ご都合主義は正義やで!
確か、前に【スキル】を見たとき。その中に【解体】があったの思い出した。
「これ覚えたったら【アイテムボックス】に入れてもうたら【解体】出来るか試せばええやんか!、【解体】は1ポイントで取れます~、あって損はない筈や、きっとこの子は大成する子やと思うんや」
まだ結果すら出てないのに、早々とどや顔で、適当にそないことのたまうキイチだった。
「フフフこれで上手くいけば・・・・・、ヌフフフ、勝てる!、僕は勝てる子になんねん、ほなポチっとな」
【解体】スキルを得てから、その辺に転がっとる。ビッグバイパーの死体を一つ、アイテムボックスにしまう・・・、
「おっ、なんや【アイテムボックス】の中で【解体】出来るやないかい!、君はやっぱりや~、僕が睨んだ通り!、出来る子やな~。ほな蛇を全部入れてまうか~」
見える範囲の死体ををアイテムボックスに放り込み。
自動で解体していく。
数が数やからか、【解体1→3】に上がった。
手に入ったのはこちら、
『ビッグバイパーのゴミ』×312
『ビッグバイパーの無魔石・小』×32
「こらまたぎょうさんゴミが出たな~、これどないしょ~」
関西人の悪い癖が出た。
一度は上手くいった拾い物が、ついさっき役にたったことで、余計なことでついつい悩んでまう、
悪い癖である。
「くっ・・・・・・・・、あっ、アカン!、【鑑定】にもゴミと出てるやないかい!、ここは男らしゅう~、でも・・・・・・・・・」
こんな感じのを、日が昇るまでやるんのもお約束である。
悩んで出した答えは男気で棄てましたで何か?。
辺りにはすっかり、な~んも無くなった。
「そろそろ甘いもんが食いたいとこやな~」
ここは森である。甘い果物が生ってても可笑しくない場所である。
ただし黄昏の魔の森である。
普通はそんなお気楽なこと1ミリも考えず。普通の人間なら絶望のあまり自殺していても可笑しくない状況であった。
「どこかな~、僕の甘い物は~、どこやろな~」
調子外れの鼻歌で、【気配察知】使いつつ、とか思うていると。
ブブブブブブ、ブブブブブブ、耳障りな羽音が聞こえてきた。
「まさか・・・・・・・、物欲の神様の福音ちゃうかな~、僕の普段の行いが良いせいかな~」
ブブブブブブ、ぶぅ~ん、
動かず辺りを伺ってると、
「おっ、これやな」
黄色ぽい色彩の凶悪そうな見た目、みんなが大好き蜂蜜をたくさん作ってくれる益虫ではない。
大きさは幼稚園児くらいであろうか、
「おっ見えた【鑑定】」
『黄金スズメバチ・働き蜂』
獰猛な昆虫で、巣から広範囲の縄張りで狩りをする。
集団で襲いくるし猛毒の毒針で獲物を動けなくして生きたまま巣に運ばれる。
毒針と毒腺が高価、
※黄金スズメバチの蜂蜜は、濃厚で甘く、スッキリした味わいで高価、
また黄金蜂蜜は霊薬の素材に使われている。
霊薬とは、肉体の欠損を回復刺せることが可能な高価な回復薬のことである。
しかしそんなことキイチが知るよしもない。
んでもって、知ったとて、さよか~、あれは旨かったで~、
とかのたまって終わりである。
黄金スズメバチの追跡には困難を極めた。
見付かれば襲われ、離れれば見失う、
相手は空を飛んでく虫である。
森を走り抜けてれば、他のモンスターに襲われる。
「かあ~またモンスターや【鑑定】」
『ツリーバイパー』
樹木の枝葉に擬態する毒蛇。上手く解体出きればその身は、極上の肉となる。
「『ウォーターボール』『ショク』」
手早く頭にナイフを突き刺し、アイテムボックスに放り込む。
「手間なんてかけてられへん、【解体】」
ギリギリ黄金スズメバチを捉えた。
「アカン、のんびりしてたら見失うやんか!、お前ら邪魔や!」
危険な猛毒持った毒蛇も何のその、キイチは型にはめて奥歯に手を突っ込み、ガタガタ言わせて回った。