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8/12

008

翌日、日本は恐怖で目を覚ました。


京都が壊滅していた。


建物は崩れ落ち、

炎が朝空へと立ち昇る。

百人以上の死者。


ニュースは一つの名前を叫んだ。


「MASK BAND」


新たなテロ集団。

彼らは“非人間”を憎んでいた。


エルフ。ドラゴン族。獣人。

人間ではない者すべて。


彼らの目的はただ一つ。


「日本から非人間を消し去り、人間だけの新政府を作る」


そして今日――

その力が京都で現れた。


司家の精鋭が到着


空から司家の戦士たちが舞い降りた。


鎧は光り、

魔力が溢れる。


“日本最強の一族”と呼ばれる者たち。


だが――


今日の彼らは子供のようだった。


MASK BANDのメンバーは待ち構えていた。

静かに。落ち着き払って。

一歩も動かずに。


瓦礫の陰からその映像を見ていたクロの目が見開かれる。


「…こいつら、普通じゃない」


重力の仮面の男


一人の男が前へ出た。


黒い仮面。

右目に奇妙な紋章。

周囲の空気が歪む。


クロの心臓が凍る。


(…重力?)


司家のAランク戦士が二人、同時に突撃した。


雷の魔導士。

氷の騎士。


「地獄へ帰れ!!」


雷撃。

氷刃。


二つの攻撃が迫る――


だが男は片手を上げただけだった。


「重力圧縮」


ドォォン!!!


大地が陥没。

二人の戦士は、空そのものに押し潰されたように地面へ叩きつけられた。


クロの顎が震える。


「一撃…?一撃で…!?」


男は止まらない。


怪物のような歩き方で前へ進む。


十人の自衛隊員が囲んだ。


「撃て!!」


銃弾。

風魔法。

火の矢。


すべてが男へ飛ぶ――


だが空中で曲がった。


ねじれ、歪み、

無力に地面へ落ちる。


男は首をかしげる。


「くだらん」


地面へ指を向ける。


「重力崩壊」


バゴォォォン!!!


破壊的な重力衝撃波が広がった。


十人の兵士は人形のように吹き飛ばされる。


壁へ。

車へ。

地面へ。


誰一人、立ち上がらない。


クロの脚が震えた。


息を飲む。


「一人だけで…この強さ…?」

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