13話 ミドリムシの魔法のお勉強2
「それで何があった?」
こめかみに青筋を浮かべたままギルドマスターは緑達に尋ねる。
怒らせたのは自分であると自覚のある緑だが原因がわからないためありのままを話す。
「なるほど・・・・ ギルドの講習で得意属性以外の魔法を使う練習をした際に圧縮した魔力で聖属性の魔法を発現させたと・・・・ 緑いきなり怒って悪かったな、もう一度魔力を圧縮して聖属性の魔法を発現させてくれ、今回はもう少し魔力をこめてな」
緑は頷くと講習をしていた広場で行った量より多くの魔力を使い圧縮していく。緑の手の平に光輝く球が現れる。ギルドマスターはそれを見ると涙目になりながら緑に魔法の発現をとめるよに言うのであった。
「率直にいう緑、お前が聖属性の魔法を発現させた際にお前の気配が世界樹様の気配と間違えるほどに似たのもに変化した。女神様が降臨され、それを見たことがある者はほぼいないと言っていい。だが世界樹様はエルフの里におられ、誰もが見る事の出来る正にエルフにとって女神様に限りなく近い存在だ。そんな存在がいきなり現れたのだ、取り乱した事を正当化するつもりはないが許してくれるとありがたい」
「だ、丈夫です、ギルドマスターにはいつもご迷惑をかけていますし気にしないでください」
「しかし、緑はいくつ問題を抱え込めば気がするんだ・・・・容姿、スキル、種族の性質、魔法、ダンジョン全てが規格外だ先ほどの世界樹様の気配を感じて里に帰りたくなったよまったく」
「い、いつもすいません」
緑は苦笑いしながら謝るのであった。その後、疲れた顔のギルドマスターより1つの提案というかアドバイスを緑達はもらう。それは、アランのチームメンバーの回復職のクリスと攻撃魔法職のテレサに魔法を教えてもらってはどうかという事だった。
その後、講習に戻り講習が終わったあとギルド職員に経緯を話し、今までのお礼を3人が伝えるのであった。
「そういう事なら仕方ありませんね。短い期間でしたが私も良い経験をさせてもらいました。なんせキラービーとホレストアントが大量に出てきたときは死んだと思いましたよ。貴方達なら優れた魔法を使いこなせるようになると思います。頑張ってください!」
「「はい!ありがとうございました!!」」
講習が終わってからギルド職員に別れを告げ緑達はアランのチームを探すのであった。
ギルドのホールに向かうと丁度アラン達が依頼の報告に来ていたところだったため緑は声をかけておく。
「アランさーん、後でで良いのでお話する時間をもらえますか?」
「ああ、いいぞ先に報告をしてくるから待っておいてくれ」
アラン達が報告を終わらせてから緑達は魔法の講習での経緯を説明し、アランのチームのクリスとテレサに魔法を教えてほしいと頼むのだった。
「私は時間がある時でしたら良いですよ」
「私もっす」
「では申し訳ないですがお時間のある時に教えてください。夜はほとんど宿で食事をとるので宿屋の女将さんにお時間のある時を伝えておいてもらえれば迎えにいきますので」
「「迎えに?」」
「はい、聖属性の魔法を使うとエルフの人達が驚いて集まってくるかもしれないので、ダンジョンコアで作ったダンジョンの中で魔法の練習をしようと思うので」
「そういえば、この間ダンジョンコアを拾っていたな・・・・ちなみにすぐにいけるのか?」
「なら、今から行ってみます?」
緑がアランのチームをダンジョンに誘うと全員が頷きすぐにダンジョンに向かうことになった。
「では、宿の僕らの部屋に行きましょう」
ギルドより宿に戻ってきたアランのチームと緑達は、全員で緑の部屋にはいるのであった。
「では、ダンジョンに行きましょう。ダンジョンオープン!」
すると、目の前に横に4人ほどが同時に入れそうな扉が現れ、緑達が扉を開けるのであった。
「「おお(っす)」」
扉を開けた先は山や川に森もある広大なダンジョンが広がっているのであった。それを見たアランのチームのメンバーはそろって驚きの声をあげるのであった。そして、緑達3人が来たことに気づいた子供たちが集まって来るのであった。
ブブブブブブブ チキチキチキチキ
大量の虫の魔物が集まって来る光景に特にアランのチームの女性陣は顔を青ざめている。
「いやや!いやや!大量の虫はいやや!」
「私もちょっと怖いです」
「私達食べられないっすよね?」
男性陣もモンスターの数に青ざめて聞いてくる。
「緑、子供の数がかなり増えていないか?」
「そうやで緑、こんなにおったら小さな町が壊滅する量やで」
「ここは自然豊かでいいな、緑ここに住んじゃだめかな?」
1人お構いなしの人がいるが・・・・。
「ここなら広いし魔法の練習をしても大丈夫だと思うのですがどうでしょうか?」
「確かにここなら周りを気にせず訓練もできるな、緑お前たちが魔法の練習をしているとき俺達もここにきて訓練をしても良いか?」
「全然かまわないですよ!アランさん達なら大歓迎です!」
「なら何時がいいだろうな・・・・」
アランが考え込む。
「なら明後日からでもいいか?」
「いいですよ~ でも、明日じゃなくて明後日なんですか?」
「ここなら野営の練習もできるだろう」
アランがにやりと笑う。それを見た緑はたしかにここなら駆け出しの人達がくれば野営の練習ができると思うのであった。
次の日、アランのチームは遠くへ行く依頼を受けた時の準備をしていた。一方緑達は、ダンジョンで農業の準備をしていた。
緑は次々に以前の世界や今のこちらの世界の野菜や果物の実を産みだし植えていく。そしてそれをヒカリやクウの子供たちが管理をする。できた作物はもちろん緑達やその子供達も食べ過剰分に関しては保存用やダンジョンの中にお店をだして飲食店をしようと考えていたのであった。
次の日、約束の時間になるとアランのチームは緑の部屋を訪ねるのであった。
コンコン
「緑いるか? 入って大丈夫か?」
「アランさん入ってください!」
アラン達が中に入るとすでにダンジョンに入る扉があり緑達がまっていた。
「皆さん、よろしくお願いします!」
「「こちらこそ「っす」」」
挨拶を交わすと全員でダンジョンに入る。アラン達が入って目に飛び込んでくるのは先日来た時にはなかった1件の建物があるのであった。




