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雪の日には  作者: 白波
1/2

前編

 空を見るとどんよりと雲がたくさん出ていて、とても寒そうだった。


 おもちゃ箱をひっくり返したようにたくさんのおもちゃが置いてある部屋の大きなだんろの前でお母さんの帰りを待っていたミクちゃんは、とてもさみしかった。


「だれか来ないかな……」


 外の雪はどんどんどんどんとふってきて、ついには吹雪になった。


 その時、家のドアをだれかがトントンとたたいた。


「はい。だれですか?」


 お母さんにるすばん中に勝手におうちに人を入れてはいけないといわれていたけれど、ミクちゃんはついついドアを開けてしまいました。


「こんにちわ。今日はとっても寒いので、少しのあいだ、家に入れてくれませんか?」


 扉の向こうに立っていたのは、頭にたくさんの雪をのせたタヌキの親子だった。


「どうぞ、入って入って」


 とっても寒そうだったので、ミクちゃんはタヌキの親子を家に入れてあげました。


「ありがとうございます」


 タヌキの親子は、頭を下げて家の中に入りました。


「さぁお茶どうぞ」


 ミクちゃんは、小さなカップに紅茶を入れて、ミルクと一緒に出しました。


「わーい!」


 タヌキのこどもはよろこんで紅茶を飲みます。

 お母さんタヌキもミルクが入った紅茶を飲みました。


 その時です。


 また、だれかがドアをトントンとたたきました。


「はーい!」


 ミクちゃんはタッタッと走って行って、ドアを開けました。


「こんにちわ。雪がひどいので家に入れてくれませんか?」


 ドアの前にはキツネさんがいました。


「寒そうでかわいそう。どうぞ、中に入って」


 ミクちゃんはキツネがあんまりにも寒そうだったので家に入れてあげました。


「ありがとう。そうだ。ほかのみんなもよんでお茶会をしようよ!」


 入って来たキツネはさっそくそんな提案をしました。


「えっでも、お母さんが家に勝手に人を入れちゃいけないって言ってたし」

「でも、私たちを入れてるから大丈夫なんじゃないの?」

「だったらいいかもな」


 キツネがにっこりと笑顔になります。

 しかし、それを止めたのはタヌキでした。


「何を言ってるの。ただでさえ、家に入れてもらってるのにみんなを呼ぶなんて……ミクちゃんに迷惑でしょ」

「たしかにそうかも……」


 タヌキの言うことも正しいような気がしました。

 どっちが正しいかわからないミクちゃんでしたが、いつの間にかキツネは家の外に出ていました。


「あらら、みんなを呼びに行っちゃったみたいだ」


 キツネに出し抜かれたタヌキは、くやしそうにしていた。

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