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89話 ミドリムシは獣人の国に到着する


 緑達が村をでて数日後、城壁が見えてくる。


 緑達は今回も移動中子供達を交代で出していたために城壁が慌ただしくなる。


「なんだあのモンスターの群れは!?」


「先頭を見ろ! 大きなホレストアントが馬車を引いているぞ!」


「まて、突然緑色の巨大な旗が出現したぞ!」


「もしかしてギルド経由で連絡があった例の冒険者の旗なんじゃないか?」


「あれだけのモンスターがいて1匹も単独でこちらに来ないのは本来であればおかしい、あれは統率されているのだろう……となるとスタンピードでもないな」


「とにかく監視しつづけるぞ」


 緑達は旗を振りながら城壁の門まで来る。それを見て兵士が尋ねる。


「あんた達は何者だ?」


 そう言われ冒険者ギルド証を見せる。それを受け取った兵士が確認し口を開く。


「やはりあなた達がギルド経由で連絡をうけたIランク冒険者だったのか」


「はいチーム【軍団(レギオン)】のリーダーの水野 緑と言います宜しくお願いします」


 そう言って緑が頭を下げると蟲人、魔緑、獣人、子供達全員が頭を下げる。


「話によると周りのモンスター達は貴方達の子供だとか?」


「はいそうです危険はないので心配しないでください」


 先ほど緑が頭を下げたのに続き子供達も頭を下げていたのを見た兵士達は安心する。


「街の中に入るのは僕達10人だけなので安心してください」


 そう言って緑は振り向く。兵士は話の途中で何をするのかと思い様子を見ている。


「じゃあ皆ダンジョンに帰っておいてー」


 チキチキチキ! ザッ!


 緑の言葉をきいた虫たちは一斉に返事をし敬礼する。その様子を見た緑がダンジョンの扉を開ける。


「ダンジョンオープン!」


「「おお!!」」


 緑が開いたダンジョンの入り口が突然現れたために兵士達が驚きの声を上げる。そして、兵士達は開かれた扉に子供達が順番に入っていくのをぼうぜんと見るのであった。


 子供達がダンジョンに帰り緑が扉を消すと我に返った兵士が緑に尋ねる。


「それでは中に案内しても大丈夫か?」


「はい、よろしくお願いします」




緑達が門を通り街の中に入るとそこは皆が耳や尻尾など人族には見られない、獣人達のみが持つ特徴を持った者達で溢れかえっていた。


「うわ~ みんな耳や尻尾がある~」


「みーちゃんやそれは獣人の国なのだからあたりまえじゃ」


「そりゃほとんどが獣人やねんから何かしら特徴がみえるわな~」


「比較的うろこがある人達は分かりにくかったりしますけどね~」


 緑の言葉に魔緑の嫁の3人が反応する。


 緑達の様子をみていた1人の兵士が話しかける。


「もしよかったらまずはギルドマスターに会いにいってくれないか?」


「ギルドマスターにですか?」


「あんた達のような高ランクの冒険者が街に入ったら国もギルドも報告が欲しいんだ……」


「わかりました、それならギルドマスターに会いに行きます。どういけば良いでしょうか?」


「それならこれを持って行ってくれ」


 そういって兵士は1枚の地図を渡す。


「これ街の地図ですねお借りしますね。ギルドマスターにあったら持ってきます」


「ああそれなら、持って行ってくれて構わない」


「わかりました! ありがたくいただきます!」


 そう緑は兵士に言いギルドマスターに会いに街を歩いていくのであった。


 緑が地図を見ると街の中心にある大きな十字路の一角に冒険者ギルドがあり皆でそこを目指す。緑達が冒険者のギルドの建物に入ろうとしたところで騒ぎが聞こえてくる。


「おい!また喧嘩だぞ!」「またあいつらか!?」「今日はどことどこだ!?」


「今日は三つ巴だ!」


 そんな騒ぎを聞き琉璃、凛、珊瑚が天を仰ぐ。


「「またか……」」


 そういって顔を見合わせた3人が緑に話し開ける。


「のうみーちゃん今ギルドの中は騒がしそうだし先に宿をさがさないか?」


 そう琉璃が言った瞬間。ギルドから大量に人が出てくる。


 その大量の冒険者達の先頭の歩く3人が緑達をみた瞬間叫ぶ。


「「お嬢!」」


「いいところに帰ってきましたこいつらをいまからぶっ潰すので一緒に来てください!」


「何言うてんねんぶっ潰すのは俺らのほうや! ねえ嬢!」


「俺らのすっごい力見せてやる! お嬢も早くこっちに!」


 緑達は3人の冒険者の言う事を聞き琉璃、凛、珊瑚の方を見る。


 すると3人が再び顔を見合わせたあと魔緑の方に歩み寄る。


 それを見た魔緑が3人から距離を取ろうとするが不意に肩を掴まれる。驚き魔緑が振り返るとそこにはニヨニヨしながら緑が肩を掴んでいた。


 あわてて緑を振り払い魔緑は逃げようとするが今度は嫁3人に抱き着かれる。


 3人が抱き着いた瞬間大きな声で叫ぶ。


うちの旦那様はこの人だ(や)」


「「何!」」


 それを聞いた3人の冒険者が魔緑をにらみつける。


「待て話を聞け!」


「「殺す!」」


 魔緑が冒険者を落ち着かせようと叫ぶも3人は魔緑に飛び掛かるのであった。


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