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第十四話



 「おい、誰だあの可愛らしい子は?」

 「馬鹿お前知らねぇのかよ。あの子はエースのとこの昨日まで包帯巻いてた子だよ!」

 「マジかよ嘘だろ! あんなに可愛らしい子だったのかよ! ……クソ、俺が先に出会っていれば――」

 「……守ってあげたい」


 ギルドの広場でカノンさんと指差呼称を行っていたのだが、いつもなら笑い声が響く頃なのに、今日は別の意味で騒がしい。

 周囲の野郎共のカノンさんを見る目がいつもと全然違う。

 これからは今までとは全く違う理由で絡まれたりしそうだ。


 「おはよーダダン! アンタはいつも鉱山を騒がしてるわねー!」

 「おはようございますララーさん」


 別に僕が騒がせているわけではない。

 周囲が勝手に騒いでいるだけです。

 昨日の出来事は鉱山で働く誰もが知っているニュースとして、ギルドは朝から大混乱だ。

 ララーさんは一連の出来事に加えて、エリクサーの事も知っているようだ。

 ただし周囲の皆と同じように、発見したエリクサーをカノンさんに使用したのだと思っている。

 まぁ、間違いではないので訂正する理由もない。


 「お、話題のカノンちゃんもおはよー」

 「おはようございます」

 「すっかり可愛らしくなっちゃってまぁ。何だろう、普段むさくるしい男ばかりに囲まれているからかしら、カノンちゃんを見てるとすっごく和むわねぇ」

 「もう、揶揄わないでください」

 「ダダンも着けてるヘルメット、だったかしら? ダダンも可愛くて似合ってるけど、カノンちゃんはまた違った可愛らしさが出てるわ」

 「止めてください……」

 「庇護欲が止まらないというか……アタシの娘にしたいというか……」


 はい。その気持ちは僕にもわかります。

 娘のような可愛らしい少女が、ヘルメット姿で一生懸命指差呼称を行っているのは、……何というか応援したくなる。

 このムズムズする気持ちの事をララーさんも言いたいのだろう。


 「そうだ、こうしちゃいられないわ! アタシね、昨日すっごい大きなエメラルドの原石を見つけたのよ!」

 「そうなんですか? おめでとうございます」

 「ありがと。今その採掘の真っ最中で、赤い札を掛けたまま昨日から作業を持ち越ししているのよ」


 一日で採掘が終わらない程大きな原石だったのか。

 僕やカノンさんだと傷を付けずにゴロンと採掘できるが、ララーさんの場合は慎重に作業する必要があるはずだ。

 誰かに邪魔をされる前に掘り出してしまいたいのだろう。

 急いで鉱山へと向かって駆け出したのだが、その途中でララーさんが振り返った。


 「もう少しで掘り終わるから、今日はアタシのお祝いをしてよねー!」

 「……何だかんだ理由を付けて、毎日飲んでいませんか?」


 ちょっと浮かれ過ぎな気もするが、今日は早めに作業を終えようかな。

 ララーさんは『奢りねー!』と叫びながら嬉しそうに駆けて行った。


 僕達も行こうかとカノンさんと転移魔石の準備をしていると――


 「ダダン君待ってー!」


 ギルド奥からネネットさんが駆けてきた!


 「はぁはぁ、ギリギリ間に合ったわ! 先程サザーランド公爵家の使いの方がこられて、その関係でギルド長が部屋まできてほしいそうよ」


 ダリムさんが? アルフィネア様にお願いしていた事で何か進展でもあったのだろうか。

 ネネットさんに案内されて、ギルド長室へと向かった。




 「朝から呼び出して済まない。掛けてくれるかい?」


 ……ダリムさん、昨日から寝ていないようだ。

 目の下の隈が酷いし、凄く具合が悪そう。

 

 「寝ていませんね?」

 「ハハ、わかるかい? なかなか休める状況じゃなくてね……」


 書類整理の量も多そうだ。


 「先程アルフィネア公爵様の使いの方がこられてね、ダダン君にも話しておきたい事と、それと聞いておきたい事があるんだよ」


 幾つかの書類を手に取り、ダリムさんもソファーに腰掛けた。

 ネネットさんに淹れてもらったお茶を口にしながら、色々と話してくれた。

 まずアルフィネア様のお孫さんは、エリクサーのおかげで無事に回復したそうだ。

 病気は完全回復したのだが、落ちた体力まで回復しているかどうかはわからないので、暫く安静にさせるという事らしい。

 当の本人は大丈夫だと言っているそうだが、様子を見た方が良いのは確かだ。

 アルフィネア様が改めてお礼を言っていたそうで、近々会いにくるらしい。

 因みにだが会いにくると軽々しく言っているが、他の場所からこのギルドの魔法陣まで転移できる魔石は、大金貨が吹き飛ぶ値段なのだそうだ。

 国の要人の移動手段が往復で数千万円規模と考えると、アレ、そんなに高くはないのかも? と思えてしまう不思議。


 そしてそのアルフィネア様からの命令で、デッパラ副所長が拘束されギルド奥の牢屋に監禁されているらしい。

 現在昨日の商人達も拘束している最中で、麓の町は封鎖されている状態だそうだ。

 デッパラ副所長は昨日の時点で警備兵の方に連れられて、牢に入れられているのは知っていた。

 そして初期の段階で拘束した商人が、色々と暴露してくれたそうで、名前が上がった前エースのバーラルさんも、急遽拘束することになったそうだ。

 バーラルさんは麓の町の酒場で飲み潰れていたところを、あっさりと拘束されたらしい。


 これだけ大事になれば、ダリムさんも寝る暇がないのは仕方がないかな。


 「しかしこの事件が全て解決すれば、暫くはゆっくりできそうだよ」


 問題児達を一掃できるからなのか、ダリムさんは気力を振り絞って頑張っているようだ。


 「ダダン君にどうしても聞いておかなければならない事がある」


 ダリムさんは一度話を仕切った。


 「私は今までダダン君の秘密はなるべく聞かないようにしてきた。勿論これからも必要な事以外は聞かないでおこうと思っている」

 「……エリクサーの件ですか」

 「そうだ。アルフィネア公爵様にエリクサーをお渡ししているので、私では隠しようがないんだよ。他の事は何も聞かないから、エリクサーをどうやって入手したのかだけ教えてくれないか?」

 

 ダリムさんは頭を下げている。

 僕を守ってくれようとしている気持ちも伝わってくる。

 カルステッド鉱山を運営するアルフィネア公爵様にエリクサーを渡したのだから仕方がないか。


 「良いですよ」

 「本当かい、助かるよ」

 「と言っても、そんなに複雑な事じゃないですよ? 僕達は昨日の事件の所為で、更に下層まで掘り進めることになったのですが、その途中で魔物が出てきました」

 「ダダン君が倒しているという岩石魔人だね」

 「違います。今回の魔物も岩石っぽいのですが、……ちょっと表現しにくいな」

 「ダダン様、エリクサーの小瓶で例えれば宜しいかと」


 なるほど、カノンさんの言う通りだ。


 「ありがとうカノンさん。ダリムさんもあの小瓶は覚えていますよね?」

 「もう一生忘れないと思うよ」

 「あの小瓶みたいに、虹色に輝いている魔人が出現しました。その魔人を討伐した時にドロップアイテムで入手しました」

 「そんな魔人の話は聞いた事がないよ……」


 ダリムさんが胃を押さえて猫背になっている。


 「恐らく情報がない魔物だから、エリクサーのドロップ情報もないのだと思います」

 「……高難易度のダンジョン最下層に出現するかもしれない魔物、という事か」


 ネネットさんもそんな事を言っていた。

 あの虹色魔人はダンジョンでの出現率が低いのかもしれない。

 もしくはあの自己再生する体を破壊して、コアを攻撃できる人が少ないのかもしれないな。

 

 「最後にこれだけ聞いていいかな。エリクサーはまだ入手できる可能性があるのかい?」


 ダリムさんに聞かれて答えに詰まってしまった。

 あると答えれば取ってこいと言われそうだし、ないと答えたら嘘になってしまう。

 あの虹色魔人は三体倒して、三本のエリクサーを入手している。

 つまりまた虹色魔人を討伐すれば入手できる可能性が高く、下層にはあの魔人の時と同じくらい強い反応を示している魔石が……ゴロゴロしている。


 「わかった。ありがとう」


 何も答えていないのだが、ダリムさんは納得してしまった。

 答えない、答えられないというので、全てを理解してくれたのだろう。


 「サザーランド公爵家の令嬢が病に苦しんでいるということ、そしてその病のせいで婚約を破棄されたという話は、王国中の貴族が知ることで、その令嬢が全快したという話はすぐに王国中に広がると思う。そうなってくるとエリクサーの出所であるカルステッド鉱山や、エリクサーの発見者のダダン君も、各貴族や王族、更には他国にすら目を付けられることになるのは火を見るよりも明らかだ」


 やっぱりそうなるかな。

 国王様に聞かれれば、公爵様も答えないわけにはいかないだろうし。

 ……お孫さんって女性だったのか。跡取りの男子なのかと勝手に思っていた。


 「はぁ……僕は採掘に専念したいのですけどね」

 「すまないね。私も含めて、アルフィネア公爵様に守ってもらうしかなさそうだよ」

 「僕に降りかかってくる面倒事は、ダリムさんにお任せします」

 「止めてくれ。胃に穴が開いてしまうよ……」


 ズズン……


 そんな話をしていると、部屋が少し揺れた。

 地震……かな? 日本に居れば震度を確認できるのだが――


 「ちょっと広場に出てくるよ!」


 ダリムさんは急いで部屋から飛び出した。

 ここは鉱山だ。部屋が揺れたということは――


 「ダダン様、私達も向かいましょう」

 「そうですね。準備だけはしっかりとしておこう」


 ダリムさんに続いて僕達も部屋を飛び出した。




 ギルドの受付では混乱が起こっていた。

 ネネットさんも対応に追われていて、マイナー達の名簿のような物を片手に、受付の方達とやり取りをしている。


 「崩落事故だー!」


 鉱山から出てきたマイナーが、怪我人を肩に担いだまま叫んでいる。

 

 「落ち着いて。中の状況は?」

 「相当マズイ。大崩落だ。全体的に崩れていてもおかしくはない。俺達はまだ入り口だったからすぐに引き返してきたけど、中の奴らは駄目かもしれない」

 「救助に行けそうか?」

 「無理だ。最初の広場でもうそこから進めねぇ……あの規模の瓦礫を掘り起こそうとすると、下手すりゃあそこだけで数週間は掛かるんじゃねぇか?」

 「何人くらい入っていったかわかるか?」

 「すまねぇ、そこまでは。最低でも四十は入っていると思うが、ギルド名簿で確認してくれ」

 「わかった、ありがとう。怪我人を医務室に運んでください」


 ダリムさんは周囲に指示を出しながら、鉱山の状況を把握しようと頑張っているが、そろそろ限界だろう。

 ギルド職員の方から鉱山内の地図を受け取った。


 「ダリムさん、ちょっと良いですか?」

 「ダダン君どうした? 今忙しいんだよ」

 「僕とカノンさんが今から中に入ります」

 「駄目だ! 二次災害が起こってしまうから、情報が揃うまで待機してくれ!」

 「僕とカノンさんは大丈夫です。すぐにでも行けます。何度もアタックして、すぐに戻ってきます。その時に指示を出せる人が居ないと困りますので、ダリムさんは今から仮眠してください。僕達が戻ってくるまで仕事禁止。いいですね?」

 「は? ちょっと、いいわけが――」

 「ネネットさん、ダリムさんを頼みます。行ってきます!」

 「ダダン君、カノンさん、気を付けてね!」


 二人で坑道を突き進んだ。

 先程の話では最初の広場が埋まっていると言っていたので、その広場の瓦礫を全撤去してやろうと思う。

 数十秒駆けた場所で崩落現場に出会い、ここが言ってた広場なのだとわかった。

 その瓦礫にツルハシを振り下ろすと……少ししか掘れない。

 これは駄目なやつだ。ここを掘ると更に崩落する可能性があるということだ。


 「カノン、ここは駄目だ。壁を掘って進んで、この先まで別の道をつなげるように掘り進めるぞ。どっちを掘ればいいんだ?」

 「この壁です。ここを掘れば別の坑道に当たるかもしれません。新しい出口までのルートを作ってしまいましょう」

 「よっしゃー! 気合入れて行くぞー!」

 「はい! お供致します!」


 ドカンドカンと掘り進めているが、僕の採掘で崩落する事はないらしいので、遠慮なく掘り進められる。


 ボコン


 「よし、別の坑道に出たぞ。送風のスクロールの設置を忘れるなよ!」

 「はい! この坑道を左です」


 地図を見るカノンさんの指示通り進むと、また崩落現場に遭遇した。

 その場所にツルハシを振り下ろすと、今度はサクサク掘れる。


 「よし、ここは掘れるみたいだ! 全部回収するぞ!」

 「はい。ここがつながれば大きな広場に出られると思います。その場所に閉じ込められているマイナー達が集まっている可能性があります」

 「よし急ごう」


 瓦礫をドンドン掘り進めたのだが、一向に広場に出られない。

 というよりも、広場そのものが崩落で埋まっている感じすらある。

 そしてその広場っぽい場所では、掘りやすい場所と掘りにくい場所が入り乱れていて、なかなか先へ進めなかった。

 

 「あーくそ、ちょっと時間が掛かり過ぎだ!」

 「もう少しです。焦らずに頑張りましょう」

 「……そうだな」

 

 カノンさんに言われて自分が焦っていた事に気付かされた。

 ギルドではララーさんの安否確認が取れていなかったからだ。

 僕達と別れて鉱山に駆けて行ったので、間違いなく巻き込まれてしまっているだろう。

 最悪のシナリオばかりが脳裏に浮かんでしまうのだが……ララーさん、すぐに行くから待っててくれよ!


 バコン!


 ツルハシから伝わってくる衝撃がいつもと違い、先の空間に辿り着いたのだとわかった。


 「おおい! 誰か居るか! 居たら返事をしろ! 誰か!」


 声を出し続けていると、奥の坑道から一人の男性が歩いてきた。


 「エースじゃねぇか! お前も閉じ込められたのか!」

 「違います! 外から助けにきたのです! 他に誰か居ないのですか?」

 「は? 外から? どうやって――」

 「今はそれどころではありません! 他に居ないのか教えてください!」

 「あ、ああ、そうだな。この先で二十三人が取り残されている。足をやられたのが二人居るが、命に係わるほどじゃない」

 「わかりました。カノンさん、そちらに行って救助者を担ぎましょう」

 「はい、お供致します」 


 男性が言う通り、暫く歩くと救助を待っていた人達が集まっていて、残りの物資の確認をしている最中だった。


 「救助にきました」


 男性の後ろから僕とカノンさんの姿が確認できた途端に、歓声が沸き起こった。

 抱き合って喜ぶ人達の中に、ララーさんの姿は見当たらなかった。


 「すげー! 一体どうやってきたんだよ!」

 「崩落場所を迂回して別の坑道につなげました」

 「……よくわからんが、俺達は助かるんだな、ありがとう!」


 僕とカノンさんで足を怪我した人を担ぎ、新しく繋げた坑道を引き返して行く。


 「……あの、皆さんは転移魔石はお持ちじゃないのですか?」

 「あれは……使っちまってよ」

 「家に置いてきてしまって――」

 「金に困って売っちまって――」


 駄目だ。どうやら鉱山で働く為の意識を変えさせるところから、説明する必要がありそうだ。

 これはダリムさんの仕事なので、後で報告しておこう。


 「いいですか? 転移魔石は少し高いですが、鉱山で働く為の命の魔石だと思ってください。今回も転移魔石を所持していれば閉じ込められる事もなかったでしょう?」 

 「……はい。仰る通りです」

 「今のままマイナーとして活動していると、今日みたいな事が起こった時、必ず命を落とすことになります。転移魔石は借金してでも入手してください。いいですね?」

 「わ、わかったよ……」

 「来月から禁酒して――」

 「今日からに決まってるでしょうが!」

 「は、はひー! スイマセン! 今日から禁酒します!」

 「「「ハハハ」」」


 少し笑いが起こったところで、鉱山の出口に到着した。


 「スミマセン、まだ中に閉じ込められている人が居ると思うのですが、先程の場所より奥はどうなっていましたか?」

 「俺達が閉じ込められていたのはこの辺りだ」

 

 男性が地図を広げて位置を確認している。


 「ココとココが崩落で塞がっていて通れないが、この西側は今日は誰も入っていないと思う。俺がここの分岐点で連れと喋っていたので、西側に行ったヤツは見ていない」

 「見落とし――は今は考えないでおきましょうか。ありがとうございます」

 「それと奥に続く坑道は二本あるが、二本とも駄目だ。どっちも崩落で塞がっていたよ」

 「そうですか……。もし奥で閉じ込められた人達が一か所に集まるとしたら、どの辺りになりますか?」

 「ああ、ここだ。小さな湧水が出ている場所が広場になっているから、生き残る為にも水場からは離れないだろう」


 そんな場所があったのか。

 ララーさんもそこに居てくれると嬉しいのだが――あまり期待はできない。

 何故ならララーさんはしっかりと転移魔石を所持していたからだ。

 嫌な想像はしたくないが……くそ。


 周囲の大歓声が耳障りに聞こえてしまうが、ここで腐っているわけにもいかない。


 「ダダン君、お疲れ様! こっちで少し休んで!」


 受付の前に臨時の対策本部が設営されていた。

 机と椅子も用意されて、そこにはお茶と軽食も準備してあった。


 「中はどんな感じでした?」

 「あちこちで崩落していて、坑道が塞がっています」


 先程の男性が教えてくれた通り、地図を指差しながらネネットさんに状況を説明した。

 

 「僕達はこの後、もう一度奥へ向かいます。坑道が塞がっていて、大きく迂回するしか道はなさそうなので……時間がどれだけ掛かるのか」


 坑道の地図は蜘蛛の巣状に広がっていて、何処にどのくらいの坑道があるのか、明確にはわからない。

 しかもどこが崩落しているのか把握できていないので、それらをぐるっと迂回しようと思うとかなり時間をロスしそうだ。


 「ダダン様、宜しいでしょうか?」


 カノンさんが何かに気付いたようだ。


 「この地図はカルステッド鉱山の地図で御座います。この地図は平面の地図ですから、ダダン様なら地図の地下を掘り進められるのではないでしょうか?」

 「さすがカノンさん! ありがとうございます!」


 そうだ。みんなは龍の背中が掘れないので、平面にしか進んでいない。

 僕達はこれから龍の背中を掘って、最短距離で湧水の場所まで行けば、時間のロスと崩落も気にしなくて済みそうだ。


 「そういやネネットさん、ダリムさんは?」

 「ギルド長ならあそこに――」 


 ネネットさんが指差した先では、ダリムさんが白目をむいて横たわっている。

 ……ネネットさんが力ずくで眠らせたわけじゃないよね? ないよね?


 「……暫くあのままで放置しておきましょう。では僕達は出発します」


 カノンさんと二人で坑道へと向かったのだが――


 「エース! 頼んだぞ! お前達だけが頼りだ!」

 「残りの奴らも助けてやってくれ、頼む!」

 「戻ってきたら酒の準備をしておくからなー!」

 「子供に酒を飲ませようとするな馬鹿!」

 「「「頼んだぞー!」」」


 マイナー達の大声援で送り出された。

 気持ちとヘルメットの顎紐を締め直し、再び鉱山へと突入した。



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[気になる点]  村長が村の為に借金してその補填に村人自由に奴隷に出来るなら村人全員村長の所有物ではないですか、それは完全に無法地帯ですよね?異世界の貴族が警察検察裁判所のその地方のトップを兼任してい…
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