表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

双六「百均へ行こう」

作者: 銘尾 友朗

 お家の周りは田んぼが多い。車がなくっちゃ生活出来ない。


「百均に行くけど誰か一緒に行く?」


「俺、買いたい物あるんだよね」


 と小6長男大樹くん。


「行く。ノート無くなっちゃう」


と小4長女真由加ちゃん。


「お母さん、さっちゃんとお手紙ごっこするから、お手紙セット買って」


と年長末っ子恵里佳ちゃん。


 はい、全員スタート地点に着きました。


「あ、俺顔洗ってねえ」


と、大樹くん。


「あたしのバッグどこーっ」


と、恵里佳ちゃん。


 大樹くんと恵里佳ちゃん1回休み!


「お母さん、お化粧直しするから自分の事は自分でやって」


 あれれ、お母さんも1回休み!


 家からブルンと車で出かけ10分かかるよ100円均一。エンジン切ったらお店に入ろう。


 みんな1マス進んだよ!


「お母さん、何買うの?」


「扇子。去年使ってやつ、春先の暑い日に広げたら壊れてて。そろそろ必要だから買っておこうと思ったの。そういう大樹は?」


「イヤホン」


「また? こないだも買って無かった?」


「だって、自転車にひっかけちゃったんだもん」


 そんなこんなで百円均一。いろいろあるよね百円均一。


「あった、あった扇子。じゃ、お母さんコレ選んだら皆のこと探すからね~」


 皆でお目当て楽しく物色。


 皆、またマスを進んだよ!


「今年は洋風の絵柄もあるのねえ。……うーん、なんかピンと来る奴無いなあ。……もう少しシーズンに入れば新しいの入荷するかなあ?」


 お母さん買うのをやめちゃった。1回休み!


 本当は一番好きなの文房具、買わなくたって覗いちゃお。


「あ、お母さん、見てー。折り紙可愛いよ」


「お手紙セットは選んだの?」


「まだー。ねえ折り紙見てー」


「ホントだ! スイーツ柄にフルーツ柄なんてあるのね」


 二人で見学折り紙見学。


 1回休み?


「お母さん、このハート模様のコップ買っていい?」


「真由加、ノートは選んだの? ……ああ、あなたのセトモノのマグカップ欠けてたわね、いいわよ」


 やったね、真由加ちゃん4マス進もう。


「お母さん、お手紙セット決まったよ」


 恵里佳ちゃんも2マス進める。


「お母さん、おもちゃも買っていい?」


「必要な物はお母さんが払うけど、個人で遊ぶやつは自分のお小遣いで出してよー」


「えーっ、お手紙セットだって、おもちゃみたいな物じゃん!」


「何いってんの、幼稚園児にはお小遣いあげてないでしょ!」


 残念! 大樹くん、両方自分で買わなくちゃ。


 大樹くん、4マス進んで2マス戻る。


「後は何か買うものあったかな? ……お菓子、少し買い出ししとく?」


「「「イェーイ!!」」」


 3人其々お菓子を選ぶ。チョコにクッキー、スナック菓子。


 やったね! またマスを進めるよ!


 お母さん、アイタタ。財布が痛い。


 お母さんは1マス戻ります。


「さて、帰ろうか」


 



「…帰り道になって言うのも何だけどさ、適当に扇子買っちゃって、あの折り紙買ってリメイクすれば良かった!」


 あれあれ、ひょっとしてふりだしに戻る?


「そんなの絶対上手くいかないよ。厚みが出て開きっぱなしになっちゃうじゃん」


「それもそうか」


 やっぱりお家に帰ります。


「お母さん、夜ご飯どうするの?」


「……しまった! かた焼きそばにしようと思ってたんだ!! 百均に麺が売ってたよね!? 戻るよっ!」


 車がギュインとUターン。


 はい、全員ふりだしに戻って始めから……。



 完

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 日常を双六に例えるなんて面白いですね。
[良い点] 百均に麺まで売っているんですね。@@ 私もよく利用するけど、子供たちとの買い物が、双六調に朗らかに語られていて、読み進めるのが楽しかったです。
[一言] 読ませていただきました。 アイデアが良いですね。 ほのぼのとした雰囲気も良かったです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ