まずは場所の確認やな
辺りを見て回ったが、どうみてもこの辺りにいとる連中、盗賊か山賊ではない何か後ろ暗い者に襲われたぽい。
「うん、顔立ちは前世の僕ぽいが、金髪に茶色の目多分少し若返りやな」
さて名前どないするんか考えたんやが、
「キイチでええな」
下手なこと考えて偽名にしても間違おうて、偽名に気付かんかったらあれや、
この身体の元の主と分かる品は、アイテムボックスに放置が無難やな~、
「ほな、水探しに行きまひょか~」
残念ながら雨のせいで荷物はダメになっていた。
食い物、飲み物は必要である。
「そのための鑑定やったからな~」
装備は数打ちのショートソードと短剣にして後は予備にするつもりだ。
防具は無事な鎖帷子と騎士服ぽい皮製のやや大きめの服を着る。
自分が着ていた服は首がないなるべく自分と背丈の似たのに着せておいた。
騎士が着ていた鎧なんかは、崖から落ちたせいかひしゃげていてとても使い物になりそうもなかった。
指輪、ネックレス、お金になりそうな物は纏めてずだ袋に入れて置いた。
いつの日か彼等の遺品として金や、装備を、もらった代わりに届ける事があるかもしれないからだ。
「あんじょうしいとは言わん、でもなあんたらの遺品、渡せたら渡しとくで、この金はお駄賃として貰ろうとく、どうか安らかにな」
こっちの世界での祈りかつなんて知らへんし、うちはこてこての仏教やったさな。
ただキイチは彼等の冥福を祈った。
・・・感謝する
風に紛れてそんな空耳が聞こえた気がした。
「ほな、行こうかいな」
§§§§§◇◇◇◇◇◇§§§§§
キイチが足場の悪い岩場を歩いてくと。
ザアアア
水音が聞こえてきた。
「やっぱり異世界物なら、モンスターとかいそうやな~、定番としたら動物が変異した魔物とかな、まあ~適当にきばろうやないか~い」
だいたい20分は歩いたか、背の低い雑木林がちらほらと、
枯れた細い木々があったので拾っておく。
「この手の枯れ枝や雑木なんかは、焚き火に使えるやろ」
せっかくのアイテムボックスである。
枯れ枝以外にわりとまっすぐな枝を幾つか見繕う。
「こんなところでおとんのボーイスカウトが約に立つとはな~、何が役に立つのか分からん物やな」
こうした長い枝は、先を尖らせたものか、二股にしたものかが役にたつ。
森や山に入れば視界がごっつう悪うなるからな、足元とか穴があっても気付かんことや、
中に蛇がおると噛まれかねへん、ましてや毒もちとか噛まれたら洒落にならんからの。
二股の部分を上に、したの方は杭のような簡素な作りに削った。
これなら多少乱暴に扱ってもちょっと削るだけで再利用出来るし。
乾燥したら焚き火にくべて薪にすればいいのだからな~。
お得やろ?。
やっぱ大阪人ならちょっとでも得せなな~。
基本、ジャイヤニズムを何処かで大阪人は持っていた。
ただし劇場版の方だけどね~。
雑木林を抜けると。見渡す限り森だった。
「・・・・・・・・・あの、ボケ女神が、これアカン奴やないか」
いくら関西人でもこれは無いわ~。
頭が痛くなってきたわ。
「こら水は仰山手に入りそうやが、これは参ったで~」
キイチが落ちてたのは、魔の森と呼ばれる危険地帯であった。
たまたま岩場を縄張りにする生き物が居なかっただけだったのだ。
もしも亜人タイプのモンスターが住んでたら、キイチはが無事だったかは分からない所であった。