84話 ミドリムシのお店開店!
子供達への料理教室無事に終わり、子供達と店のメニューを決めていく。
その横でファントムによるウェイターとウエィトレスをする子供達の教育が始まる。
緑が見ているとファントムが教えている子供達は2グループに分かれていた1グループはウェイターとウエィトレスのグループだがもう一方は魔法の練習をしていた。
緑がそれを不思議そうに見ていると、その子供達の周りだけ華やかな光景が見られた。
緑は知らないが以前にファントムが以前受けた依頼でみせた幻を子供達にもできるようにしたいようであった。
ウェイターとウエィトレス志望の子供達に練習の指示を出した後ファントムが魔法の練習をしている子供達の方に歩いてくる。
ファントムが子供達の2mほど離れた位置で止まると魔法によるイリュージョンが始まる。魔法の練習をしていた子供達はそれに目を奪われる。
その子供達にファントムは指導していたが緑はあえて近づかずその様子をうかがう。子供達への指導が終わったのかファントムを中心に子供達が広がると一斉に魔法を使い始める。
1人が小さな妖精のような者達を魔法で作り出したかと思えば、空中を様々な魚たちが泳ぎ始めたりファントム達の周りを流れ星が回り始める。
それを見ていた緑も自分もファントム達の様にできないか考える。
「ねぇファントムその魔法って僕も覚えられないかな?」
「これは緑様、様子を見にこられたのですね」
そう言ってファントムがお辞儀をした後に続ける。
「この魔法は属性魔法を使う前に圧縮する魔力を変化させたものですので魔力の操作が上手いものなら皆使えると思われます。もちろん緑様なら魔力量とあいまって私達にはできない大きさのものを作りだせると思います」
ファントムにそう言われ緑は魔力を操り始める。
すると先ほど1人の子供が見せた魚たちを緑が作り出すが魔力の量が違うためにまるで自分達が海底の底を歩いてるような光景になる。
「うわー! きれいー」「すごーい!」「あ、大きなおさかなもいるー」
しばらくするとその海底の幻は霧散する。すると次は周りに銀河の幻が浮かびあがる。
「お星さまだ~」「キラキラしてる~」
それもしばらくすると霧散する。
「さすが緑様です、とても初めてとはおもえません」
「う~ん、他に何かないかな?」
しばらく考えたあと緑は良いことを思いついたと手をたたく。
「これはみんなしらないんじゃないかな~?」
そう言って緑が作りだしたの幻は花火であった。
しかも、その花火は熱も音もないため緑達のすぐ近くで爆発する。緑はしばらくの間自分が昔みた花火を爆発させ続ける。
「ふ~う、みんなどうだった?」
そう言って緑の後ろで見ていた子供達の方を振り返ると子供達は大変な事になっていた。
ガタガタと震えている者、緑に向かって土下座をするもの気絶し倒れているもの、漏らしたものなど皆とてもではないが幻を見て喜んでいる状態ではなかった。
「み、みんなどうしたの!?」
「あ、ああ、ごめんなさい、ごめんなさい」「こわいよ~」「うえ~ん」
緑が駆け寄るも子供達は怖がってしまっていた。
「緑様、いきなり火の攻撃魔法の幻は子供達にとって怖かったようですね」
緑が子供達の怖がる理由がわからず慌てているとファントムの発言が緑の謎をとく。
「あちゃー、熱や音が無いから近くで爆発させたからそう見えちゃったか~」
「緑様音もつける事は可能ですよ」
「本当?教えて、教えて」
「みんなこれなら怖くないよ~」
そう言って緑は花火を打ち上げ始める。
ひゅーん ドーン! ヒューん ドーン!
その音につられて子供達は空を見上げる。
「うわ~ ぴかぴかしてる~」「こんぺいとうみた~い」「きらきら~」
「ドーン♪ ドーン♪ ドーン♪」
じょじょに慣れてきた子供達は元気に緑の周りではしゃいでいる。
いつか夜会に呼ばれたさいにひろうしてみようと考えたがお店のオープンの時に使おうと思いなおす緑であった。
数日後
緑のダンジョンの店を開くことを各国の王に通達すると開店当日はいけないが近々行くと言われるのであった。
開店当日は緑達に馴染みの深い者達が駆けつける。
特に馴染みの深いアランや、シャーク、レッドのチームのメンバーやエルフの国からはエルとアル、ドワーフの国は来たばかりなのでビルの息子家族が来た。
特に魔緑の事を知らなかった冒険者達は大いに驚いた。
「おーい! 王様久しぶりだな?」
シャークが以前緑をからかった時の様に王様と呼びからかおうと思っていたのは緑ではなく魔緑であった。
「ん? 誰だオッサン?」
「う~ん? お前緑じゃないのか?」
「ああ、最近なかったから忘れていたな、俺は魔緑ってんだ。緑の兄弟と思ってくれ。よろしくな」
「おお、そうか緑と違ったか! まちがって悪いな! こちらこそよろしくな!」
そういってシャークは魔緑と握手をかわす。
「おっす兜来たぞ! 今日は【赤い依頼】なしで良かったそうだからたすかったぜ!」
「おおレッド! よく来てくれたな!」
「美味い飯が食えるし、お前達への祝いも持ってきたぜ。ほらよ!」
「ああ、ありがとうな!」
「アランさんお久しぶりです!」
「ああ、久しぶりだな今日は開店おめでとう。これは祝いだ受け取ってくれ」
「ありがとうございます」
緑達はダンジョンに来た知人に挨拶をしても割るのであった。
皆と挨拶を済ませた緑は挨拶を始める。
改めて来てくれた友人知人に挨拶し今からお店を開けると宣言する。
食堂や食堂の外にもテーブルやイスがおいてあり開店祝いに来たものたちは思い思いの場所で食事をするのであった。
「おーい、魔緑久しぶり!」
そう言って魔緑に声をかけたのは炎剣のギルであった。
「おお、久しぶりだなその炎剣の扱いは上手くいってるか?」
「ああ、以前の剣より攻撃力はたかくなったがまだまだ炎の制御が難しいな」
「そうか…… あそうだ」
何か思いついたのか魔緑はギルの手を取って歩き始める。
人を探し名から歩く魔緑が目的の人物を見つけたと声をかける。
「おーい、ビル! こいつに剣を打ってやってくれねぇか」
「おお魔緑か良いぜどんな剣を打つんだ?」
「ああ、分類的には魔法剣だな、こいつは炎剣のギルってんだがこいつは魔法で炎の剣を作り出して戦うんだが炎を上手く制御できないようなんだ。それの制御を助ける剣を作って欲しいんだ」
「わかった、2、3日後から始めるがお前さんもくるんじゃぞ」
わけもわからず剣を打ってもらう事になったギルはただ頷くのであった。




