31話 ミドリムシは王都でダンジョンをお披露目する
「これから全員緑のダンジョンに入る。ここに入れるのは【赤い依頼】をいくつか達成した冒険者のみだが私の権限と頼みを聞いてくれた緑のおかげで今回に限りダンジョンにここに居る全員が入れることになった。くれぐれも冒険者から逸脱した行動はしてくれるな!」
その言葉を聞くと緑はダンジョンを開くのであった。
「ダンジョンオープン!」
その声が冒険者達の耳に届くと目の前に横並びに10人は入れる扉が出現し、その扉を緑達が開く。
「「おお!」」
先ほどまで緑達に対して良い感情を持っていなかった冒険者達であったがダンジョンに入った瞬間にそんな感情をどこかに置き忘れ中の光景を見渡すのであった。
それは、これでもかと実った様々な果物や野菜などの作物が目に入ってきたのであった。
冒険者達がダンジョンにはいった瞬間そのダンジョン内の豊かさに目を奪われたがすぐさま現実に引き戻され青い顔をする。
それは、入口から少し離れた場所にヒカリ、クウ、レイの子供達が入ってきた冒険者を歓迎するべく道の両サイドに整列していたが、冒険者たちからすれば大量のモンスターが統一された意志の元に行動している事にしか見えなかったからであった。
実際にジークも緑のダンジョンに入るのは初めてで、中にいる子供達の数や様々な、果物、野菜などの作物の豊作ぶりに顔を引きつらせていた。
そんな中緑が声を上げる。
「いらっしゃいませ! 僕のダンジョンの長所は丹精込めた各種の果物、野菜などの作物や家畜やそれに関係する肉や乳製品などの素材に当たる物がうりとなっています! もし、良ければこのダンジョンの中で僕の家族全員で作った物を堪能してほしいです!」
それを聞いた冒険者達は、金銭的に余裕があり贅沢ができるs級冒険者の自分達を唸らす事が出来るものがここにはあるのかと好奇心を刺激される。
戦闘の評価は間違いなく最高の評価を与えなければならない緑達にその他の評価を厳しめにつけても問題ないだろうと考えるていた冒険者達はその認識が甘かったことを痛感させられる。
「うめ~!! 」
「か~! 酒が冷えるだけでこんなにうまく感じるんだな!」
「おいし~! 」
冒険者達は大騒ぎをしていた。ジェスターの街でもそうであったがこちらの世界にあまり氷の存在が広がっていなかったため不思議に思う緑であったがその疑問も横におき色々なものを冷やして使うのであった。
そんな中、模擬戦で戦ったレッドが緑達に質問をする。
「赤い依頼をいくつか達成すればこのダンジョンに入れるとの事だがその枚数なんかはきまっているのか?」
レッドに質問され緑は明確な取り決めをしていないためにギルドマスターの2人を見る。そんなやり取りを聞いていたのかジークとピエールはまだ国とギルドで取り決めをしている最中だと答える。
それは、仕方ないとレッドもあきらめると今度は【達人】の二つ名の冒険者がやってくる。緑達は改めて挨拶をする。
「わしは、このダンジョンに住み続けてよいのかの?」
「はい! 流さん僕たちは街を移動することが多いと思いますので是非住んでください!」
「爺さんうまくやったな! 」
レッドはここに住む話になった流をうらやましそうに見ていた。
その後、緑と冒険者達は夜遅くまで騒ぐのであった。
次の日、緑はいつもの事と二日酔いを治す実を大量に用意してると話声が聞こえてくる。緑は声のする方に向かうと早速クウが流より武術を教わるっていた。
2人が修行をしている場所は緑達がいつも訓練をしている広場で離れたところでは兜とレイが模擬戦をして体を動かしていた。緑はそんな4人に挨拶をし昨日騒いだ冒険者達が寝ている場所に戻っていくのであった。
店の方に戻るともうほとんどの冒険者が起きていた。その冒険者達が緑を見つけるとこの二日酔いに効く実を売ってもらえないかと尋ねるのであった。
そんな頼みを聞き緑が次々と実を生み出していく姿を見て冒険者達は改めて緑が普通の人間の種族ではないと認識する。緑が二日酔いを治す実を配り終わると今度はピーエルが緑を呼ぶ。
ピエールの周りには種族がエルフの物が集まっていた。緑はピエールに聖属性の魔法を使うように言われ使う。すると、ピエールの周りのエルフたちが一斉に跪く。
ピエールはそんなエルフたちを立たせると緑の説明をする。エルフの冒険者達はその話を聞きぜひ一度自分達の生まれ故郷のリーフ王国に行ってほしいと言われるのであった。
長々と話していたため時間は丁度昼食ごろとなり緑は、冒険者達に食事を振舞うのであった。昼食も終わり十分に食休みを取った冒険者達は緑に挨拶をそダンジョンから王都に戻っていく。
今回とジェスターの時の冒険者達がダンジョンに来る時の事を思い出し、宿を用意しないとだめだと緑は考えた。その為蟲人達を集め大きな宿の建設をしたいと話あったのであった。
その日から緑のダンジョンの中にいくつかの建物をが立ち始めるのあった。緑は宿のついでとばかりに同時にいくつかの娯楽施設を考えるのであった。




