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プロローグ
「・・・で、・・・から。~ですね」
薄暗い部屋の中から1つの声が聞こえる。部屋の中は薄暗く空気は淀みきっている。
その中で明るく光るパソコンのディスプレイとそれに向かい何かを話す少年。
部屋には誰もいる気配はない、少年が電話を手にしている訳でもない。
恐らく今流行りの生放送の類であろう、少年は一人で質疑応答をしている。
その少年-ユウトは薄暗い部屋の淀みきった黒よりも更に黒く見えた。
気のせいだろうか、しかし目を凝らしてみると確かに黒い、その黒さは彼の雰囲気から出るものなのであろうか、とても不気味に見える。
しかし目を凝らしてみるとただ単に部屋着が全身黒のスパッツなだけだった。どうでもいい話ですか。そっすか、さーせん
「ご視聴ありがとうございました~次回もよろしくお願いします」
そういうとユウトは配信を閉じた。
これはこの少年ユウトの日常を描いた物語である。