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悪役魔女は王子達と出会う




ジャンヌ・グラウディング 、そうそれが今の私の名前だ。

階段から落ちて頭を打ち私は気付いた。


ここ、にっぽんじゃない…!


ちょこちょこと、歩き回り、周りを見渡すとよく雑誌で見るような童話に出てくる可愛らしく、木で作られた家でキラキラと光るフルーツにカエルの形をした時計。


「おやおや、可愛い小さな魔女さんは何処にいくんだい?」

黒いドレスを身に纏い、鼻は長く目は緑色。


「ひゃう!!バッバケモノ!!」


そう叫び私は気絶をした。




「お姉ちゃんっ!見て見て全部コンプリート達成!やっぱ皆んなイケメンで良かったよー!スチルも一枚一枚綺麗でさぁ」


「へーそりゃご苦労様だねぇ」


「攻略対象者もおとぎ話に出てきたお姫様の子孫でラスボスは王子達の幼なじみの魔女!!魔女がヒロインの美しさに嫉妬をして国を滅ぼそうと企むんだけど、攻略対象者に倒されるの!あーこれがまた泣けたんだよねえ。昔は仲良き関係だった魔女と王子達なのにさー、魔女は死んじゃうんだよ。これがまたもー王子様達の姿がかっこ良くてーって聞いてる!?ねえ!?」



「うんうん、平和が一番」



ん?ここは…あれだわ。妹がハマっていた乙女ゲームの世界に似ている?いや、でもゲームなんてまったくしてないから、自分がどんなポジションかはわからないけど、ま、いっか!


さて、私のお母様は魔女と呼ばれている。おばあ様もその代もずっとずーっと私の家系は魔女だった。らしい。

とはいうものの魔女と言っても今は薬を作って売って生活をしているけど……杖とかないし、魔法という魔法も出来ない。ほら、「ビビデバビデ◯ー!」って唱えて何かするものでない。


…ちょっぴりガッカリ。



「おばあ様、お母様、町へ行きたい」


お母様とお祖母様は困った顔をして、ただ私の頰をすりすりしながら


「…ごめんなさいね…」


私は街へ出た事がない。私の家は周りは森だらけで街へには歩いて一時間も先にある。外にでるときも家の近くにある森へ行き木の実を取りに行くぐらい。


なんちゅー過保護な生活なのだろうか、と思ったけど、

鏡を見ると確かに私の髪は白色で目は金色。髪の色が白って魔女族の中では珍しく、祖先にあたる魔女と同じ色なんだとか…この姿で歩くと皆んなは恐れるらしい。


なんというか、ややこしいよね。私的にはみんなウェルカム!なんだけど。

ま、その分、森にいる動物達とは仲良くしてもらってるからいいけどね。


「木の実を取りに行ってきまーす!」


「野生の熊に気をつけるんだよー」


「はあい」


手首には鈴を付けて、籠を持ち私は走って木の実を取りに行った。

森には沢山の木の実がある。真っ赤な林檎もあり、林檎やブルーベリーをとっていた。天気がよいから気分いいわね!後でおばあ様にアップルパイを作ってもらおっかな。


「あるうひぃ~♪もりのなかぁあ~♪くまさんに~でああったぁ~♪」



何やら獣臭が漂い、その方向からは声が聞こえた。




「ガオーッ!!!」



「クッ!クマだ!くるな!あっちへいけ!」


「…僕達食べられるのか」


「さいあくだよー早くお家に帰りたいーぐすっ」




大きな熊が男の子二人に遅いかかろうとしていた。


一人は黒い髪で肌はとても白く、綺麗な男の子で熊が襲いかかろとうしているのに無表情のようだけど…

あ、震えてる。怖くて固まってるみたい。


もう一人の男の子も可愛らしい金髪少年。何故枕を抱えてるのか不思議だよ。



そして不思議なのが…


「シッシッ!俺らはお前のエサじゃないんだ!あっちいけ!」


黒い髪の男の子が大事そうに青くて小さい魚を持っているんだけど、その魚が喋っているよ。熊よりなにより魚が話すとこ初めてみちゃったからビックリして、私は口をあんぐりしていたら、野生の熊は私の存在に気付き、私が持っている林檎やら木の実を見てヨダレを垂らした。



「げっ」


後ずさりをして

ガサガサッと音を立ててしまい、男の子達は私の存在に気付き目を丸くしていた。


「ま、魔女だ、ほんものの」


「…髪がしろい…」


魔女魔女と失礼な!魔女の子孫らしいけどさ。


熊はまた男の子達の方へ向かって走っていった。


「うわあぁあああ!!」


金髪少年と青い魚君は叫び、黒髪少年は固まっていた。


私はすかさず、熊対策のスプレーを熊にめがけてかけた。


「あっ!あっちいけ!熊さん!!」



熊の目にスプレーがかかり熊は涙目になり何処かへ逃げていった。



「はぁはぁはぁ…」


私と男の子達は熊が逃げていった方の森を少し眺めていた。


私は後ろを振り返ると男の子達はマジマジと私を見ていた。


黒髪少年はジーっと私を見て首をコテンとかしげながら

「…妖精さん?」


うわぉ!このこ可愛いなああー精神年齢的には私上だけど、こんな可愛い弟いいわーうんうん!


「髪が白く、目は金色って、あの歴史に名を残した魔女に瓜二つだよね…僕まえにお城でみた」


枕を抱えて私の周りをくるくる歩きまわって話す金髪少年。


「そろそろ、乾いてきたから身体もどるんじゃない?ライル」



「あ、そうだな」


金髪少年にライルと呼ばれる魚君は一瞬で煙と水しぶきがふりかかり、目の前には青い髪色の少年が立っていた。



「さっ!魚から!男の子に変身した!!」


小さな魚から男の子になったもんだから私は手に持っていた籠を落としてしまった。


青い髪の少年はジーっと私をみて

「俺の国の幼少期はこんなんだよ?てか皆んな知ってるのにお前なんもしらないのか?」


コクンと頷く私に三人の男の子達はお互いの顔を見ていた。え?なに?コソコソはやめてよ?!


黒髪少年は私の籠を拾い、

「…あの、助けてくれてありがとう…ぼくは第一王国の

クラウド・スノーホワイト・プリンス」


青髪少年は

「俺は第ニ王国のライル・マーメイド・プリンス!助かった!ありがとうな!」


金髪少年も一緒に挨拶をし

「ぼくは第三王国のフラン・スリーピング・プリンス。助けてくれてありがとうね」



私はおばあ様とお母様以外の人間と初めて出会って嬉しかった!いや、嬉しいでしょ!やっぱ!


「うわぁ!私人にあえて嬉しい!!

私の名前はジャンヌ・グラウディング!よろしくね!」


ニッコリ微笑んで挨拶をしたら、何故か男の子達は顔を赤くなりながらも自分達はこの森に魔女が住んでいるから、行ってみよう!と遊びにきたものの、熊に出くわしたと説明をしてくれた。

ふと私と目が合った黒髪少年のクラウド君は無表情だったけど少しだけ、すこーしだけ、微笑んでいたような気がした。

そんなクラウド君の微かな笑顔にちょっぴり癒される。



「え?あれ、あの…名前プリンスって。みんな王子様?」



三人は自分達を知らない人がいるんだと驚いてた。


「え?王子?ほんもの?えーじゃあサインもらったほうよいのかな??」


「ははっ!なんでサインなんだよっへんなやつー」


私達はそうたわいもない会話をして笑った。



ジャンヌ・グラウディング9歳。

同い年の友達候補の少年達と出会いました。





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