第二話
ドンッ
俺の体は騎士達に取り押さえられた。
「何をする?」
「邪魔な奴には退場してもらうのが賢明だ」
「お前のような何のスキルも持たない雑魚はさっさと牢獄で死んでくれ」
一体俺が何をしたんだ。
「そこの女。名前は?」カイサルが結衣に聞いた。
「新野結衣」
「ユイか。そうか。お前は俺の女になれ」
結衣が今にも泣きそうな顔になっている。
「そんな事。許すわけ」
ドン
俺を取り押さえていた騎士の1人が俺のことを踏んだ
「お前にカイサル様の前で喋る権利はない」
その時カイサルは不穏な笑みを浮かべ、口を開けた
「ユイよ。そこの男が殺されるのとお前が俺の女になる。どっちがいい?」
なっ。
「だめだ結衣!アイツの口車にのっちゃ」
「お前は黙ってろ。カイサル様はそこの女に聞いているのだ」
「さぁどうする?早めに決めないとそこの男の心臓に剣が突き立てられるぞ」
そして結衣は拳を強く握って数秒の沈黙が流れた。そして結衣は言葉を発した。「分かりました。私があなたのモノになります。だから健斗は傷つけないで!」
結衣は手を震えさせながらそう言った。
そしてカイサルは満足そうに「そうか。良い選択だと思うぞ。お前はなかなか頭の良い女だ」
「でも!」
そこで結衣は大きな声を出した
「もし私に変な事をしたらその場で死にます。そうしたらあなた達は聖女の職業を持つ私を失うことになる。それはあなた達の本望ではないんでしょ!」
そしてカイサルは少し考えた後、「確かにそれはそうだ。今、聖女を失うのは国の滅亡にも繋がりかねない。わかった、お前に営みを迫ることはしないと約束しよう」
俺はほんの少しだけ安心した。
そしてカイサルは俺の方を向き「そこの男を今すぐ城から追い出せ」
俺は結衣の方を向いた。そして結衣は「私なら大丈夫」と震えながらそう言った。
俺は騎士から無理矢理立たされた時、結衣に言った。
「必ずお前を迎えに行く!そして一緒に日本に帰ろう。それまでは絶対に死ぬな!」今まで出したことがないような大きな声で言った。
そして結衣は微笑みながら「待ってる。ずっと待ってるから。必ず迎えにきてね」
俺は強く頷き、そして結その大広間から連れ出された。
ドサッ
俺は城門の前に投げられた。そして、小さな袋を渡された。
「これはせめてもの金だ。あとはどっかで勝手に死ね」
そう騎士は言って立ち去った。
俺はその瞬間、俺は出したことがないくらいの雄叫びを上げながら泣いた。
「 ( 俺が何をしたんだ。勝手にこの世界に連れてきて。俺の大事な人まで奪って) 」
どのくらい泣いたのだろう。怒りや悲しみなどが入り混じった表現し難い感情。
そんな感情を抱いた時、頭の中に声が響いてきた。
「スキル略奪者ノ発動条件ヲ満タシマシタ」