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佐賀一族には、他の誰も持たない秘密があった。

――「瞳」 である。


この瞳は、一族に生まれた者だけが覚醒でき、

さらに“意志”が一定以上になった者だけが開ける特別な力だった。


● 第一段階 ― 覚醒


瞳を初めて開いた者は、能力が一気に跳ね上がる。


魔法習得が圧倒的に早くなる


魔力の流れが強化され、魔法威力が上がる


毒への耐性


イメージしたものを“本物のように”見せる幻術


だが消費魔力はとても大きい


まさに戦場では恐怖の存在だった。


● 第二段階 ― 真眼


しかし……

第二段階に到達できる者は極めて少ない。


第二段階の瞳は、“個別の固有能力” を授ける。

同じ能力を持つ者は一人もいない。


現在、佐賀一族で第二段階に到達しているのは二名。


族長であり父の サハゴ


一族最強の戦士である叔父 カマス


彼らは、軍一つを相手にできるほどの怪物だった。


佐賀一族は、奈良時代から続く日本三大一族の一つ。

多くの名門が生まれては滅びた中、

生き残ったのは“三つ”だけだった。


しかし――

クロは前世で大きな過ちを犯した。


「佐賀一族は絶対に滅びない」

そう思い込み、

自分の一族の魔法だけを学び……

そして敗れ、死んだ。


二度と同じ道は歩まない。


● 族長との対面


黒は父サハゴの部屋に入った。


「新しい師匠が欲しい、だと?」

サハゴは静かに言った。

「我らの一族の魔法は無数にある。それでは不満か?」


黒は真剣に頭を下げた。


「……もっと速く、強くなりたいんだ。」


いつも怠け者だった息子の変化に、サハゴは目を細めた。


「……いいだろう。魔法と武術、二人の師を用意しよう。」


佐賀一族は富と力を持つ。

師匠を雇うのは簡単だった。


だが黒の目的は“贅沢”ではない。

“生存”だった。


なぜなら――


未来で佐賀一族を滅ぼすのは、同じ三大一族の 名護ナゴ一族。

その天才 ハルト。

瞬間移動テレポートという怪物能力を持ち、

日本中から尊敬される存在。


前世で黒の一族を殺した男。


黒はその未来を変えるため、

“日本最強の切りエース” になると決めた。


● 二週間の修行


朝は師匠と鍛錬。

夜は魔法書を読み込み、倒れるまで勉強。


魔力は急成長し、

身体能力も変わっていく。


瞳の奥が熱くなり――

覚醒の予兆が近づいていた。


● 最強の男、帰還


その日、屋敷全体が震えた。


圧力。

重力が十倍になったような重さ。


黒の武術師匠が、膝から崩れ落ちた。


「か、カマス様……!」


黒の前に現れたのは――黒髪、黒い瞳の男。


無言のまま、圧倒的な存在感を放つ。


「……ジェームズ。何をしている?」


武術師匠は震えた。


「く、黒様に武術を……教えております……!」


黒は息を呑む。


――この男こそ、

第二段階の瞳を持つ怪物。

佐賀最強の戦士、カマス。


そして、彼の帰還が

黒の運命を大きく動かしていく――。

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