双六「百均へ行こう」
お家の周りは田んぼが多い。車がなくっちゃ生活出来ない。
「百均に行くけど誰か一緒に行く?」
「俺、買いたい物あるんだよね」
と小6長男大樹くん。
「行く。ノート無くなっちゃう」
と小4長女真由加ちゃん。
「お母さん、さっちゃんとお手紙ごっこするから、お手紙セット買って」
と年長末っ子恵里佳ちゃん。
はい、全員スタート地点に着きました。
「あ、俺顔洗ってねえ」
と、大樹くん。
「あたしのバッグどこーっ」
と、恵里佳ちゃん。
大樹くんと恵里佳ちゃん1回休み!
「お母さん、お化粧直しするから自分の事は自分でやって」
あれれ、お母さんも1回休み!
家からブルンと車で出かけ10分かかるよ100円均一。エンジン切ったらお店に入ろう。
みんな1マス進んだよ!
「お母さん、何買うの?」
「扇子。去年使ってやつ、春先の暑い日に広げたら壊れてて。そろそろ必要だから買っておこうと思ったの。そういう大樹は?」
「イヤホン」
「また? こないだも買って無かった?」
「だって、自転車にひっかけちゃったんだもん」
そんなこんなで百円均一。いろいろあるよね百円均一。
「あった、あった扇子。じゃ、お母さんコレ選んだら皆のこと探すからね~」
皆でお目当て楽しく物色。
皆、またマスを進んだよ!
「今年は洋風の絵柄もあるのねえ。……うーん、なんかピンと来る奴無いなあ。……もう少しシーズンに入れば新しいの入荷するかなあ?」
お母さん買うのをやめちゃった。1回休み!
本当は一番好きなの文房具、買わなくたって覗いちゃお。
「あ、お母さん、見てー。折り紙可愛いよ」
「お手紙セットは選んだの?」
「まだー。ねえ折り紙見てー」
「ホントだ! スイーツ柄にフルーツ柄なんてあるのね」
二人で見学折り紙見学。
1回休み?
「お母さん、このハート模様のコップ買っていい?」
「真由加、ノートは選んだの? ……ああ、あなたのセトモノのマグカップ欠けてたわね、いいわよ」
やったね、真由加ちゃん4マス進もう。
「お母さん、お手紙セット決まったよ」
恵里佳ちゃんも2マス進める。
「お母さん、おもちゃも買っていい?」
「必要な物はお母さんが払うけど、個人で遊ぶやつは自分のお小遣いで出してよー」
「えーっ、お手紙セットだって、おもちゃみたいな物じゃん!」
「何いってんの、幼稚園児にはお小遣いあげてないでしょ!」
残念! 大樹くん、両方自分で買わなくちゃ。
大樹くん、4マス進んで2マス戻る。
「後は何か買うものあったかな? ……お菓子、少し買い出ししとく?」
「「「イェーイ!!」」」
3人其々お菓子を選ぶ。チョコにクッキー、スナック菓子。
やったね! またマスを進めるよ!
お母さん、アイタタ。財布が痛い。
お母さんは1マス戻ります。
「さて、帰ろうか」
「…帰り道になって言うのも何だけどさ、適当に扇子買っちゃって、あの折り紙買ってリメイクすれば良かった!」
あれあれ、ひょっとしてふりだしに戻る?
「そんなの絶対上手くいかないよ。厚みが出て開きっぱなしになっちゃうじゃん」
「それもそうか」
やっぱりお家に帰ります。
「お母さん、夜ご飯どうするの?」
「……しまった! かた焼きそばにしようと思ってたんだ!! 百均に麺が売ってたよね!? 戻るよっ!」
車がギュインとUターン。
はい、全員ふりだしに戻って始めから……。
完