62話 ミドリムシは温泉が好き
「いや!待ってください僕は今エルフの国と敵対している者とそっくりの様子をしているんですよ!? サークル王国の王様でもダンジョンに入りたいとは言わなかったのに・・・・」
そんな緑の様子を見てエルフの王が答える。
「私は曲がりなりにも長寿のエルフ族の王をしている者だ! 年齢や知識に関しては人族の王などと比べてくれるな!」
口調は強いが本人はニヤニヤしているのを見て王の周りにいるエルフの国の重要人物たちに確認を取る。
「王様はああ言っていますが本当に良いのでしょうか?」
「「頼む!」」
重要人物達の重なるこれでもないかというくらいに気持ちのこもった言葉に緑は何も言えなかった・・・・。
緑は、エルフの国の王をダンジョンに招くために蟲人達と先にダンジョンに戻り直ぐに集まってきた子供達に説明をする。
子供達はそろって6本ある足の1本を使い起用に敬礼し辺りに散っていくのであった。
緑達が謁見の間に戻りダンジョンに入りた者を集めるように伝える。すると、人数か多くなるかもしれないから城にある兵士達の訓練所で入り口を開けて欲しいと頼まれる。
頼まれた緑もその方が大きな扉を開けれると思い頷き訓練所に向かう。
訓練所で待っていると王を筆頭に様々な役職の人間が集まって来るそれは、これから交流をする相手を見定めようとするもの、興味を隠せない者などそれぞれの思惑持って集まっていた。
「ダンジョンオープン!」
そんな者達の思惑をよそに緑はダンジョンの扉を開く。
「「おお!」」
集まっていた者達は一同に驚きの声を上げる。
「王様早く中に入りましょう」
扉が開くとダンジョンの光景を見た者達は興味を惹かれ早く中に入ろうと促す。
「本来危険がないか確かめてから私が入ると思うんだが・・・・」
「そんな事を企んでも彼らに得な事はありませんし、王がダンジョンに入りたいと言われたからこのような事になっているんです。さぁ! 早く中に入りましょう」
本来であれば王の安全を確保できてから中に入ろうと考えるはずなのに集まった者達は早く中に入り入りたいため王をせかす。
「皆さん慌てなくても僕のダンジョンは逃げません。もちろん王様を筆頭に皆さんに危害を加えるなんてことも考えてませんが・・・・ 逆に僕が言う方が怪しいのでしょうか?」
「確かにそうだな、緑よそのような事を言わせた失言はゆるしてくれ」
緑の言葉を聞き王は緑に謝罪する。
「王様の発言でこの様になったのは嬉しいですし、僕も僕のダンジョンを正しく認識してもらうために皆さんの目で確かめて頂くのはありがたい事なので、どうか心行くまで楽しんでください」
緑自身は、隠す事は若返りの実をつける木だけでそれ以外はダンジョンに入る全ての人にみて欲しいと思い集まった者達を歓迎する。
「「なんと美しい・・・・」」
中に入ると全員がダンジョン光景を目にし感嘆の声を上げる。そんな中王が緑にさらに尋ねる。
「緑よピエールの報告ではこのダンジョン内には保養施設があると聞いたのだが・・・・」
「温泉施設のことですね。案内しますぜひ堪能してください。ちなみに誰かの貸し切りにするような事はしてないので皆さんが入る時にダンジョンで生活する者達が入っているかもしれませんがそれは我慢してくださいね」
「ああ、ここでのルールに従う」
「おお、モンス・・・・ 失礼、彼らが集まり1つの意思の元で働いている姿を目にしたことが無いため思わず声が漏れてしまった。我らが知っていモンスター達とは違うのだったな・・・・」
緑は、ダンジョンに来たエルフ達を引き連れて温泉施設に向かう。その途中で緑の家族が畑仕事をしている姿を見て驚きの声を上げるのであった。
「はい、こちらが僕達のダンジョンの温泉になります。一様簡単なルールがありますので各場所においてあるルールブックを見てもらっていいですか」
緑は温泉施設の各場所に置いてあるルールブックを見るように言うのであった。
「「うぐぐぐぐぐぐ・・・・ はぁ~」」
温泉に浸かった者達が思わずこぼす声を聞き緑はニコリと笑うのであった。
「この様な施設を作り、日常的に使うなど考えもしなかったが・・・・ なんとも良い物だな」
「僕はこの施設を目的にダンジョンに来たいと思ってくれたら嬉しいですね」
「なるほどな・・・・ そう言えば先ほど緑が言っていた温泉とは、地下から湧いて出るこの暖かい湯をいうのだな・・・・」
「はい、そうですこの施設は僕が居た以前の世界では当たり前のように知られていたもので、特に僕が居た国の人々はこの湯に浸かるのが大好きでした」
「私達もたまに湯に入るが、こうして外で入る事はしていなかった。なんとも良い物だな・・・・」
「はい、僕が居た世界ではいくつもの風呂の種類や湯の効能が用意されていました」
「ほほう、それは入る者の意思しだいで楽しみ方がかわるな・・・・ ちなみにここも風呂の種類や湯の効能を増やすのか」
「もちろん風呂の種類は増やしたいと思っていまし、様々な効能のある湯も付け加えたいですね」
「その効能とはどんなものがあったのだ?」
「そうでねぇ、体の痛みや傷を治すのを促したり、肌の状態を良くし美しくするものなど様々でした」
「それは、前者は戦士達にとってはうれしいものだし、後者は女達が喜ぶな・・・・」
そう言って王は目の前にある情景に目を移す。
「後は、これも人気がありましたね」
そう言って緑は準備していた酒をだす。
「ほほう、湯につかりながら風景と酒を楽しむのか・・・・」
「はい、これも僕が以前にいた世界で人気のあったものです」
そう言って緑は酒の入った器を王に渡す。
「これは、おちょこと言って酒を飲むときに使う器です。そして、このとっくりに入れたお酒をお互いのおちょこに少しづつ注ぎます」
そう言って緑は王の持つおちょこにダンじゃん産の日本酒もどきを注ぐ。
「このダンジョンは良い物だな」
「王様にそう言ってもらえるとありがたいです」
「しかし、今回一度にくる人数が多すぎたなもう少し人が少なければさらによかったな・・・・」
今、緑と王が入っていた露天風呂には、同時に幾人ものエルフ達も入っており少し窮屈な思いをしていたのであった。
その後、風呂を上がり夕食の時間になる。エルフ達は出された食事の中に生の魚介類があることにおどろくのであった。




