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幻想の万屋  作者: ソルティー
一章:万屋との邂逅
6/8

依頼3件目:餌付けと 名乗りと 依頼

 


 こんばんわ。名無し…………改め、麻婆豆腐の名前を言ったらマーボーと名付けられた記憶喪失です。

 前回は…………情報過多なのでまとめれないよねうん。狐耳の少女に助けられて色々話を聞いた。

 終わり!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 この狐耳の少女に厨房?調理室?につれてこられて気付いたことがある。

 ここにきてこの建物?の広さが列車の車両のようだと思ったけど、もしかしたら本当に列車なのかもしれない。

 同じ広さの部屋が直線上に連なっていて、なにより。連結部のようなのが部屋と部屋の間にある。

 部屋の間も囲われてて外は見えないけど、多分そうだろう………と思う。


 で、その案内した当の本人はというと…………


「ふんふん!」


 嫌いな尻尾をブンブンと振って、ずっと待機してる。やはり食いしん坊キャラらしい。


「……さて。材料は揃ってるみたいだし何故かパッと思いついた麻婆豆腐でいいか………」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「はい。一般的な麻婆豆腐」

「いただきます!ハフハフ!………モグモグ」


 出してすぐさま飛びつき、麻婆豆腐→米→麻婆豆腐と一気にかっこむ。

 一応2、3人前は作ったつまりだったがものの数分でなくなった。自分用は分けといて正解だった………。


「お味はどうだった?本格的なやつではないけど」

「ん。美味しかった…………私も(クスリ)も…………ご飯作れないから、久しぶりの手料、理」


 ()っていうのはおそらくさっきの放送の声の主だろう。他にいなそうだし。


「ところで………今更なんだけど君の名前は?なんであそこにいて、僕を助けてくれたの?」

「ん…………私は白夜(はくや)。なんでも屋を…………してる。依頼であの幻影化人(ファントム)を取り押さえに行って…………マーボーがいたから、薬の指示で………助けた」


 あの熊男目的だったけどこっちを優先してくれたわけか…………白夜と薬様々ってことか…………


「というかマーボー決定?」

「ん。マーボー」


 ビシッ!と指を指された。

 拒否権はなさそうだ。


「あ、そうだ。あの熊男は放っておいていいのか?かなり凶暴な気がしたけど」

「ん。あの公園は今封鎖されてるから…………他の人は入れない。はず」


 封鎖…………封鎖?


「封鎖って………されてたか?」

「ん…………されてるはず、だけど」


 封鎖と言えるようなことはされてなかったと思うけどな。普通に僕が入れてるわけだし。


「………もしかしてやばかったりする?」

「ん。激ヤバな予感」


 あんま焦ってるようには見えないが。

 あの熊男が壊したか、第三者が意図的に?

 そんな本格的事件な話なのかこれ。


「とりあえず行こう。公園から出てたらまずい」

「ん………マーボもいくの?」

「え?。まぁ………なんとなく?」

「ん。わかった…………そしたら、手握って」


 少女の小さな手を差し出される。

 記憶喪失前はやっぱり女の子とそういう関係になったことないのだろうか、妙に緊張する。

 

「………ん。はやく」

「ご、ごめん」


 軽く触れる程度にしようとしたが、ガッチリ握られた。………なんか強くない?


「これ握力おかしku」

「ん、飛ぶよ」


 その一言と共に景色が一変する。

 さっきまで(推測)列車の中にいたのに、今は公園にいる。そう、襲われた公園に。


「は?へ?やっぱり一瞬で移動してる??」

「ん………依頼は幻影化人になった………依頼主の夫を、沈静化して………元に戻すこと」

「ねぇ今のって」


「ォォオオアオオオ!!!」


 雄叫びが辺りに響き渡る。

 熊男が現れた。それも、なんでだかさらに巨体になって。大体4mあるかないか、どうなってんだ。


「なんでデッカくなってんのあれ!」

「ん。今から…………依頼を………遂行、する」

「めっちゃ話聞かんやん」


 話をなかなか聞いてくれない白夜は左手に鳥居の模様が描かれた黒い手袋を身につけ、自身の胸の前に左手をだす。そして、何か握ってるかのような空間を作った右手拳をその左の手のひらにパンッ!!と打ち付ける。


「な、何してるん?」

「恨みはないけど………ん。叩っ斬る」


 白夜がゆっくりと右手を左手のひらから離そうとすると鳥居が光り、味方には刀の柄が握られていた。


「か、刀の柄!?………だよな。それ………」


 柄の握られた右手を左手から離していくと、徐々に柄全体、鍔、鞘の順に姿を表す。

 鳥居模様の光が完全に止まると、()()が姿を表す。


「き、機械で出来た…………刀か?」


 刀身こそまだ見てないが、鞘を含め見えてるパーツは刀というにはあまりにも近未来すぎるデザインをしていた。

 刀であってるよな?


「ん。鋼丸」

『近接刀剣特化型形態用機械刀(サイバーブレード)

 【炸狐の太刀(さっこのたち)ですぅ〜!!ゲホォ!ゴホッ!!』

「うぉお!?ビビった………」


 急に薬の声が聞こえたと思ったら、耳にイヤホンマイク、ポケットに変な端末?があった。

 いつの間に…………


「ん………長いし、ダサい………それに、太刀って言うには短い………騎馬戦じゃなくて……… 徒戦前提の長さなんだから、打刀のがただし──」

「ブォオォオオオ!!!」


 ドゴォッ!と重い音と共に白夜が熊男に殴り飛ばされる。

 そうですよね!待ってくれるわけないよね!ずっと喋ってんだもん!


「は、白夜ぁあああああ!!!」



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