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永遠の命で世界を救えたら。  作者: 渡利慶次
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第22話 父の復帰


「トミー!どうだ調子は!」

 そう言って私の肩を叩くこいつは訓練生時代の同期で私が今所属する部隊の上官、ジェフだ。


「ああ、ジェフ。前線に戻って今日で10日だ、やっと動きが戻ってきた気がするよ。」


 だがウィルとアナのために5年間現場を離れていたのはやはり大きい。勿論老いもあるが自分でも分かるくらい動きが鈍くなっている。


「そうか!だがもう老兵扱いだぞ?お前は人望もあるし実績もある。私が推薦状を書いてやるからそろそろ安全な後方で昇進したらどうだ?」


「いいや、私はここがお似合いさ。それにヒーローは前線にいるのがセオリーだ。」


「またそれか…本当にお前は変わらないな。軍人がヒーローなものか。それに今回の戦争に関しては…どちらかと言うとヴィラン側だろ。」


「ははは!まぁそう言ってくれるな。見る視点が変わればみんなヒーローであり、みんなヴィランなだけさ!ただ私は敵も味方もなるべく助けてやりたいと、そう思ってるだけだ。」


「そうか…まぁいい。だがお前ももう歳なのは忘れるなよ?もう同期が死んでいくのは見たくない。」


「ああ分かってるさ、それにウィルとアナもいる。まだまだ死ねんさ。」


 ジェフが微笑む。


 一体何人目の前で死んでいったのだろうか。やはり呪なのか…。


「親バカになったところだけは変わったな。」


「ははは!お前も親になればわかるさ!」


「そうだな、俺も随分と遅くなったがやっと来年父親になれる。出産祝いは期待しとくぞ!」


 そう言って二人で笑い合う。やはり同期はいいものだ。


「そうだ!今日新しいヘッドギアが届いたんだ!同時翻訳機能とマップ機能が搭載されてるらしい!殺さずに捕虜にするにも言葉が通じる方がいいだろう!試しに使ってみてくれ!」


「そんなのができたのか!時代が変わったな…

ありがとう。言葉が通じる方がスムーズにことが進む。助かるよ。」


 ジェフからヘッドギアを手渡され頭に装着する。


 視界に周辺のマップと生体反応を示す青い印が出てくる。計測範囲は周囲か500mと出ている。


「すごいな!この青い印は味方か?」


「ああ!だがあくまで我が軍のヘッドギアを装着してる者の印だ。敵に奪われて撹乱に使われる可能性もある。完全には信用するなよ!

一応味方以外は赤い印で出るが感情エネルギーを感知するらしい。上層部からの書類によるともし感情がない人間がいるなら表示されないがそんな人間は存在し得ない。それ故に100%の正確率と謳ってはいる。

まぁそんな話、私は信用してないがな!ははは!」


「そうか、分かった。今日もこの周辺の残党狩りか?」


「ああ、すまないな。でも勘を取り戻すには丁度いい仕事だろ?今前線は苦戦を強いられてるらしいしな。」


「苦戦?万年貧乏国家と言われたノセリアスとか?」


「ああ、他国からの産業廃棄物を一手に引き入れていた地域があったろ?」


「確かここから100kmくらいの離れた場所だったな。」


「そこ付近に近づけないらしい。」


「近づけないってどう言うことだ?」


「姿を見た者はいないんだがゴミ山の女王と呼ばれてる奴がその一帯を支配しているらしい。その地域を攻め始めてから生きて帰った者が1人しかいなくてそれしか情報がなくてな。」


「まさかそのゴミ山の女王とやら1人の力ではないよな?流石にそんなコミックみたいなこと…」


「さあな、情報がなさすぎて分からん。だが感情エネルギーとやらが出始めてから個々の力が強くなりすぎている。何があってもおかしくはない。」


「そうか…前線に出る時が来たら警戒しとく。じゃあまた後でな。」



 ここは私たちの国、バレンチア帝国が長年搾取し続けてきた万年貧乏国家ノセリアスとの国境より約60km進んだところだ。

前線を押し返して約3週間。なんとかここまで進行した。今の前線は90km地点だと言う。


 だが搾取され続け万年貧乏国家と呼ばれた国がいくら連合の力を借りているとは言えここまで苦戦するとは。

やはりそれ以外に裏で動いている力があるのだろうか。



「さて。とりあえず今日はまだ見ていない西方面を探索するか。おい!お前ら出発だ!」


「はい!隊長!」

 20代前半くらいの若者が5人私の下についてる。

ジェフが気を遣ってせめて部隊長くらいやれと半ば無理矢理組んだ部隊だがこの5人はみんな素直でよく慕ってくれてる。

誰一人欠けないように厳しく現場を教えているがいつまでもこの部隊にはいられない。

私が離れた時一体何人生き残れるのか…。





 この日は夕暮れまで探索を続け仲間の遺体を2体回収し帰路に着く。


「あれ?北の方向…範囲はギリギリですね、約480mのところに赤い表示が2つでてます。

…先ほどから動きがないところを見ると逃げやすい夜間を待って息を潜めてるか…それとも負傷してるのでしょうか。」


「いや流石にもうここが前線じゃなくなって5日もたってる。きっと負傷して動けないんだろう。

………よし!見つけたトーマスの功績だ。トーマスだけついて来い!後の4人は遺体を基地まで運んどいてくれ!日没までには戻る!」


「2人だけで大丈夫ですか??負傷兵かどうかも

まだ定かじゃないんですよ!流石に危険では??」


「いや、大丈夫だ。衰えたと言ってもまだお前ら程度なら10人来たって勝てる。

俺たちはいいから遺体を綺麗に運んでやってくれ、遺族が帰りを待ってる。」


「…了解しました。お気をつけて!」


「よし。決まりだ!トーマス!いくぞ!」


 私たち2人は走る。


 せっかく見つけた命だ。敵だろうと味方だろうと関係ない。同じ人間だ。きっと助けてやる。


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