第13話 国の存亡
「あーー。テストテスト。うん。よし。」
いつの間にか広場中央に置かれていた台の上に軍服を着た30代くらいの男性が立っており。その上空には彼を映し出したホログラムが浮かび上がっていた。後ろの方の人にも見えるようにとの配慮だろう。
「えー自分はブラウン少佐です。ここでの案内を任されております。以後お見知りおきを。」
そう言って軽くお辞儀をする。
「皆さま避難生活でお疲れかと思いますがこれから大事な話をします。聞いてませんでしたは通じませんのでよく聞いてくださいね。
現在、我が国は隣接するノセリアスとペトゥスから攻撃を受けています。
同盟国も同時刻に攻撃を受けており、こちらの援護には当分来れそうにないようです。
これは我が国の存亡をかけた戦いになります。
今のところ国境付近まで押し退けこちらが優勢ですがあちらも新しい兵器を保持しており先は読めません。」
ブラウン少佐が手を上げて合図を出すと上空のホログラムに大きな表が追加で浮かび上がる。
「そこで我が国は徴兵令を敷くことになりました。
16歳〜50歳までの男性。16歳〜40歳までの女性は戦争に参加してもらいます。
ただ、後で書類を配りますが大まかに攻撃、後方支援、救護など役回りは選択制になってます。
それ以外の人は炊飯や家事、事務作業などを行なってもらう事になっています。働かざる者食うべからず。ですね。
ですが今日のところは体を休めて下さい。
急ピッチで立てた仮設住宅があります。
部屋割りは基本家族単位で、身寄りのない人はどこかに入ってもらいます。
あとは個別に説明するスタッフを用意してますので、代表の方だけ列に並んでください。
以上で終わります。」
突然の徴兵令にあちこちからガヤが飛ぶがブラウン少佐はそれに一切対応せず台を降りると建物へと姿を消していった。
徴兵令か…
「徴兵令って軍に入るってこと??」
アナが首を傾げてる。
「そう言うことだね。アナ。…ウィル、その件なんだが、僕の父がここ帝都第4支部の長官でね。
ウィルとアナ。そして君の父に風呂にでも入って落ち着いたら部屋に来るように伝えてくれと連絡があった。きっとこれからの事を決めるんだと思う。」
「デイブのお父さんってそんな偉かったんだ!
父さんより上とは聞いてたけど長官ってかなり上じゃないか…なんだか緊張してきたよ。」
デイブは苦笑いをし髪を掻く。
「大丈夫だよ。会えば分かるさ。」
「ねえ!そんなことよりお風呂があるの!?」
アナの目がキラキラしてる。
「そんなことって…」
本当にアナは…どう言う状況になったのかちゃんと理解してるんだろうか…。
「ああ、あるよ!大浴場だけどね。」
アナが分かりやすくテンションが上がっている。
まぁでも確かに避難生活中は体を拭く程度しかできなかったからシャワーを浴びて湯船に浸かれるのは嬉しい限りだ。
「そう言えばドリィ、家族は?一緒に避難してきてないの?」
「うーん、私は東の方の出身で学業のために帝都近くの寮に入ってたんだよね。だからここだと身寄りのない人扱いなのかな?」
そうか。やっぱりここでは1人なのか。せっかく少し仲良くなったし、また知らない人と部屋が一緒だと心細いよな…
「そしたらこれも何かの縁だしうちの家族と同じ部屋にしなよ!」
ドリィは少し驚いた顔をしたあと満面の笑みで僕の肩を激しく叩いた。
「本当に?いやー助かるよ!でも勝手に決めてるけどアナちゃんも大丈夫?」
「うん!女の子の友達が増えて嬉しいよ!これからよろしくね!」
「お!やっと見つけた!!おーい!ウィル!」
父と母がこちらに手を振りながら歩いてきていた。
「探したぞ3人共。…で、そちらのお嬢さんがウィルがおんぶして降ろしたっていう子か?」
僕はドリィの自己紹介と今までの経緯を話す。
両親はドリィが一緒の部屋に住むのをすぐ了承してくれた。父が代表で説明を受けに列に並びに行く。
15分程待つと書類と部屋の鍵を持った父が戻ってきた。
「とりあえず部屋に行こう!荷物を置いたら…まずは風呂だな!!!」
「うん!!」




