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37話 ミドリムシの家族は山に行く


 兜は自分の作り出した土の壁から顔をだし動くものは居ないかと爆発の中心地を見つめる。そんな兜の後ろからレッド達が歩いてくる。


 その姿をみた兜がレッド達に愚痴を言う。


「お前らこんな魔法をこの前俺に撃ったのか? 」


 兜が魔法が爆発した後の周りを見渡す。それは中心地から100m以内の物は吹き飛ばされるか燃え尽きていた。


「いや~さすがにこれを撃っていたら周りの見物人どころかギルドの建物も危なかったから規模は抑えていたぜ・・・・」


「確かに燃やされるだけでなくあの爆発もあったら俺も死んでたかもな・・・・」


「まぁ、それで兜を倒せたとしても俺らのチームはお尋ね者だったな。わはははははは」


「わははははじゃねぇよ! 」


 そんなやり取りをしていた二人であったが不意に同じ方向を見つめる。


「「よばれた? 」」


 2人が声をそろえて呟く。そのまま2人は爆発の中心地、龍種のアンデットが居た場所に向かってあるきだす。


「で、でかい魔石だな」


 2人が中心地まで行くと遠目ではわからなかったが、龍種のものと思われる魔石が見つかり思わずレッドが声を上げる。


『よくぞ、我を打倒した・・・・。心から感謝する』


 そんな言葉が魔石から2人に送られる。


「生きているのか? 」


『いや、僅かに残った魂だ・・・・それもすぐに消える。だが、消える前にお前たちに感謝を伝えたかったのだ、それと我の魔石を託す、そちらのもと魔物のそなたなら魔石を食えば我の力を糧にできるだろう・・・・・そろそろ時間の様だな最後に2人の名を・・・・」


「兜だ」


「チーム【ドラゴンスレイヤー】のレッドだ」


『では兜とレッドさらばだ』


 その言葉を最後に魔石からの声は聞こえなくなった。


 2人は顔を見合わせレッドの仲間の元に戻るのだった。


 兜とレッドが仲間の元に戻るとレッドの仲間たちは大騒ぎをしていた。チームの何人かは死んだと思われていたが緑の回復の実を無理やり飲ませた者達は見事に完全復活を遂げていた。


 泣いて抱き合うもの、拳をぶつけ合うもの、突然にキスをする者、キスをされる者、様々な形でこの戦いが終わったことを皆が喜んでいた。


 そんな中兜がレッドに尋ねる。


「なぁ、この魔石どうする? 合同での討伐だしギルドで買い取ってもらってその金をわけるか? 」


「それは兜。お前がもらってくれ。正直お前がいなければ俺たちは逃げる事すらままならず全滅していた可能性が高い」


「でも倒したのはお前たちの魔法だろう? いいのか? 」


「ああ、お前が盾になって時間を作ってくれなけえれば魔法も撃てなかったさ。なあそうだろう? 」


「「そうです兜さん! 」」


 レッドが仲間に問いかけると全員一致で兜に貰って欲しいとの事だった。


「それに俺達には龍種をたおしたという実績が着くからな」


「ただ魔石を食うにしてもギルドに龍種の魔石として提示してからだ、ギルドには文句を言ってやる! 竜種と龍種を間違えて依頼を出したんだからな! 」


「そんでもってその金でのみまくるぞ! 」


「「おお~!! 」」


 そんな事を話しながら王都に帰る準備をするのであった。






ヒカリの場合


 ヒカリが受けたものは採取の依頼であった。その採取対象は王都から少し離れた山でとれるようだがいかんせんその高さと環境の悪さからなる【赤い依頼】であった。


 ヒカリは目標の山に向かって飛び続けるそんな中ふと下を見ると冒険者達がモンスターと戦っていた。


 どうやら休憩していたところを襲われたらしく立ち位置がわるく上手く攻撃を捌けていなかった。それを見かねたヒカリは急降下する。


 ヒカリの急接近に冒険者達が焦り始める。


「おい! 上から何か降って来るぞ! 」


「あれは人か? でも羽があるぞ? 」


 ヒカリは地上から2mほどの高さでとまると冒険者達に尋ねる。


「良ければ手伝いましょうか? 」


 ヒカリの質問に対してすぐにリーダと思われる冒険者が返事をする。


「誰か知らんが手伝ってくれ! 」


 その言葉を聞くとヒカリは子供達を召喚する。ヒカリの周りに5つの光が生み出されそこから5匹のキラービーが姿を現す。


 この5匹は一番初めに生み出された者達でギルドでシャークともめた時の子供達であった。


「で、でかい・・・・」


 冒険者の1人が呟く様にこの5匹は他の者達の倍ほどの大きさであった。通常キラービーは30㎝程の大きさであるが5匹はその倍の60㎝ほど、冒険者達も助けてもらったがその5匹のキラービーに怯える。


 その後、その5匹の力を借り冒険者達は襲ってきたモンスターの撃退に成功するのであった。


 戦闘が終わり息を切らしていた冒険者はしばらくするとヒカリの方に歩いてくる。


「あんたの従魔もあんたも強いな。あんた達が来てくれなかったら結構な深手を負っていたかもしれない。助かったありがとう! 」


「それは良かった。ただ1つ訂正がこの子達は従魔ではなく私の子供です」


 そんな言葉を聞いて冒険者達が顔を青くする。


「も、もしかしてクインビーのヒカリさん? 」


「そうですよ」


「「失礼な口をきいてすいませんでした! 」」


 一斉に冒険者達は頭を下げそのままの姿勢でいると。


「気にしてませんので、それでは失礼しますね」


 冒険者達が顔を上げるとそこにはヒカリの姿が無かった。慌てて周りを見るも姿はなく、虫の羽音がかすかに聞こえたので上を見るとヒカリが5匹のキラービーと一緒に上昇していく姿が見られるのあった。


 冒険者達が見上げているとヒカリ達は上昇を止めそのまま地面と平行して飛び始め、そのまま飛び去って行くのであった。


「俺達ラッキーだったな」


「うん、そうだな」


 そんな会話をする冒険者達であった。



 ヒカリが飛び続けて目的地の山のふもとに着くと。


「確か、山頂の方に生えているんでしたね」


 そう呟き今まで地面に平行に飛んでいたヒカリは山の道にそって山頂に向かって飛ぶのであった。

 

 

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