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笑顔

電車を降りて、からからと小さな車輪が回る音に俯いた。エレベーターを避けて遠回りする。かと言って、すきすぎている改札もいけない。目的地ではなく、ほどほどに混んでいる改札を目指す。駅構内は無事やり切って町に出る。夕方になりかけているこの時間が一番危険だ。両側からあの音が聞こえてきた。目を強く瞑る。背後から押されてたたらを踏んだ。目があった。にたりと、目を歪めて細め、口角を上げて歯を光らせている赤子と。

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