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前世で死に、あの女神の能力で異世界に転生。
能力は読心術に、触れた生物の細胞を腐らせることが出来るという能力。能力の名前は"腐海への死線"と女神は言っていたな。能力の名前なんざ特に興味は無いが。
効果としては植物、動物……人間もそうだな。触れた直後ではなく、自分の意思で能力の発動までのラグを作ることも出来る。そういった異能力を授けさせた。
転生先は貴族だった。
名前は遊馬侯隆から、この世界に合わせた【ジン・ロートヴェスハルト】に変わった。
それも上級貴族の末裔の長男としての転生だったが………あの女神からの嫌がらせなのか、俺が行った言動への仕返しなのかは知らないが、4つの姉と年子の妹が居る家系に放り込みやがった。
あの女神は、次に出会うことになったら容赦なく殺すつもりだ。ナメた真似をしやがって。
産まれてすぐは赤ん坊の身体で何にも出来ずに居たが、5歳くらいになってから言葉をしっかりと話せるようになり、上記の能力も特に訓練をせずとも用意に使えた。
そこから更に5年後の10歳の頃、母親の毒親っぷりが見逃せないレベルになっていたので、能力を使って殺害した。
テンプレのような教育で支配するタイプのババアだったので、母親が一人で買い物に向かったと同時に能力を発動させ、その出先で目撃者が「母親が目の前で異臭を放ちながら白骨化した」と情報が入ってきた。
勿論、原因不明の変死という事で片付けられた。転生した先の世界では、異能力や魔術といった特殊能力が当たり前のように使用されるが、人体を腐らせる能力の使用者自体が存在していないことになっていたため、未だに未解明の事件として扱われている。
この件よりも前に、何故か俺の能力のことを知っていた姉と妹だったが………
「他言した瞬間に、お前ら2人を両方を殺す。俺の能力について少しでも他者から触れられることがあった場合、2人が情報を漏洩させたとして即座に殺す」
と、釘を刺した。
母親の死に様と、身内だろうと一切同情しないのを見せつけられているので、それ以来大人しくなっている。
やたらと優しく振る舞うようになっているが、読心術で心を読んだら「殺されるから優しくするだけ」、「あんなんでも母親なのに、殺すなんて有り得ない」、「自分達の命のために頑張ろう」という本音を隠して持っていた。
女特有の気色の悪い表面上の付き合いだ。
男にも表面上の付き合いというのはあるが、女の場合は打算的過ぎるのと、あまりにも質が悪すぎる。
これを知った俺は更に2人も殺害した。
女神の奴も馬鹿だよな。こんな嫌がらせをしたって無意味だろ。何のために他人を自在に殺せる能力を付与するように頼んだと思っているんだか。
家族だったら殺さないとでも思ったのか?あの女神、俺のことを改心させようとしているらしいが、逆効果でしかない。
あんなクソみたいな蠢いているだけの馬鹿共に優しくしろという方が無理な話だ。
父親も特に家族に愛情が無いが、残された俺のために金を渡してくれたり、何かと俺の意思を尊重してくれるところはある。
こんな俺に対して、自由に人生を歩ませてくれているのは凄い感謝している。感謝してもし足りないくらいだ。
前世の父親と比べたら、何百倍も良い父親だ。