婿殿の所の使用人は可笑しい2
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ソーニャ・ロンド・プランダー夫人
ようやくベラース王国に入りました。
ベラース王国は山間にある特殊な国で、我が国アーペル王国とは善き隣人ですわね。
ただ近年は、宮廷雀こと官僚の横行が目に余りますが、下手な貴族よりも権力を持っていて厄介ですわね。
婿殿も本来関係のない恨みから、ベラース王国に行かされる羽目になったそうです。
そう、一見左遷と見るべきなのでしょうが、あの婿殿は気にもしてないのでしょうね。
国境の村から、数日後。
最初の街に到着いたしましたわ。
「そちらにおられるのは元プランダー伯爵一行であらせられますか、です」
なんとも微妙な口調の悪い使用人ですわね。顔立ちへとても美人なのに、それにしてもずいぶんとよい格好してますので、それなりの家格の使用人ですわよね?。
ランドール「そうだが、その方は」
小さく頭を下げ。
「わたし、アマリリス・バオン、アサマ男爵家の侍女長をやらされてやがります。です」
ランドール「はっあ!、侍女長」
思わず旦那様も大声を上げて驚きを隠せません。
アマリリス「そうでやがります。うちの旦那様は、ちょっと可笑しいと思うであります。です」
はあ~と溜め息を吐いてる使用人、いえ、侍女長ですか、婿殿が口の悪さを抜きにしても選んだのです。何か理由があるのでしょうね。
アマリリス「ここから馬では、ベラース王国の王都まで行けませんでやがります。旦那様が、自作しやがりました馬車と大山羊を二台用意しやした。乗りやがれ。です」
なんとも可笑しな物言いですが、段々慣れる物ですね。
この街で馬と馬車を売って、わたし達は、広々とした乗り心地のよい馬車に乗り込みました。
あれ、所で、馬車は二台あるのに、貴女一人よね?、
アマリリス「大丈夫でありやがります。うちのドルフラング二世とメープルローズ女王は頭が良すぎるので、勝手に屋敷に帰ってくれるでやがります。です」
ソーニャ「はっ、はあ~?」
意味がさっぱり理解出来ませんでした。
でもそこから4日余りの旅で、よお~く理解出来たのは、婿殿の所の使用人も動物も可笑しいと、言うことですわね・・・。
まあ~面白い経験でしたわ。
モンスターを狩りながら進む馬車に乗るなんて、
それにしても・・・、あの山羊達強すぎませんか?。
あれレッドウルフの群れを蹴散らせる山羊って居たかしら?。
因に大山羊もモンスターなので進化する。
この二頭は、
『皇帝山羊』
大山羊の変異種、非常に強く、人になつくことはない。一頭でオーガの群れをも殲滅出来る。
『王妃山羊』
大山羊の変異種、皇帝山羊の番、強化の魔法が使える。
とんでもない存在へと変異していたが、基本キイチほ気にしない。
また山羊達も美味しい餌をくれて、可愛がってくれるキイチとベストリアーネに懐いていた。
あと、アマリリスが怖い。
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━━━4日後。
昼過ぎ、ようやくじいさん達が到着した。
ベストリアーネ「お爺様!、お婆様!」
ランドール「おお、おお!、ベストリアーネ」
ソーニャ「あらあらまあまあ~」
二人はお腹が目立ってきたベストリアーネを優しく抱き寄せ、喜びを分かち合う。
アマリリス「旦那様、無事お客様をお連れしやがりました、です」
キイチ「ご苦労様やったで、お疲れ様アマリリス、疲れたやろ、ゆっくり休んでな」
ミィシャ「あの、あの、奥様、旦那様!、ミィシャただいま到着しましたです~!」
相変わらず。妙に鼻息荒いんは換わらずか、ちいと髪が伸びたんと、背が伸びたか?、
キイチ「ようきたなミィシャ、少し背も伸びたんと違うか?」
頭をグリグリしたると。なんとも嬉しそうにしとる。この辺はまだまだ子供やで、
ルーデンス・ケノービ「男爵様、ご無沙汰しております」
キイチ「ようやっとやな~。僕の所の従者になってくれて感謝しとるで」
ルーデンス「はっ、これからよろしくお願いいたします!」
相変わらず固っ苦しいやっちやで、
ディアンクライブ・ラング「久しぶりです旦那」
無精髭をジョリジョリしながら、にこやかな笑み浮かべとんのが、うちの所で筆頭従者任せるディアンクライブ・ラング、長いんでディアンと呼んどる。
カイエン・テスマ「・・・・来ました」
うちのリースとエエ勝負やろ、普段は使い物にならんが、僕が見たところ逆境に追い込まれてから、本気を出すタイプや、こいつが本気を出さんでもええ日々が続けばええな~。
キイチ「みんなよう来たで、そうやカイエンには、約束のだらだら出来る部屋も用意しとるわ」
カイエン「流石わ男爵様!。よく分かってらっしゃる」
キイチ「そうやな~、お前はそれでええ、いざって事がない限りだらだらし放題が約束やからの!」
こいつだけは毛色が違う
扱いは、これでええ、
一瞬、殺気混じりの鋭い眼光が僕を貫く、ふんタヌキはお互い様やで、
ニヤリと笑う僕に、少しだけにやけ顔で返すカイエンに、じいさんだけは真剣な目でじっとカイエンを見とる。
まあ~じいさんなら、その内に気付いてたやろ、
キイチ「それからうちのペット三人も紹介しとわ、ルーブル、キャン!」
わん、キャン!
二匹を呼ぶと、勝手に屋敷の中から出て来た。
ランドール「ほほ~うランドウルフではないか!、ずいぶんと若い個体ではあるな」
キイチ「流石はじいさん!、詳しいな、子供の頃に手に入れてから育ててます~。今やうちの番犬兼家族やで」
わん、キャン!
二匹はランドールじいさんの前でお座りして、きちんとお出迎え出来て偉いで!、うちの子は天才ですわ!。




