くさっ、めっちゃくさっ!
《亜人区域》
「そうや、忘れないうちに・・・・」
ラージラビットをアイテムボックスに仕舞い込み。
ゴブリンの首に刺さったまんまのショットソードを抜いた。
「帰り血を避ける為やが、精神的にくるわ~、ん?、くさっ、めっちゃ、いやいやめっさ臭い!、なんやこれ、生ゴミを下水で煮込んだような悪臭は・・・・、こら堪らんで」
慌ててスキル【臭い消し】を使った。
「あっ・・・、なんやぎょうさんモンスターがこっちに来よるな」
まあ~。あんだけ酷い臭いを撒き散らせたんや、嗅覚に優れている可能性が考えられた。
「うわあ~、ずいぶんとおるな~、これ面倒やのう~、あっそうや!」
ニヤリ、悪巧みを思い付く。
「最近は蜘蛛の足も飽きてきたし餌に使うたろ」
蜘蛛の足を50あまりに蜘蛛の女王足肉・麻痺毒を1/4、ちょっとづつ仕込んだるねん。
「こんだけあれば巣に持って帰るやろ!」
すっかり毒殺に抵抗が無くなる処か、ゴミにしかならないモンスターの駆除くらいにしか考えていないようだ。
「まさにチャージ&デストラーゼ?、やったかの~、まあ~エエわ、ニュフフフフ、僕からのご馳走やで~、ぎょうさん食べて、巣に持って帰る~んやで~」
その顔は、
小銭ぎょうさん握りしめ、駄菓子屋で豪遊したった子供のように無邪気な笑顔だった。
ちゃんちゃん。
グギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャグギャ!
実に大量のゴブリンが蜘蛛の足を見つけて、万歳していた。
なかには弓持ち、武器持ち、杖持ちもいたが、普通のゴブリンよりもふた回り大きなゴブリンがいて、
そいつが何やら指示を出しているようやな。
グギャグギャグギャグギャ!、
蜘蛛の足をその場で食べず。案の定巣に持ち帰りよったで~。
ほな、僕はゆっくり後をつけて巣を確認しまひよ~、
あないな害虫モンスター、焼却や~で~とか、いいかねんけどな~、
一応人型→、なんか溜め込んでる→、僕ゲット、楽して儲けれるチャンスやで~、
ほな、適当に行きまっせ!。
段々、日が傾いて来たで小屋を出して美味しい干し肉塊削っては、食べ、削っては、食べを繰り返してたら、眠くなったので就寝やな~。
「あっ、そや」
ビッグボアの毛皮鞣せたら敷き布団変わりにならんかな~?、
まだウイスターソースも作ってへんし、明日のことは明日考えようか、
物事を難しく考えない、よく言えばおおらか、悪く言えば大雑把、最初の方だけ似て非なるもの。それが大阪人である。
目が覚めた。
「よっしゃ~!、今日は宝探しからや、ガンバるで~!」
朝からイベントがあると、めっさテンション爆上がりある。
「くさっ、めっさくさっ、目に凍みる臭さってなんやの!、僕は綺麗好きやねん、なんやのこの洞窟は」
入り口近くにいるだけで、何ヵ月も汗だくの服をわざわざ発酵させたような悪臭である。
「こんな時のスキルやんか【臭い消し】【臭い消し】【臭い消し】【臭い消し】!」
こんだけ使ってようやく中に入れた酷さ。
ゴブリンが巣にしとるんは、森の中にぽっかり空いた岩場で、そこがたまたまだったのか、それともゴブリンが頑張ったのか、僕には分かりません。
ただこうした洞窟言うんは、ワクワクすんねん。
キイチはスタコラさっさとばかりに。
洞窟の中に入る。