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異世界図書館の司書  作者: 朱辺 奈穂
1/2

零 ープロローグー 交通事故


              零


「……本当に、本好きなのな」

 副部長の(あきら)が話しかけてくる。

「まあね」

 聡の目も見ずに、活字を追うのに夢中になっている。

 私達は、吹奏楽のコンクールから、バスで帰っている所なのだ。

「バスの中なんだから、酔うなよ」

「酔うなら、そもそも、読みませーん」

 なんて、やり取りをしていると「部長ー。副部長と仲がいいですね~」後輩からの冷やかしが来る。後輩は前席から、此方を覗いてきた。

 読んでいた本を一旦、閉じる。

「別に。ただの部長、副部長の仲だよ」

 そう言ったものの、実は、気になっているのだ。この気持ちを俗に、恋、と言うのだろう。

「そうだ、そうだ。(あおい)のことは、ただの部長としか思ってねぇから」

 ……気になっている相手にそう言われると、傷付く……。

「そんなこと言ったら、部長が可哀想ですよ~」

 何をしたいんだろう。この部員・夏奈は。

「部長のこと、そんな目で見てないんだよな……」

 その発言を今すぐ、取り消せ。この馬鹿!

「ふ~ん。つまんないの」

 後輩は、此方を覗くのを止めて、前を向いた。

 ……すっごい、傷付いた……。

 この感情を誤魔化すかのように、読みかけの本を開く。

「何の本読んでんの?」

 聡が本のカバーを覗いてくる。

「ん? あぁ、『ナルニア国物語』だよ」

 恥ずかしくて、目も合わせずに、文字の羅列の内容を理解する。

「ふ~ん。俺も本、読もっかな~」

 と言って、椅子の下にあるリュックを取ろうとしている。

 すると、「あ、ごめん」聡の手が私の右手首に触れていた。

「べ、別に。だ、大丈夫……」

 と言っているが、動揺が隠せていない。

 聡の方をチラッと見ると、何事もなかったかのようにライトノベルを読んでいた。

 ……はあ……。心の中でもため息をつく。それから、視線を本に戻す。

 すると、有り得ないことが起こった。

「うわっ!」

 全身に衝撃が走ったかと、思うと、次の瞬間には座席から、投げ出されていた。

 それからは、なにもわかんない。

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