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悪役魔女はボスとなる

森の熊を追い返し私達はあれから少しずつ仲良くなった。私はおばあ様やお母様には内緒でよく森へ行くと言い彼らに会っていた。



それぞれの国の王子さまである彼らの国の中心にある森が私が住んでいる森とされている。


第1王国、第2王国、第3王国、第4王国、第5王国、第6王国、第7王国と時計回りのように森を囲っている。


「うわあ!知らなかったよ!それぞれの国に囲まれた森だなんて。沢山の国行き放題かなあー」


この森だけはどの国にも属さないみたいだから、色々観光し放題じゃないかなあ。


ルンルンと話す私に第2王国の王子ライル君は呆れた顔で

「ジャンヌ、なんでこの森がそれぞれの国に囲まれているかわかるか?」


「多分、観光の為の近道かな?」


「ばかっ、もっと考えろよ」


寝っ転がりながら、私達の話を聞いている第3王国の王子フランはあくびをしながら


「君ねえー違うよ。この森は魔女の森とされてて何百年もずっとずーっと監視されてるんだよ?君の先祖にあたる魔女が僕らの国を危険に陥った罪らしいからね」



「え?フランくんの国も?」


コクンと頷くフランは


「凄ーく昔僕の先祖は魔女に100年の眠りの呪いを受けたんだよ。遠い国から来た勇敢な王子によって姫は目覚めて僕達の国は救われたんだよ」


それ眠れる森の美女だわね。うんうん。


「えーとライルくんの国も?」


ライルくんは難しい顔をして


「あー俺の祖先は魔女に声を奪われた挙句、泡になったとかだ。その泡になった姫は先祖の妹らしいけどなあ…」


それ、人魚姫だね。あ、魚になるのもそういうことかな???


少し離れた場所に座って本を読んでいる第1王国の王子クラウド君は見た目だけではわかるよ。黒い髪に白い肌。


白雪姫だよねー。


「なあーシラユキー!お前んとこも毒リンゴを魔女に渡されて死にかけたみたいなやつだよな」


クラウド君はコクンと頷く。あだ名がシラユキと呼ばれるてるんだもの、すぐに白雪姫の子孫だとわかったよー。


「んー、、皆んないいの?」


「「え?何が?」」


「よく考えたら皆んな遊ぶ暇ないよね?あと、なんだかごめんなさい…知らないとはいえ私の祖先悪者だったのね」


ライルやフランは昔の事だしと言い、それに遊びも冒険も必要だと熱く語っていた。

クラウド君は急に立ち始め林檎の木を見つめていた。


ん?食べたいのかな??私は木によじ登ると


「おまっ!ジャンヌ!女が木によじ登りするなよ」


「スカートの中丸見えだよー!」


ライル君とフラン君慌てていて、クラウド君は黙って見つめていた。


「たんぱん履いてるから大丈夫だよー!」


ニッコリとピースサインをしたら、ライル君とフラン君は顔を真っ赤にしていた。心配性な二人ね。


「クラウド君林檎を食べたかったんだよね!ここの森の林檎美味しいんだよ!ちょっとまってね、今おりるー…」


と言いながら私は木の上から落ちた。


「「「ジャンヌッ!」」」


あ、これまた怪我するかも!と目をつぶっていたら、冷んやりと程よい冷たさの腕の中に私は抱き抱えられていた。


「…大丈夫?」


クラウド君は心配そうに私の顔を近づける。

え、いや。うん!

いやいやいや、ショタだけどなんかドキドキするよ!

何この可愛らしさ!!うぁあぁあ!まつげ長!

髪が黒いのも、私的には元日本人として落ちつきよ!


「か、顔、ちか…いでござんす」


「うん、林檎食べたことない僕に林檎をとってきてくれたんだよね。ありがとう」


爽やかな笑顔を私に向けるクラウド君。いや、だから顔が近いよー!!


心臓がもたない。ドキドキが止まらない。ヤバい!

顔を真っ赤にして、私は気絶をした。


ショタなのに、なんとゆう色気なのさー!











「うわあー最悪!お姉ちゃん!みてよ!バッドエンドルート一番最悪だよ!!」


「え?なにが?またゲームの話?」


「魔女だけでなく、皆んな死ぬとか泣けてしまったよ!」



「魔女魔女って、そのラスボス的な魔女なんなのさー」


「ラスボスの魔女?名前はジャンヌよ!


ジャンヌ・グラウディング!!皆んなに殺されるちゃうんだよね!性格最悪だから当然よ」







私は一気に目が覚め


「いや!ボスは私かい!!!」と突っ込んだ。


起きた私を見た三人は首を傾げ


「いや、この四人なら俺がボスなー!」


「ライルはダメだよ!すぐに突っ走ってばっかだから、ボスに向いてないよ。僕の方がボスだね」


とライル君とフラン君はどちらがボスか言い合っていた。いや、私ゲームではなに?なんか殺されるとか言ってたよね!?妹よ!どういうこと!!?



クラウド君は私の頭を撫でてニッコリ微笑む。

癒しだわ…。なんか、うん、夢の事とかどうでもよいかも。


「僕の事、シラユキって呼んでね」


「あぅ…かわい、、あ、あのありがとう!えと、さっき冷んやりとした風?を感じたけど」


「あぁ、僕は氷の魔法が少し使えるんだ。まだ未熟だから全然だけど…」


魔法!?やはりこの世界には魔法があるの!?


「すっ凄いね!クラウドく…ではなくてシラユキ君は凄いね!」


キラキラした目で褒めると、シラユキ君の頬っぺたはかすかに赤くそまって私から目を逸らした。

照れてるー!可愛い!


ライルとフランは

「シラユキが自分の愛称の許しをしたのは僕達含めて三人目だね。てかジャンヌは魔法が始めてみたの?」


「うん!さっき冷たい風がふわぁああ!って私宙に浮かんだよ!凄い凄い!」


「魔法は王族特有のモンだからな!おれは水系でフランは土系だよなー!」


ライル君は水鉄砲のように、チョピチョピ指先でだし、フラン君は森の木の葉っぱをユラユラと動かして操っていた。


まだまだ三人ともコントロールができず、練習中だとか。大変だねー。


「ジャンヌは?魔法できないの?魔女はまた違うのかな」


シラユキ君の一言で皆一斉私を見る。


「え?わたし?いやいやいや、私はなんも出来ない出来損ないの魔女っこだよ!?私のお母様やおばあ様も普通の人だよ?!」


フラン君はわくわくした顔で私に

「ねえ、指先を集中して何か念じてみてよ?」


「えーたぶんなんも起きないし、やだよ」


いやいや、だって私一人で魔法使いたいー!と唱えたけどなんも起きなかったもの。


「まあー魔法は王族特有のもんだしジャンヌには無理だよな!なんかあったら俺らがジャンヌを守るよ!」


そうライル君は照れながら言ってくれて、シラユキ君も笑顔で頷いた。


「でも魔女が何かの魔法できると思うんだよねー!一度集中してあの大きな木にめがけてみてよ。イメージしてあの木をめがけて出すんだよー」


そうフランは大きな木に指を指した。


「えー?唱えかたもわからないよ!?昔さ一人でも魔法使えたらなあとやってたのに出来なかったし!


こんな風にね!バアァアン!って叫んでさ!!」


悪ふざけで私は思いっきり、その木に指を指して銃を撃つフリをした瞬間




ドガガガガガガーァアン!!!




「「……え?」」



目の前にあった大きな木と後ろにあった木の数々が倒れてしまった。いや、真っ二つに割れて倒れてるんだ。




え?!




「…魔女っこ、すごいねぇ…」



「俺はじめてみた…こんな凄いの」



「…あの、み、皆んなこれは内緒で…わけわからない」



「うん、もちろん…」



「俺もいわねぇよ…大人達にバレたら大変じゃん…」



ポカーンとしていた私とライル君とフラン君に

シラユキ君は私の頭を撫でて


「はは、ジャンヌ、凄いね。君がこのメンバーのボスだね」


可愛い笑顔でそんなジョーダンな事を言っていました。


シラユキ君は何故のほほんとしてるの!!?

と、ツッコミをいれた後私達は、バレないように

そそくさと退散。



ごめんなさい。森の生き物達。



後日フラン君は専属の土属性の騎士にお願いして修復してもらった。













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