??

窓の外を開けると、シラユキ君達が木の枝に立っていた。


「シラユキ君!」


シラユキ君はただニコッと笑いかけてくれた。


「ジャンヌ!しー!あの怖いグレーテルに見つかったら僕達叱られちゃうからしずかにっ」


「わわっ、フラン君、ごめん」


私は慌てて静かな声で話す。


「実はな!綺麗なお月様だから一緒に見ようときたんだよな!!!」


「「「ライル!シーッ!!!」」」



私達四人は木に登り綺麗なお月様を一緒に見た。


「お月様には絶対うさぎいると俺は信じてる!」


「ライルー、いないよ。そんなのー」


「フランはロマンがないなあー!」


「ははっ、うん、私もライル君と同じかなあ。うさぎさんいるよ!きっと!」


「…ジャンヌがそう言うなら僕もいると思う」


「シラユキ裏切ったなあー!」


仲良く林檎四つに切り分けて私達は綺麗なお月様を一緒に見ていた。


明日からお勉強開始!よくわからない乙女ゲームみたいだけど心強いお友達もいるし!ヘンゼルさんとグレーテルさんの家でお世話になるけど、よし頑張るぞぉ!!




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