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「嫌なら嫌と言いなさい」~公爵令嬢に転生した三十路素人童貞、紳士の心得で接していたら優越的地位の濫用で訴えられる~(旧タイトル「TS異世界転生令嬢百合ハーレムざまぁ(えちちなんて飾りです!)」)  作者: 無屁吉
【本編】TS異世界転生令嬢百合ハーレムざまぁ(えちちなんて飾りです!)

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第1話「嫌なら嫌と言いなさい」

 衣擦れの音、粘着質な水音――そして、か細い嬌声が寝台に吸い込まれていく。


「ヴィ、ヴィオラ様……これ以上、お、お戯れは、あっ」

「どうして? こんなに悦んでるじゃない」


 白いシーツの中、二人の女が睦み合う。

 いや、正確には裾の乱れた薄い青のドレスを着た少女――シーナを、邸内用のドレス(ハウスドレス)を着た金糸の髪を持つ乙女、ヴィオラが組み敷いていた。

 ヴィオラのドレスは一見するとシーナのそれよりも随分と簡素なものに見えた。しかし、その生地を触り比べれば、シーナのドレスよりもはるかに上等なものであることが知れるだろう。

 ヴィオラは、シーナの首筋にかかる栗色の髪をかき分け、そこに己の吐息を吹きかける。同時に彼女のスカートの裾の中に左手を差し込んだ。

 指先に感じる熱と湿度。それらはシーナの表面をなぞるたびに増していった。

 ヴィオラは、シーナの弱いところを知り尽くしている。何処に触れれば身体を震わせ、何処に唇を落とせば声を上げるのか。


「お許し、お許しくださいま……ああっ!」

「嫌なら嫌と言いなさい。無理にとは言わないわ。いつも、そう伝えているでしょう?」


 シーナが小刻みに震える。ヴィオラはその声を聞き、背骨から脳髄に快楽の怖気が走るのを感じた。頬が歪む。シーナの耳元にその桜色の唇を寄せ、到達への許しを囁いた。

 シーナは目尻に雫を浮かべ、純白のシーツを握り、下唇と一緒に声を噛み殺した。同時に、シーナの腰が浅く浮き、柔らかな布団に沈む。

 後に残るはシーナの荒い息遣い。ヴィオラはそれを見て満足気に微笑み、シーナのスカートから引き抜いた手を鼻先に近づけた。

 芳しい雌の匂い。指先にまとわりついた雫を紅い舌で舐め取ると、ふと、こんな事を考えた。


 ――やっぱ女の子サイコー! 転生してよかったー、俺!


 ■

 ■

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 TS異世界転生令嬢百合ハーレムざまぁ(えちちなんて飾りです!)


 ■

 ■

 ■


 ヴィオラ・エーデルシュタインは公爵家に生を受けた。

 ヴィオラが十歳の時に弟が産まれるまでは他に子もおらず、両親の愛情を一身に受けて育った。

 そんなある日のことだった。唐突に、前世の記憶が蘇ったのは。

 日本人男性としての短い一生が、奔流のように脳細胞を侵略する。

 その瞬間に十歳のヴィオラ・エーデルシュタインの精神は死に、その記憶も併せ持つ精神年齢三十歳素人童貞のヴィオラ・エーデルシュタインが新生した。

 困惑はした。絶望もした。男だった自分が女になってしまうだなんて。夜な夜な枕を濡らす日々だった。

 そして、ある時気づく。


 ――あれ? 女ってことは女の子にくっついても無罪では?


 思いついたら即実行が前世からのモットーだったヴィオラは、試しに部屋を掃除している侍女の腰に抱きついてみた。

 侍女は突然のことに驚いた顔をしたがすぐに微笑みを浮かべると「どうされたのですか?」と尋ねてきた。

 ヴィオラは侍女からする淡い石鹸の匂いとその体の柔らかさを感じながら、


「ううん、なんでもない」


 と誤魔化して離れた。侍女はヴィオラの行為に首を傾げながらも、甘えたいときもあるのかなど考えたのだろうそれ以上追求することなく、掃除に戻っていった。


 ――いける。


 確信したヴィオラの日課に、仕事中の侍女に抱きつくという奇行が加わった。

 それは日に日に過激になり、接触する時間、面積を増していったが、ヴィオラに否と言う者は誰もいなかった。もしかしたら、弟に両親の愛が向かったことへの寂しさであると解されていたのかもしれないとヴィオラは思う。

 大変都合が良かった。

 ならばと、入浴を一緒にねだったり、添い寝を頼んだりもしてみた。全て受け入れられた。

 ある時はそっとその侍女の乳房に手を当ててみたが、それでも怒られない。それどころか慈愛の笑みを浮かべて頭を撫でてくれた。

 ヴィオラの中の享年三十歳素人童貞はスタンディングオベーションをした。大喝采だった。

 唯一悲しかったのは三十年連れ添った「相棒」がそこにいないことだった。


 ――せっかく女の子にくっつけても、こんなんじゃ俺、気持ちよくなれないよ……。


 悶々とした気持ちを抱えつつ、それでも侍女たちとの接触はエネルギーの補給源でもあった。


 ■

 ■

 ■


 そうして愛し愛されをしながらはや数年。ヴィオラが社交デビューを済ませた年だった。

 いつものようにヴィオラ付きの侍女に添い寝を頼むと、その侍女――リネットは言いにくそうに口元をもごもごと歪めたあと、意を決したように眉尻を上げて言った。


「お嬢様、添い寝はもう致しかねます」


 ――世界の終わりを告げるような声がした。


「……え?」


 脳が理解を拒む。リネットは一体、何を、言っているのだ。


「侍女長から厳しく申し付けられました。お嬢様も社交デビューをなされた、いわば成人した一人前のレディ。幼子のような振る舞いは公爵家の品位に関わると。……僭越ながら、私も同意見でございます」


 ――品位。そんなもの、外面でさえ保っていればいいじゃないか。私は完璧にできているはずだ。


 そう反論したかったが、公爵家を持ち出されると辛い。禄を食んでいる身との自覚はあった。精神年齢三十歳(プラス数歳)の素人童貞ではあるが、同時に公爵家令嬢ヴィオラでもあるのだ。

 諦めねばならない。そう心に決め、ヴィオラは上目遣いで口を開き、


「さ、最後に今夜だけ! 一緒に寝てくださいまし……」


 飛び出た言葉は欲望に忠実で、品位が迷子になっていた。

面白いと思っていただけたら、★ポチとか感想ください。寂しいんです(´・ω・`)


欲しがりですみません。

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