僕は男爵なんですけど~
王女様の回復が報じられ、多くの貴族、商人から送られたことの混乱もようやく収まり。
王都で起こったプチバブルも平穏になったので、キイチと嫁さんのベストリアーネは領街ロンドに戻ろうかと話していた。
王都にいても次期当主トーマス様の代わりに仕事させられる始末だ。はっきり言って面倒ですねん。
執事長「キイチ様、財務副大臣シーペル・ローデン・マイヤー元子爵様がお会いしたいと、先触れが参っておりますが、如何致しますか?」
珍しいことに困惑気味の執事長に、キイチもなるほどと頷いた。
キイチ「直接は知らないけどね~。マイヤー子爵令嬢のプリシラ様とは冒険者時代に知り合いだよ」
マイヤー子爵家とプランダー伯爵家は本家と分家に当たる親戚である。
まあ~要するにじいさんの弟なんだけどね。要するに孫娘と弟の孫娘の両方助けてたりと、何だかんだ縁があったのだ。
その辺りを暈して話して聞かせた。
執事長「そのような繋がりが・・・・、世間とは狭いものですな~」
キイチ「僕も今、そう思ってましたで」
二人で苦笑してると、やがて財務副大臣シーペル・ローデン・マイヤー元子爵様が到着した。
僕は屋敷の前でお出迎えしましたで、何せ初めて会う親戚みたいな感じですやろか?。
しかも国政に関わる財務副大臣の要職です。
木っ端貴族の僕がおいそれと会いに行くわけには行きませんので、お土産だけ送ってましたよ?。
御礼状は頂いてましたんで、簡単なご挨拶程度ですが、お互い知ってました。
程なく国の要職である財務副大臣が乗る馬車ですから、それは立派な馬に引かれてました。
うん、これ仕事やろか?。
僕は木っ端貴族の男爵なんですがね~。
キイチ「ようこそおいで下さいました、キイチ・アサマ男爵と申します」
シーペル「ふむ、出迎えご苦労である、我は、財務副大臣を勤めておる。シーペル・ローデン・マイヤー元子爵である。良しなに頼むぞ」
ニヤリ、不敵な笑う笑みはランドール伯爵を彷彿とさせた。
簡易の挨拶を済ませ。
まず表向きの国印の施された要望書が渡された。
これはプランダー伯爵家が行っていた。
新しい事業の一つであるポンプを、国で行うことの要望書であった。
これは前もってじいさんから言われる可能性を示唆されていたので、覚悟はあった。
キイチ「承りました」
ポンプに掛かる莫大な利権に目を付けた雀の横やりであるが、そのつもりで準備してたので問題はない。遠回しであるが、国公の仕事になるのならば国からお金が僕に支払われることになる。
今までよりも少なくなるが、全く貰えなくなるわけでも無いので、これは諦めていた。
シーペル「ふう~、承知してくれて助かったわい。此度のことは姫様の為に国庫より少なくない金が出ておってな・・・」
キイチ「要するに、僕に対する。嫌がらせですか~」
あまりにも率直な物言いにシーペルも苦笑を辞さない。
シーペル「しかし驚いたぞ、プリシラを助けてくれた冒険者が、ベストリアーネを妻にして貴族になるとはな~」
しみじみと呆れた口調である。
キイチ「僕もそう思います~。でもこうした宮廷の小鳥が嫌がらせしてきた言うことは、これはあれですね~。次代の争いにも、この間のことで、何かしら誤算が起こったからではないですか?」
キイチの妙に鋭い突っ込みに。シーペルは驚いた顔をしていた。
キイチ「僕の国でも色々とキナ臭い噂があったんです~、この国と違って、政治形体は違います~。僕も明言しませんが、朝廷と呼ばれてました。もちろん権力争いもありましたで~、
中でもよ~くあったんが、お互いの足の引っ張りあいで、主に嫌がらせやったと聞いてます~」
キイチの生まれがこの国ではないと聞いていた。
しかしどこの国にも似たような者は居るようだと二人して溜め息を吐いていた。
シーペル「本来は、ワシが来ることではないのだ。
だがな~。どうも雀どもは、しばらくお主には、この国から離れていて欲しいらしい。外務大臣殿も呆れておった。すまぬが数年ほど、ベストリアーネと旅行がてら王女殿下の側に仕えていて欲しいそうだ」
ふむ、僕としては問題ありません。確かベラース王国は内陸部寄りで、どちらかと言えば山岳地方になります~。
キイチ「僕はかまいまへん、嫁さんも喜びそうですので、あっ、問題が一つ子供が出来たら曾孫見せれませんので、ランドール伯爵とソーニャ婦人が怒り狂いそうではあります~ので、ヌフフフ、雀さんにでっかい釘でも刺しといて下さい」
なる程とニヤリ、悪どい顔を見合わせる財務副大臣
シーペル・ローデン・マイヤー元子爵とキイチであった。




