異世界は厳しい所と来たもんだ
恐らく川の支流って奴やな、
「【鑑定】」
『美味しい天然水』
ミネナルが豊富
「器は無いが、大概この手のスキルはカテゴリー分けされとるんやが、ほな試してみよか~【アイテムボックス】オープン」
キイチが呟くと支流に穴が出来て水がゴオオオオと吸い込まれて行った。
ステータス:アイテムボックスを見てると凄い勢いで、水が増えて行った。
「こっちの単位分からんが、少ないより多い方がええな~」
ただやしね。
うん、それが何より大事なことです。
アイテムボックス見ると。
『天然水100万ガロン』と表示された。
「ガロン言われてもな~、何れくらいやろか?、まあ~エエわ」
それはさておき水の確保が出来たのだ。
太い材木でもあればコップ、皿でも作ってこうか、そう決めた。
「岩場を歩いてくと滑って危険やな、あんまり降りた無いが、森に降りた方が怪我はせえへんやろうが・・・」
こんだけ深い森だ。モンスターは無論毒持ちの虫とかいる筈である。
「なるべくズボンをブーツに入れて、虫とか入らんよう蔦で縛っとくとエエわ」
それから首、脇、手のひらを保護するよう。ナイフでわりと綺麗なボロいシャツを幾つか切り刻み。布地にして首、腹回り、手のひらを保護してく、
「ほんまは軍手が欲しい所やな~、まあ~。異世界では厳しいやろうて、皮の手袋でも買うてかなあかんやろ」
その前に。無事に人のおる町に到着したせなアカンやろな~、
「難儀なもんやな~」
一応、鎖帷子着てるとて、首がやられたらおしまいである。その辺は動物かモンスターでも倒して、毛皮でも手に入ればどうとでもなるやろしな~。
キイチは強かに笑う。
「こんなもんやろ、ほな行こか~」
お気楽な感じであるが、細心の注意を払いつつ森に降りて行った。
§§§§§◇◇◇◇◇◇§§§§§
「不景気そうな森やな~」
足元に気を付けながら【鑑定】していく。
『薬草』
下級回復の材料、蒸留水と混ぜると・・・
『毒草』
食べると腹を下す。乾燥させてすり潰しスライムの皮膜と混ぜ合わせると。虫除けになる。
『麻痺草』
食べると舌が暫く麻痺する。濃度を上げれば動物、弱いモンスターを麻痺させることもある。
『ナッツ』
食べすぎると腹を下す。油分が豊富で高級油がとれる。
「おっ、これは食い物んやな~、結構落ちてるで~、ラッキーやったな~」
辺りに気を付けながらも拾ってく。
『薄荷草』
葉を潰すと動物の嫌う刺激臭をだす。乾燥させ、油、酒に溶かせば用途は色々ある。
『消しの実』
動物が身体に擦り付けて自分の匂いを消すのに使う。ちょっと青臭い。
「これは使えるな~」
沢山集めて、持ってきてた外套に擦り付けてく。
「くさっ、めっちゃ青臭いな~」
眉間に皺を寄せて嫌そうな顔をしていたキイチだが、渋々羽織る。
これで嗅覚の鋭い狼や犬系、猪や熊系のモンスターから多少は誤魔化せれるかもしれへんな~。
こう言う深い森は木々の根っ子も張り出していて、苔も足を滑り安くさせるので、ゆっくり確実に歩く必要があった。
「真面目に歩くのはツライ、沈黙は苦痛や、早よ~町に行きたい~、でも焦ったらアカン、絶対何処かで焦りがでるもんや、無理せず楽しみながら、お金になりそうなもん見付けて行けば一石二鳥や~」
やはりと言うか、お金、お得、後で楽になるは、
大阪人の三種の意識やな!。