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33話 ミドリムシはダンジョンの海の管理人を雇う


「あああああ、もうおしまいだ・・・・」


「こんな量のモンスターなんて・・・・」


「街の人間を逃がすこともできない・・・・」


「俺達では時間稼ぎにすらならい・・・・」


 兵士達はダンジョンから出てきた子供達を見て絶望する。


 ブブブブブブブブブ カチカチカチカチカチカ


 ヒカリの子供達の羽音とクウの子供達が顎を閉じる音が絶え間なく続く。シャーク達も以前子供達を見たが以前の数とは比べ物にならない量に嫌な汗をかいている。


 そんな中緑の大声が響き渡る。


「皆ストップ! 怒ってくれるのは嬉しいけど街の人達を怖がらせたらだめ! さぁ! ダンジョンに戻って!」


 その声によりダンジョンの中から出きた子供達が戻っていく。最後の方に戻る子供達は威嚇のためかしばらく兵士達をじっと見つめてから戻っていくのであった。


「がははははは! 緑の子供達は怒りっぽいな! まぁ緑にはゴブリンって言葉は禁句だな! 俺が言えたことじゃないが! がははははは!」


 シャークがそんな事を言っていると先ほどシャーク達と話していた兵士がやって来て跪き頭をさげる。


「申し訳ない。ゴブリンと言ったものは後できつく言っておくどうか許してもらえないだろうか・・・・」


「大丈夫です。でも子供達も悪気があったわけではないので許してください」


 緑がそんな風に言うとヒカリとクウ、兜が口を開く。


「緑様を侮辱するのは許しません! 緑様はお優しいから許しますがあまりに酷いようだと・・・・」


「そうです! 緑さんをゴブリンだなんて! 」


「まぁ、大将に喧嘩を売りたいなら。その前に俺が買ってやる」


 ヒカリとクウは怒りを露わにして兵士に文句を言い。逆に普段よくしゃべる兜は静かに答える。そんな、様子を見た緑は、一番危なかったのは兜かもしれないなと思うのだった。


「本当に申し訳ない! どうか許してほしい!」


 再び謝りだす兵士にシャークが悪戯小僧の様な顔をしながら耳うちする。


「ちなみにあの蟲の姉ちゃんや男は1人でs級のチームと互角に渡り合うからな。いいな、さっき出てきた子供達は関係なく1人でs級のチームとだ」


 それを聞いた兵士はさらに顔を青くさせる。


「ちなみにさっきから話してる緑色した兄ちゃんはそいつらのリーダーだからな。俺もはっきり聞いたことはないがたぶん一番強いと思うぞ」


 そして続けざまに大きな声でレイに話かける。


「お~い、レイの姉ちゃんそんなわけだからお前さんの子供達もダンジョンに戻ってくんないか? 」


「はーい、わかりました~ 」


 そんなのんきな返事をするレイであったがその瞬間兵士達を囲むようにデッドマンティス達が現れ始めダンジョンにもどっていくのであった。


 緑はそれをみると苦笑いを浮かべていた。


 兵士達の中にはデッドマンティス達の姿を見た瞬間に気絶するものまで出る始末であった。


 


 その後、緑達は手続きをして街にはいる。街に入るとまずは宿をとる話になる。


 緑達はシャーク達が案内するままについていくとしばらく歩くと1件の宿に着く。


 中に入ると女将と思われる女性からシャークが声を掛けられる。


「随分久しぶりじゃないか! こっちに帰ってきたのかい? 」


「違う! 違う! こいつが人魚族に会いたいからこの町まできたんだよ! 」


「そうなんかい? だったらここらは人魚だらけじゃないか? より取り見取りだよ! あんただってそうだろう? 」


 そんな女将の言葉に緑が驚く。


「ええええええええ!? シャークさん人魚だったんですか!? 」


 緑のイメージでは人魚族の人は女性と勝手に思い込んでいた。目を見開きシャークを見つめる緑をみてシャークはニヤリと笑う。


「がははははは! やっと驚かす事ができたな! がはははは! 」


 そう言って笑っているシャークをよそにシャークのチームメンバーが緑に謝る。


「はい、実は私たちのチームは全員人魚なんです。リーダーに黙っているように言われて・・・・」


「まぁ、リーダーはいつも緑に驚かされてばかりで悔しそうにしていたから・・・・」


「まぁ、俺達も緑には驚かされてばかりだったから仕返しができたな! 」


 とシャークのチームのメンバーが緑に事情を暴露するのであった。


 緑は、苦笑してやられましたと答えるのであった。


 その日は、そのまま緑達は大部屋をかりそこにダンジョンの扉をだし中に入りダンジョンの家で眠るのだった。




 次の日、緑とシャークのチームは合流して朝食をとるのであった。緑は食事が終わるとシャークに尋ねる。


「シャークさんダンジョンの中の海の管理人さんはだれかあてがあるのでしょうか?」


「ん? そんなもの無いぞ」


「ではどこで探すのでしょうか? 」


「そんなものこの町の孤児院にきまってるだろう」


 緑は、それを聞いてなるほどと思うのであった。その後、緑とシャークのチームはこの人魚の街の孤児院に行くのであった。




 シャークが孤児院のドアをノックすると中からシスターらしき女性が出てくるとシャークは孤児院にきた理由を話する。


 すると、シスターが数人の中学生くらいの子供達を連れてくるのであった。


「「はじめまして」」


 彼らは声をそろえて挨拶をするのであった。彼らの挨拶の後にシスターが話始める。


「この子たちは、今孤児院にいる全ての子供達です。どうかこの子たちを緑さんのダンジョンで働かせてください」


「この子達が望んでいるならぜひお願いします!」


 こうして、緑は海の管理人を任せられる子供達をダンジョンに案内するのであった。




 子供達が緑のダンジョンに行く準備をしシスターと別れの挨拶をし始める。そんな中やはり別れがつらいのか泣きじゃくる子供達も出てくる。


 しかし、シスターが言い聞かせると子供達は緑のダンジョンに入っていく。


「では、子供達の事を宜しくお願いします」


 そう言ってシスターは孤児院に残ろうとするが、緑はシスターも来ないかと尋ねる。


 しかし、シスターはもし自分もダンジョンの中で暮らし始めるとここに孤児が着たら助ける事が出来ないと言う。


 そこで緑は考える。各地の孤児院にダンジョンの入り口を作り常に出入りができるようにすれば、シスター達と子供達も離れ離れにならなくていいと。


 緑はすぐさまそれを実行に移す。思った以上に魔力とエネルギーを消費することになったがそれでも入り口は期間を置けば作っていくことが出来ると思われた。


 ダンジョンの入り口を作った緑はここより各地の街の孤児院にダンジョンの入り口を作っていこうと考える。


 国には緊急時の移動手段と緑達と常に連絡できることを伝えれば喜んで孤児院にダンジョンの入り口を作る事を許可するだろうと・・・・。


 

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