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006

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ダイゴは腕を伸ばし、首をコキッと鳴らした。


カマスの親友。

普段はただのゲーム廃人に見えるが――

クロには、近づくと危険だと本能が告げていた。


カマスはクロに冷たい笑みを向ける。


「今夜は簡単な任務だ。

ついでに、お前のテストも兼ねてる。」


クロは固まった。


「……は? もう!?」


しかしカマスはそれ以上説明しない。

ただ、あの不気味な笑みだけ。


それが逆に、胃の奥をキリキリさせる。


午後11時30分


任務の場所に着いた瞬間、クロは息を呑んだ。


そこは“家”ではなく――

“豪邸”。

金持ち中の金持ちだけが持つ、超巨大なヴィラだった。


「カ、カマスさん……?

ここ、どう見てもヤバい場所じゃ――」


カマスは何も言わず、クロの襟首を掴んだ。


「健闘を祈る。」


「え、まっ――やめ、落ちる落ち――」


クロの悲鳴が夜空に消える。


カマスはそのまま空へ飛び上がり、

クロを庭の真ん中へ真っ逆さまに落とした。


ドサァッ!!


「ぐあああっっ……!」


立ち上がる前に叫び声が上がる。


「侵入者だ!!」


数十人のボディガードが一斉にクロへ向く。

普通の護衛ではない。

魔力の気配が鋭く、殺気が重い。


巨大な犬――いや、魔獣がクロに飛びつき、腕を噛む。


「ちょっ、え!? やめっ……!!」


瞬時に包囲される。


魔法陣が周囲に浮かびあがる。

炎、水、雷、土――

ありとあらゆる属性魔法がクロに向けられた。


クロの心臓が悲鳴を上げる。


このヴィラ、許可なく入れば“処刑”。

ここにいたら、本当に殺される……!


クロは逃げ出す。


だが、男が手をかざす。


バンッ!

強烈な結界が張られ、道が塞がれた。


屋根の上にエルフの弓使いが現れる。

鋭い矢が放たれた。


ヒュッ――!

クロの頭すれすれを通過する。


クロの背筋が凍る。


だがその瞬間――


逃げるために来たんじゃない。


二本目の矢が飛ぶ。


クロはそれを真正面から見据え――

手を伸ばす。


パシッ。


矢を“掴んだ”。


エルフの目が驚愕で見開かれる。


クロは矢を投げ返し、護衛たちを強引に散らす。


そして本能のまま、前へ飛び込む。


炎魔法で飛び、蹴り、殴り、かわし、

まさに死に物狂いの戦いだった。


15分間――

クロは全力で戦い続けた。


しかし――


ドサッ。


限界が来て、地面に倒れた。


護衛たちが取り囲む。


「拘束しろ。処罰を――」


その瞬間。


「ゲーム、一時停止。」


門の方からダイゴの声が響いた。


彼は空を指さす。


ゲーム好きの男が持つ、異能のスキルが起動する。


空の上――

無数の巨大な岩が出現し――


落ち始めた。

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