なんやかんやで一月経ちました
あれから一月、伯爵様が王様に手紙送って、その返事をもろうたんが3日前や、
ようやく僕が頼んでた蜘蛛の女王の鎧が出来上がり、ベストリアーネ様にプレゼントしたったわ、
前金で金貨50、出来上がったので大金貨二枚払ってる。
なかなかの高級品やで鑑定したのがこちら。
『蜘蛛の女王の鎧』
DEI:+3
★毒無効・刺突耐性・斬耐性・魔法耐性・疲労回復・自然回復強化
こらなかなか凄い鎧が出来たで!
「キイチ・・・、このような、ああ~、キイチ」
潤んだ熱のある眼差しは、僕の目を真っ直ぐ見ていた。
カーっと胸が熱くなって、
「ゴホン、それの先はキイチが貴族になってからだな」
「おっ、お爺様・・・」
真っ赤になって照れてるベストリアーネ様はとてもお綺麗ですわ!。
「若いふたりを待たせるのもあれだが、王より参内せよと許可が降りた。キイチ服の用意出来ているか?」
「先日出来ましたで」
下級貴族の正装を取り出して見せる。
「フフフ、似合っておるぞキイチ」
熱い吐息がキイチの耳に掛けられゾクゾクとしたで、僕は、耳が弱いんで止めて欲しいんですが~。
えっ、面白いからダメ、さよか~、
§§§×§§§
二人の仲睦まじい様子に、思わず笑ってしまった。
こうして婿にすると決めたのだが、中々よい判断であった。
何より婿殿の剛毅さよ!、まさか王家でも家宝にされておる。
蜘蛛の女王の素材で、ベストリアーネのために一点物の見事な鎧を造らせるとは、実に見事の一言に尽きる。
また両親の挨拶の品に物ではなく、あのようなデザートと言うたか、料理のレシピを献上するとは、
中々粋なことをしよる。
しかも伯爵家のデザートとして、あのパンケーキは実によいな!。
どうやらキイチ、ノリと勢いなのに妙に上手く填まっているようである。
§§§×§§§
━━━二日後。
僕とベストリアーネ様、ランドール伯爵様と同じ馬車に乗って、王都に向かいます~。
なんや海が遠くなってく気がするで・・・・・。
ランドール伯爵「そうそう、我が領地の一つに海辺の町があってな!、王都の帰りによる予定だ」
何ですと!?、なんや知らんが、ご都合主義発動でっせ!。
普通は戸惑うんやろが~、ご都合主義は正義や!。
終わり良ければなんでも宜しいがな~。
王都まで、領街ロンドから、石畳の街道が続いており、だいたい10~12日で着けます。
でもこの馬車は伯爵様の馬車ですよって、なるべく街道の宿場町、貴族のおる町には寄ってくようです~。
僕は比較的自由でしたんで、楽やったで~!。
貴族様の付き合いは大変やで!。
§§§×§§§
「旦那様、ランドール閣下がお会いになりたいと」
「分かった、会おう」
窓の見える部屋のずっと変わらぬ風景。
もう戦場を駆け抜けることも叶わぬ。
「失礼いたします旦那様」
「うむ行こうか・・・」
戦場での怪我で、両の足を喪った。
もはやこの先、余生でしかないのだ。
ディール・ドワン・ルージス男爵26
ほんの五年前まで豪胆男爵とまで呼ばれた武将であった。
特製の車椅子で、ゆっくり運ばれてく様は当時の面影など消えていた。
ディールの妻が男爵代理となって領地の維持をしているが、女と周りの貴族はバカにして、嫌がらせも受けているようだ。
「ああ~、口惜し・・・」
その周りの貴族は、ディールが今まで守って来た同盟者だと思っていた者達が、手のひらを返して牙を剥いた。
唯一ランドール閣下がいるお陰で、無事に領地を守れているが、閣下が亡くなった時どうなるか、
未来は暗い。
そう、この時まは・・・。
妻とランドール伯爵が談笑している中、気分が重い私は、暗い顔をしていたと思う。
「あなた!、あなた、あなた!?」
感極まったアドリーアーネが抱き着いて来たのには
、さしもの驚き、惑う。
「どっ、どうしたアドリーアーネ」
まさかランドール伯爵から絶縁でもと、閣下の顔は慈愛に満ちていた。
これはいったい・・・
顔を上げたアドリーアーネの顔は、笑顔だった。
「あなた、伯爵様が、霊薬を手に入れて下さいました」
今、妻はなんと言った・・・。
まさか!?、まさかまさかまさかまさか・・・。
「閣下・・・、誠にでございますか」
ランドール伯爵「うむ!、さあ飲むがよいディール」
「あっ、ああ~、閣下・・・、感謝します」
妻と手を繋ぎながら、エルクシールを呷った。
ドクン、ドクンドクンドクンドクン。
「ああ~、神様!」
「だっ、旦那様!?、足が」
「おお~、おお~、わかる。失っていたこの感触はまさしく、痛い」
「バカね、あなた・・・」
「ああ~、アドリーアーネ、ありがとう、ありがとう愛してるアドリーアーネ」
「私もです、あなた・・・」
久しぶりに立ち上がり、我が妻を抱き締める。
ああ~、こんなにも細くなって・・・。
これからは・・・
§§§×§§§
お爺様とディール男爵の喪った足が、回復する奇跡を見て、ようやくお爺様が私とキイチを結婚させると言ったか理解した。
あれほどの物を、躊躇いなく手土産と称したキイチ、
だが、キイチが善人としても、貴族とは自分の家の利益を優先する生き物だ。
キイチが、ろくでもない貴族に狙われ無いよう、お爺様が、いえマイヤー伯爵家がキイチの後ろ楯にならなくてはならないと・・・。
それに・・・、
あの男も嫌いでは無いしな!。




