第三話
なんだ。この頭に響いてくる声は。
略奪者って、俺の職業だよな。
「所持者ノ感情ガ一定値ヲ超えたため、スキル略奪者ヲ獲得シマシタ」
どういうことだ?俺のスキル表示が無かったのは、解放されて無かったからなのか?
だとすれば、スキルを獲得した今ならもう一度アイツにパーティーに...
いや
「あんな奴のパーティーに入るのはごめんだ。それに今アイツのパーティーに入るのはアイツからしても良い話では無いだろう。一応、結衣の安全は保証されてるし」
俺が結衣を守れるくらいまで強くなるのが1番安全だ。
だが、略奪者ってのはどんなスキルなんだ?
そこの説明が一切されてない。だが名前からして何かを奪うのか?
まさか他人の金品や命なんかを奪うスキルなのか?
考えていても分からん。とりあえず城下町に行ってみるか。
「うぉぉ、スッゲェ」
目の前には中世ヨーロッパ風の家と露店のような店が並んでいる。
正直、日本で異世界モノの漫画とゲームをしまくっていた俺には興奮するなと言われる方が難しい。
だが、とりあえず数日を過ごせる場所の確保と金の調達が最優先だ。
「いらっしゃい。そこのお兄さんホーンラビットの串焼きはどうだい」
話しかけられた。
「ホーンラビット?名前からしてうさぎか?いくらなの?」
「銅貨2枚だ」
「銅貨?俺、これしか持ってないんだけど..」
「それは銀貨だな。それだとお釣りがかなり出ちゃうな。銀貨1枚だけもらおう。そうすれば銅貨8枚がお釣りになるぞ」
つまり、話を聞くに銅貨1枚が100円。銀貨1枚が1000円ってとこか。
つまりあの王は、俺に2000円しか渡してこなかったってことか。ケチなやつだ。
「一本貰おうかな」
「毎度あり」
この世界で初の食事が串焼きとは。どんな味なんだろう。
あむっ。
「意外といけるなこの肉。丁度いい加減で塩で味付けされていて肉も硬すぎず丁度いい硬さだ。この世界の食事事情が悪いもじゃなくて良かったぁ」
その後街をぶらぶら歩いていると「その服売ってくれ!」
変なおじさんに声を掛けられた。
そういえば、制服のまんま転移させられたから。この世界では珍しい服だもんな。
「いくらでも出そう。マジで。本当に欲しい。その服」
大袈裟だなぁと思ったけど、俺からしたら良い話だ。1800円しか持っていない俺が金を得るにはもってこいだ。
すると変なおじさんは、「俺の名前はラクス。この町で服屋をやっているもんだ。そうだなぁ、金貨50枚でどうだ?」
おっと、また新しい単位が出てきたな。
「金貨っていくらぐらいなんだ?」
「お前、金の単位が分からないのか?じゃあ教えてやるが金貨1枚は銀貨10枚分だ」
つまり、金貨1枚は1万円。つまり、この服を50万円で売れるってことか。いや、もうちょい吹っかけられそうだな。
ワンチャンに賭けて、100万円でいけるか?
「金貨100枚はどうだ?」
「100枚ですか。...いいですよ。交渉成立ですね」
そして俺はラクス連れられてそいつの店に連れてこられた。
「その服を売ってもらうと、あなた様の着る物が無いと思うので私の店の服をあげよう」
このラクスとか言うおじさん、なかなかに良い人だな。
「じゃあこれが金貨100枚だ。また何かあったらこの店に来るといい。うちはオーダーメイドもやっているからね」
なんだかんだあって、俺は100万円を手に入れた。