70話 ミドリムシと女神
「緑さん達お久しぶりです」
「お久しぶりです」「お久しぶりじゃねぇよ・・・・」
緑と魔緑は女神の挨拶の答える。
「この度のこちらのミス、申し訳ありません・・・・」
「まーちゃん、少し待っててね。女神様ミスとはどの部分でしょうか?」
「はい、まずは緑さんがわかれてしまった事です」
「僕達がわかれてしまったのはミスだったんですね?」
「はい、緑さんをこの世界に送った時、世界の壁を通るには緑さんの力が大きすぎるために分割するしかったのです。しかも緊急的な処理だったためにいくつかの不具合が発生してしまいました」
「その不具合とは?」
「はい、まず1つ目ですが感情のバランスです。緑さんがわかれてしまい、それぞれの緑さんの感情のバランスが多きく崩れてしましました」
「バランスですか?」
「はい、緑さんは魔緑さんと会ってから感情が豊かになったと思と思いせんか?」
「はい、緑様は感情が豊かになったと思います」「クウも思います」
緑と魔緑の後ろからヒカリとクウが答える。
「確かに大将が誰かにイタズラするような事はなかったな」「確かにそうですね~」
「緑さま楽しそう~」「緑様は確かに魔緑様と会われてから感情の振れ幅が大きくなったと思います」
さらに、兜、レイ、なぜか胡蝶とファントムはわかれていた。
「そうだったんだ・・・・ 僕自身はわからなかった」
「蟲人の皆さんは初め魔緑さんと会ったとき心のつながりの様なものを感じたと思います。それは、緑さんと魔緑さんの心が少しですが繋がっているからです」
「確かに緑と会ってからまーちゃんは少し感情の振れ幅が小さくなったかの」
「たしかにそうやな~」「まーちゃんはやさしくなったです」
琉璃、凛、珊瑚が女神の話に頷く。
「そうか・・・・だからは俺は・・・・」
魔緑が1人つぶやく。
「まーちゃん、何か心あたりが?」
「ああ、今考えると緑と会うまで俺は感情の振れ幅が大きすぎた・・・・ だからエルフ達に世界樹に寄生している者達への攻撃を止められた時、周りがとめるのも聞かず攻撃してしまったのか」
「お2人には申し訳ありませんでした」
そう言って女神は緑と魔緑に頭を下げる。
「でも1つ目ってことは他にもあるんですか?」
「はい、それは魔法の適正です」
「確かに全ての魔法の適正があると言う話でしたが僕もまーちゃんも一部しか使えなかったですね」
「俺は火と闇で闇は思った以上に使い切ることができなかった、今となってはそれも奪われ火だけだけどな・・・・」
「お2人共今使える魔法の適正は、緑さんが水と土が100%で風と聖が20%ほどで魔緑さんは火が100%ですね」
「緑は水と土が100%なのか・・・・」
「そして超ミドリムシの可能性ですが・・・・ 本来、超ミドリムシは、植物と動物の可能性の全てをを持っており様々な能力を得る事ができたはずだったんですが・・・・ 今、緑さんが植物の可能性を魔緑さんが動物の可能性を50%しか持っていません」
「「なるほど」」
女神の言葉に緑と魔緑の声が重なる。
「確かに僕は攻撃的な植物の特性をもっていません」「確かに俺もどちらかというと動物の探査能力に偏っている」
「僕は初め植物の特性の一部しか使えないと思っていました」「ああ、俺も超光合成があるから動物の特性は一部しか使えないとおもっていた」
「本当であれば、攻撃的な特性も獲得できる予定でした」
「まぁ、それは丈夫です」「だな、俺も大丈夫だ」
「良いのですか?」
「「はい(ああ)、守れる力があればいい(です)」」
「そうですか・・・・」
女神はそう言って目をつむり頷く。それを見た緑と魔緑は女神が嬉しそうにしているように感じた。
「お2人共残りの緑さんを探してください。初めてお会いした時に使命などないと言いましたが・・・・ 全ての緑さんの幸せのために・・・・」
「わかりました」「わかった」
「それと・・・・魔緑さんの超光合成はまだ不完全ですそれを完全なものにするのとお2人のアイテムボックスをつなげます」
「「2人のアイテムのボックスをつなげる?」」
「はい、今後お2人が別行動をしてもアイテムボックスに手紙を入れれば連絡ができるようになるので」
「それは便利そうだね」「確かに便利だな」
「ではお願いします」「頼む」
2人がそう言うと女神は近づき2人の手を握る。
「ではつなぎます・・・・つなぎました確認してください」
「あ、僕が持ってなかったものがある」
「ああそうだなってあんまり使っていなかったのか?」
「まーちゃん、ほら僕にはダンジョンがあったから」
「ああ、確かに時間の経過が無い方がいいものだけは使ってるっぽいな」
「女神様ありがとうございました。これから残りの僕達をさがします」
「ああ、残りの俺たちをさがすよ」
「お2人には大変なご迷惑をかけますが、よろしくお願いします。では失礼します」
女神がそう言うと緑達の周りが輝きだす。
「ん・・・・ あれ?」
緑達は食堂で目を覚ます。
周りを見ると他の皆も眠りから覚めたようで不思議そうな顔をしている。
緑は女神と会っていたのが夢だったかと不安になる。
「皆、女神様とあったよね?」
緑は、女神と会ったことが夢ではなかったのか皆に確認する。
「はい、たしかに女神様と会いました」「あいました♪」「お会いしたっす!」
「おあいしましたね~」「めがみしゃまにあいましゅた」
蟲人達がそれぞれ返事をしたのを確認すると緑は魔緑達の方を向く。
「ああ、そうだな」
「私達もおうたのう」「おうたで~」「あいました」
「夢じゃなかったんだ。よかった~」
緑は安堵する。
「お茶を入れるけど皆もいるよね?」
それを聞き全員が頷くのであった。
お茶を飲み落ち着いたところで緑が立ち上がる。
「ねぇ、皆今後の事を考えたいと思うんだ」
それを聞いた皆が頷き緑が続ける。
「まず初めにまーちゃん達の冒険者の登録をすませたいんだ」
「そこが一番初めなのか? 他にやることはいいのか?」
「うん、まずダンジョン経由でサークル王国の王都に戻って冒険者の登録をすませたら、王様に報告に行こうかと思うんだ。そこでまーちゃん達を紹介したいしね」
「ああ、俺達に問題はない・・・・ と思うがいいか?」
そう言って魔緑は、琉璃、凛、珊瑚に向き返事を待つ。
「かまないぞ」「ああ、ええで~」「サークル王国にいくのすっごい楽しみです」
「だそうだ」
そう言って魔緑は振り返る。
「じゃあ、きまりだね」
「あとでゴードンさんに言わないといけないな」
「あのドワーフか」
「あ、そうだまーちゃん」
「なんだ?」
「この前話していたけどまーちゃん達が冒険者になったら自分達のチームを作るか僕達のチームに入るか考えておいてね」
「そんなものチームに入るに決まっている」「ほんま、ほんま」「もうチームです」
緑の質問に魔緑ではなく琉璃、凛、珊瑚が返事をし、緑が魔緑の様子を伺うとヤレヤレといった表情で
「だそうだ」
と返事をするのであった。
その後、緑が事情をゴードンに伝えると
「まぁ、それは仕方ないから気にするな、その後に俺達の国にきてくれればいい」
と返事をするのであった。




